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百七十八話
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最近異世界に召喚されたお兄さんは魔法使いの適正があったナイトである私はそいつと一緒に旅をする
百七十八話
あらすじ ジャック(偽名)が勇者と共に冒険者になる為に訓練していたある日カジノで遊ぶことになり、そこで自分の偽物が現れるのであった。そして彼は本物のジャックの正体を知るのであった。そして彼の口から自分が勇者であり本当は魔族ということを聞かされるのであった。一方その頃勇者は魔王に呼び出されてとある場所に行こうとしていたのであった。
「……なるほど……それでジャックのふりをして今まで一緒に過ごしていた訳なんだ。」
「うん……騙して悪かったと思っている……」
「いいよいいよ気にしないで。……ところで本題は何だい?今から何処に行くのかについて教えて欲しいんだけど」
「ああ、俺達の本来の姿である悪魔の王に会いに行くんだ。」
「サタンの所へ!?……でもどうやって会いに行くの?」
それを聞いて、兄弟はこう言った。
「そこは問題ない、転移魔法を使うからな。だからお前達は大人しく待っていてくれよ。」
という事で転移をした先は地獄の宮殿でした。そこには既に一人の男性と数人の女悪魔が集まっていた。男は勇者に気が付き声を掛けてくる。
「おや、久しいな……というか何故ここに来た?」
それに続いて女の内の一柱が勇者達にこう言った。
「久しぶり~元気にしてた?」
それに合わせて男もうむと同意を示すように顎に手を当てていた。それを見て勇者は困惑していると男が説明し始めた。
「うむ……とりあえず私の名を言っていなかったな。私の名はサタンというものだ。……では次はそなた達の名前を教えてくれないか。」
それを受けて勇者はこう返した。
「僕は勇者、こっちはナイト」それを聞いてサタンは驚いた表情をしていた。
「ほぅ……まさか勇者が人間側でなく魔界に来るとは思わなかったぞ」
「はい……それは僕も思っています。」
そんな話をしている最中、もう一人の女性……彼女はイブと呼ばれているのだが……は退屈そうな顔をして会話を遮った。
「ねぇちょっとぉ私達が喋ってる時に話し込まないでくれる?ウザいわよ!」
「おおっと済まんね……じゃあまずそなたが何者かを教えてくれるかね?そなたからは懐かしき魔力を感じるのだ……」
そう言われると勇者は自分の正体を告げることにした。するとサタンは目を大きく見開いて驚いていた。そんな様子の彼に対して勇者は質問した。
「ところであなたが魔王ですか?」
それを聞いたサタソは首を横に振って否定した。
「いや違う。残念ながら今の我はサタンではない。我が肉体は既にこの世界には存在しないのだ。あるべき場所に還っていったのだよ」
「どういうことです?」
「この世界は本来我々が元居るべき場所とは異なる次元にある世界なのだ。そのため我々の力の一部を封じられてしまった我々はそのせいか記憶が曖昧なのだ。」
「なっ!お前らはこの世界の魔王の部下ってことかよ!!ならばぶっ飛ばしてやるぜ!!」と怒り出した弟に勇者は宥める様に肩を掴んでいた。
「大丈夫、彼らと戦う必要はないはずだよ。」
それを見た兄が勇者に問いかける。
「ん?どうするんだ?戦うのか?」
「いや、僕には目的がある。それを果たすまでは戦わないつもりだ。ただ……」
と言って一旦言葉を切ると勇者は二人に話しかける。
「君たちの仲間にはならないけど、敵じゃないなら協力して欲しいことがあるんだけど良いかな?」
それを聞いてサタンは微笑を浮かべた。
「無論だとも、共に歩めぬとはいえ敵対するつもりはない。好きにするが良い。」
「ありがとうございます。」
と言って頭を下げる勇者。
「ところでそなたの目的はなんだ?差し支えなければ話してくれるとありがたい。」
それを聞くと勇者は少し考えた後、口を開いた。
「……僕の本当の名前は天月聖也です。勇者というのは仮の姿だったんです。」
