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第百六十話:騎士様の大食いチャレンジ
しおりを挟む今日もコンビニ「異世界ワンダー」は賑わっていた。新商品として店内の一角に並んでいる「無限カレーパン」が冒険者たちの話題をさらっていた。なんでも一口食べると、次々ともう一口が欲しくなる魔法がかかっているらしい。
「次の挑戦者は……騎士団長グレゴール様です!」スタッフのアルバイト魔物がマイクを握り、店内に響かせると、どっしりとした鎧を身に纏ったグレゴールが堂々と現れた。
「ふん、無限と言われても、これを制覇しなければ騎士としての名折れよ!」と勇ましい声で宣言し、一口目をかぶりつく。
周りの騎士や魔物たちが「おお、さすが団長!」と歓声を上げる中、彼の顔は次第に真剣さを増していった。
「……むむ、これは……本当に終わりが見えない!」と、額に汗を滲ませるグレゴール。カレーパンの魔法がじわじわと彼を捉えているのだ。
「団長、負けるな!次は我が挑む!」と騎士仲間が声をかけ、魔物たちも興奮した目で見守っている。
その時、店長が冷ややかに呟いた。「まさか、こんな大騒ぎになるとはね。これ、在庫大丈夫かな?」
結果、グレゴールは「無限カレーパン」に3時間ほど挑み続け、最後は「次は……明日……だ」と言い残し、店内で力尽きた。
騎士様たちの食欲とプライドをかけた戦いは、まだまだ続く。
つづく
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