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第百五十話:雲丹の魔力

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異世界コンビニ「ワンダー」の新商品、「雲丹の魔力」が登場した。その名の通り、魔力が込められた雲丹(うに)を使った料理で、店内にはその香りが漂い始めた。魔物たちと騎士たちの間で、この「雲丹の魔力」が何かすごい効果を持っているという噂が立ち始める。

店長が説明を始める。「これは、特別な雲丹を使って、魔力を強化できる効果があるんです!食べると、一時的に魔力が増加し、さらに……ちょっとした幸せ感も味わえるという魔法の食材なんですよ!」

その話を聞きつけてやってきたのは、普段から魔力を必要とする冒険者たち。最初に目をつけたのは、勇者クレオ。「本当に魔力が増加するのか?」と疑いながらも、興味津々で「雲丹の魔力」を注文。

「どうせ、たいしたことないんだろう。」と少しばかり冷めた表情で待つクレオ。だが、出てきた「雲丹の魔力」の美しい盛り付けを見て、彼は思わず驚く。「おお、見た目は確かに……う、うまそうだ。」

それを見ていた他の騎士たちも、少しずつ注文を始める。「本当に魔力が増えるのか?やっぱり気になるな。」と、一口食べる騎士たち。あれ?次々と表情が変わっていく。

「な、なんだこれ!?魔力が……うわぁ!すごく増している感覚が!」と、普段冷静な騎士でさえも目を見開く。

その様子を見た店長は嬉しそうに言った。「ほらね!『雲丹の魔力』、本当に魔力を増強させるんですよ!しかも、食べるだけで気分が高揚するので、戦闘前のエネルギーチャージにもぴったりなんです!」

「俺も食べるぞ!」と、魔物の一団も次々と注文。ドラゴンビーストのバラドンもひとくち食べて目を大きく開ける。「うおおおおお!これは……魔力がうなぎのぼりだ!」と、彼もまた魔力増強に驚愕していた。

その後、クレオとバラドンは、顔を見合わせてニヤリと笑った。「これで次の冒険はバッチリだな!」と、二人は拳を合わせて力強く頷く。

そして、店の外には異世界の冒険者たちがどんどん並び、雲丹の魔力を食べて魔力をアップさせ、次々と戦いに挑み始める。そのエネルギーに満ちた姿に、店長は胸を張って言った。「ふふふ、これでワンダーの人気はますます高まるぞ!」

ところが、その魔力アップの効果が意外な形で発揮されることになった。冒険者たちが調子に乗って魔力を過剰に使いすぎ、途中で魔力を使い果たしてしまう事態に!「うおおおお!やばい、魔力が…足りない!」と、倒れ込む冒険者たち。

「ああ、魔力過剰になりすぎちゃったか!でも心配しないで、ここで休んでいけばまた魔力回復もできますから!」と、店長は親切にアフターケアをしてくれる。

「『雲丹の魔力』、やりすぎ注意だな。」と笑いながら店長は呟く。食べすぎには気をつけるべきだと、改めて教訓を得た冒険者たちが次に訪れた際には、ほどほどに楽しんでいた。

結局、雲丹の魔力は、「魔力回復のために食べ過ぎない」「戦闘前にちょっとだけ食べるのがベスト」といった新しいルールができ、ワンダーのメニューはますます賑わっていった。

そして、その日以降、「雲丹の魔力」は間違いなく店の人気商品となったのだった。

おまけ:

その後、店長は新たに「魔力を抑制する雲丹」なんて商品をひそかに開発し、次なるブームを狙っていた。

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