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第百六十九話:騎士と魔物のコンビニバトルロイヤル

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ある日の夕暮れ、コンビニ「ワンダー」はいつも以上に賑やかだった。理由は簡単——今日は「一日限定!最強スナック争奪戦」と銘打った特別セールの日だった。

「最強スナック」と名高い「マジカルポテトチップス・竜の息吹味」は、一口食べれば体力が一時的に倍増し、味覚は異世界の美味しさに浸れると言われている。その噂を聞きつけて、騎士様や魔物たちが大勢詰めかけたのだ。

「おい、隊長!これを取った者が真の勇者だ!」と騎士団の若手たちが競い合うように棚に突進する。

一方で、魔物たちも負けじと叫ぶ。「今日こそは、オイラの胃袋が勝利を掴むのだ!」と小型ドラゴンが空中をくるくる飛び回り、棚を狙う。

だが、その争奪戦の中で特に目立っていたのは、大柄なミノタウロスと騎士団長アーサー卿だ。ミノタウロスが棚をつかんでガッと引き寄せると、アーサー卿がその腕に一瞬で飛び乗り、棚に手を伸ばす。

「そこは譲れんぞ、アーサー卿!」とミノタウロスが吼えると、アーサー卿も負けじと返す。「何を言う、戦場ではいつでも全力だ!」

その時、店長がカウンターで叫んだ。「棚ごと持っていくなー!破壊費用は君たちの給料からだぞ!」

その声に一瞬怯んだアーサー卿とミノタウロス。だが、棚の隙間を縫って現れたのはレッサーデーモン。彼が手にしたのは、勝利のスナック——!

「やった、オレの勝ち!」と歓喜の声を上げるレッサーデーモンに、店内全員が「あっ!」と声を合わせた。だがその瞬間、店の入り口から謎の影がスッと現れる。

「ちょっと待った!そのスナック、私のだ!」現れたのはまさかの妖精王。小さい体ながら、そのオーラは圧倒的。

「こ、これは新しい展開だな…」と店長は遠い目をした。

店内は再び騒然となり、コンビニ「ワンダー」は笑いと混乱に包まれたのであった。

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