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第百五十二話:異世界の秘密兵器、発動!
しおりを挟む「ワンダー」に新しいお客さんがやってきた。それは、見た目こそ普通の騎士だったが、どうやらただの騎士ではなさそうだ。彼の胸に輝く紋章は、ただならぬ雰囲気を漂わせていた。
「こんにちは、ワンダーの店主さん。」その騎士は静かに入店し、何かを探している様子だ。
店長はにっこりと微笑みながら迎える。「いらっしゃいませ!何かお探しですか?」
「実は、これから大きな任務に出るんです。ちょっとした補給をしたくて。『超高性能シールド』を探しているのですが、ありますか?」
店長は瞬時に思いついた商品を取り出す。「あー、ありますよ。これです!『無敵のシールド風味のジャーキー』!」
「え、ジャーキー?」騎士は目を丸くする。
店長は自信満々に続ける。「はい!『無敵のシールド風味のジャーキー』は、食べると盾のように硬い心構えができるという、ちょっと不思議な一品なんです!どんな危険な状況でも『これで乗り越えられる!』と心に誓って食べると、戦いの準備が整うんですよ。」
騎士は苦笑いを浮かべながら言った。「いや、心構えじゃなくて、物理的に使えるシールドが欲しいんですけど…。」
「もちろん、こちらのジャーキーも、精肉の中に魔法的な成分が含まれていて、食べることで体力が回復し、盾を背負った気分になれるんです!あ、ちなみに食べすぎるとお腹が盾みたいに膨らんでしまうので、食べ過ぎには注意してくださいね。」
騎士は顔を引きつらせるが、やはり店長の自信満々な説明に興味が湧いてきたようだ。「じゃあ、それを一つください…。」
その時、店の扉が勢いよく開き、魔物のような大きな影が店内に入ってきた。それは、まさに伝説の魔物、ドラゴンビーストのバラドンだった。
「おう、店長!また面白い物があるって聞いたから来たぞ!今日は何だ?」バラドンは豪快に声を上げ、店内を見渡す。
「うーん、今日の目玉は『無敵のシールド風味のジャーキー』かな?」店長は嬉しそうに商品を指さす。
バラドンはそれを見て顔をしかめる。「ジャーキー?シールド風味?それって、食べたら体が硬くなるのか?」
「いや、心が硬くなるんです!」店長は間髪入れずに答える。
「心が硬く?」バラドンは首をかしげる。「まあ、そんなもんか。俺のハートが硬くなるっていうなら、ちょっと試してみてもいいかもな。」
騎士がジャーキーを手に取ると、突然、店内の一角で大きな音が鳴り響いた。それは、何かが床に落ちた音だった。振り返ると、そこには一体の、まさに「秘密兵器」のような装置が現れていた。
「なんだこれ?」店長は目を丸くする。
それは、まさに「異世界の秘密兵器」。巨大なマシンが、店の隅にひっそりと隠れていた。どうやら、最近店長が「もっと便利な商品を開発しよう!」と新しいアイデアを思いついた結果、勝手に試作してしまった代物らしい。
そのマシンの名前は「超時空トラベル・自販機」だ。店長が説明を始める。「これ、最近作ってみたんですよ!使うと、食べ物が出てくる場所がどんどん変わって、まるで異世界を旅しているみたいな感覚になるんです!」
騎士とバラドンは目を丸くしながらそのマシンを見つめる。すると、店長は嬉しそうにレバーを引いた。
「よーし!では、最初のトリックを見せてあげましょう!」
一瞬、マシンから光が放たれ、突然店内の雰囲気が変わった。空気がひんやりとしたかと思えば、次の瞬間、店内にサンドイッチが現れる。「あれ、今のはどこの異世界から…?」
「それは、冷凍サンドイッチの世界から来ました!」店長が説明を加え、次のレバーを引くと、マシンはさらに進化して、今度は果物の缶詰が飛び出した。
その後、マシンは次々に「異世界」から食べ物を取り出していく。しかし、次第にその効果が暴走し、店内の床に大量の食べ物が散乱し始める。
「おっと、ちょっと暴走しちゃいましたね!」店長は焦りながらも、手を挙げてそのマシンを止めようとする。「これ、まだ試作段階だったんだよ!」
騎士もバラドンも、そんな店長に微笑みながら言った。「まあ、楽しいことになったし、結果オーライだろ?」
店内は一瞬のうちに大騒ぎとなり、「異世界の秘密兵器」はついにその名を知られることとなったが、誰もがその後の片付けに忙しくなったのは言うまでもない。
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