「そうか……。まぁ何にせよ、これからよろしく頼むぞ勇者殿。」
こうして勇者一行は魔王に会うために動き出すのだった。
百七十八話完
百七十八話
あらすじ ジャック(偽名)が勇者と共に冒険者になる為に訓練していたある日カジノで遊ぶことになり、そこで自分の偽物が現れるのであった。そして彼は本物のジャックの正体を知るのであった。そして彼の口から自分が勇者であり本当は魔族ということを聞かされるのであった。一方その頃勇者は魔王に呼び出されてとある場所に行こうとしていたのであった。
「……なるほど……それでジャックのふりをして今まで一緒に過ごしていた訳なんだ。」
「うん……騙して悪かったと思っている……」
「いいよいいよ気にしないで。……ところで本題は何だい?今から何処に行くのかについて教えて欲しいんだけど」
「ああ、俺達の本来の姿である悪魔の王に会いに行くんだ。」
「サタンの所へ!?……でもどうやって会いに行くの?」
それを聞いて、兄弟はこう言った。
「そこは問題ない、転移魔法を使うからな。だからお前達は大人しく待っていてくれよ。」
という事で転移をした先は地獄の宮殿でした。そこには既に一人の男性と数人の女悪魔が集まっていた。男は勇者に気が付き声を掛けてくる。
「おや、久しいな……というか何故ここに来た?」
それに続いて女の内の一柱が勇者達にこう言った。
「久しぶり~元気にしてた?」
それに合わせて男もうむと同意を示すように顎に手を当てていた。それを見て勇者は困惑していると男が説明し始めた。
「うむ……とりあえず私の名を言っていなかったな。私の名はサタンというものだ。……では次はそなた達の名前を教えてくれないか。」
それを受けて勇者はこう返した。
「僕は勇者、こっちはナイト」それを聞いてサタンは驚いた表情をしていた。
「ほぅ……まさか勇者が人間側でなく魔界に来るとは思わなかったぞ」
「はい……それは僕も思っています。」
そんな話をしている最中、もう一人の女性……彼女はイブと呼ばれているのだが……は退屈そうな顔をして会話を遮った。
「ねぇちょっとぉ私達が喋ってる時に話し込まないでくれる?ウザいわよ!」
「おおっと済まんね……じゃあまずそなたが何者かを教えてくれるかね?そなたからは懐かしき魔力を感じるのだ……」
そう言われると勇者は自分の正体を告げることにした。するとサタンは目を大きく見開いて驚いていた。そんな様子の彼に対して勇者は質問した。
「ところであなたが魔王ですか?」
それを聞いたサタソは首を横に振って否定した。
「いや違う。残念ながら今の我はサタンではない。我が肉体は既にこの世界には存在しないのだ。あるべき場所に還っていったのだよ」
「どういうことです?」
「この世界は本来我々が元居るべき場所とは異なる次元にある世界なのだ。そのため我々の力の一部を封じられてしまった我々はそのせいか記憶が曖昧なのだ。」
「なっ!お前らはこの世界の魔王の部下ってことかよ!!ならばぶっ飛ばしてやるぜ!!」と怒り出した弟に勇者は宥める様に肩を掴んでいた。
「大丈夫、彼らと戦う必要はないはずだよ。」
それを見た兄が勇者に問いかける。
「ん?どうするんだ?戦うのか?」
「いや、僕には目的がある。それを果たすまでは戦わないつもりだ。ただ……」
と言って一旦言葉を切ると勇者は二人に話しかける。
「君たちの仲間にはならないけど、敵じゃないなら協力して欲しいことがあるんだけど良いかな?」
それを聞いてサタンは微笑を浮かべた。
「無論だとも、共に歩めぬとはいえ敵対するつもりはない。好きにするが良い。」
「ありがとうございます。」
と言って頭を下げる勇者。
「ところでそなたの目的はなんだ?差し支えなければ話してくれるとありがたい。」
それを聞くと勇者は少し考えた後、口を開いた。
「……僕の本当の名前は天月聖也です。勇者というのは仮の姿だったんです。」
「そうか……。まぁ何にせよ、これからよろしく頼むぞ勇者殿。」
こうして勇者一行は魔王に会うために動き出すのだった。
百七十八話完
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