151 / 185
第百五十一話:伝説の「魔法のレジ袋」登場!
しおりを挟む異世界コンビニ「ワンダー」に新たな商品が登場した。それは、どこかで聞いたことのあるような、ちょっと不思議な名前の「魔法のレジ袋」。店長が自信満々に紹介するその商品に、店内のお客たちの目が釘付けになった。
店長がにっこりと笑いながら説明を始める。「こちらのレジ袋、ただの袋じゃありません。『魔法のレジ袋』なんです!食べ物を入れると、なぜか中身が全て温かくなるという、素晴らしい魔法の袋ですよ!」
「え、温かくなる?」と不安げな顔をする冒険者クレオ。「それ、本当に大丈夫なのか?」
「もちろん!」と店長は力強くうなずく。「しかも、袋が破れにくくなる効果もあって、どんな重いものでも安心して運べます!そして、食材が入っていれば、魔法によって消費期限も延びるんですよ!」
その言葉に、周囲の騎士たちや魔物たちが驚きの声を上げる。「それはすごい!」「やっぱりワンダーの商品のクオリティはすごいな!」と、さっそく試してみようと、次々に「魔法のレジ袋」を手に取る客たち。
最初に試したのは、普段から食べる量が多いドラゴンビーストのバラドン。食材を大量に買い込み、「これを試してみよう!」と笑顔で袋に入れる。しかし、袋に入れた瞬間、何かがおかしい。
「うわっ、あれ……袋、膨らんできてる!?」とバラドンが驚く。レジ袋はどんどん膨れ上がり、まるで風船のように膨らんでいく。袋の中からは、フワフワとした温かい蒸気が立ち上り、「魔法のレジ袋」自体がどんどん膨張し、最終的にはバラドンの体の大きさを超えて、巨大な袋ができあがってしまった。
「お、おい!これ、ちょっと危険じゃないか!?」と慌てふためくバラドン。周りの騎士たちも、その膨れ上がった袋に驚き、思わず後ずさりする。
「ちょっと待って、袋が膨らみすぎちゃったみたいですね……でも、これなら荷物を運ぶにはぴったりかも!」と店長が冷静に対応。
その後、「魔法のレジ袋」の魔力が暴走したことで、バラドンは一時的にレジ袋に飲み込まれ、そのまま袋の中でバウンドするというハプニングが発生。しかし、最終的に袋の魔法は収束し、膨らんだ袋が元のサイズに戻ると同時に、袋の中の食材がすべて温かくなっていた。
「なるほど、温かくなってるけど、やりすぎたかも……。」とバラドンは恥ずかしそうに頭を掻く。「でも、確かに消費期限は延びてるし、温かくて美味しそうだな。」
その後、他の客たちも「魔法のレジ袋」を試してみるが、どうやら「膨らみすぎる現象」はバラドンだけに起きたようで、他の人たちは問題なく使えた。だが、ちょっとしたハプニングを楽しんだ客たちは、袋の魔法にすっかり魅了され、次々に「魔法のレジ袋」を購入していった。
その夜、店長は袋の効果に関して改良案を考えながら、一人で店の奥で反省していた。「うーん、膨らむのはちょっと過剰だったかな……でも、こういう突発的な魔法効果こそがワンダーの魅力だよな!」
翌日、店長は「魔法のレジ袋」を改良し、膨らむ現象を抑えるように調整した新型を登場させることを決意した。その名も、「温かい魔法のレジ袋・改」。
おまけ:
その後、店長はこの「魔法のレジ袋」の発展型として、「魔法のリュックサック」を開発し、今度は一歩進んだ魔法アイテムを提供し始める。それにより、ワンダーの評判はますます広まり、異世界のあらゆる場所から客が訪れるようになった。
また、バラドンの体験は「ワンダー伝説」として語り継がれることとなり、店の中でたまに「膨らんでる袋」が出ると、客たちは「バラドン再現!」と盛り上がるようになったのだった。
1
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結
「お姉様の赤ちゃん、私にちょうだい?」
サイコちゃん
恋愛
実家に妊娠を知らせた途端、妹からお腹の子をくれと言われた。姉であるイヴェットは自分の持ち物や恋人をいつも妹に奪われてきた。しかし赤ん坊をくれというのはあまりに酷過ぎる。そのことを夫に相談すると、彼は「良かったね! 家族ぐるみで育ててもらえるんだね!」と言い放った。妹と両親が異常であることを伝えても、夫は理解を示してくれない。やがて夫婦は離婚してイヴェットはひとり苦境へ立ち向かうことになったが、“医術と魔術の天才”である治療人アランが彼女に味方して――
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
王妃から夜伽を命じられたメイドのささやかな復讐
当麻月菜
恋愛
没落した貴族令嬢という過去を隠して、ロッタは王宮でメイドとして日々業務に勤しむ毎日。
でもある日、子宝に恵まれない王妃のマルガリータから国王との夜伽を命じられてしまう。
その理由は、ロッタとマルガリータの髪と目の色が同じという至極単純なもの。
ただし、夜伽を務めてもらうが側室として召し上げることは無い。所謂、使い捨ての世継ぎ製造機になれと言われたのだ。
馬鹿馬鹿しい話であるが、これは王命─── 断れば即、極刑。逃げても、極刑。
途方に暮れたロッタだけれど、そこに友人のアサギが現れて、この危機を切り抜けるとんでもない策を教えてくれるのだが……。
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる