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第百四十五話:玉ねぎ坊や来襲
しおりを挟むある日、異世界コンビニ「ワンダー」に、一風変わったお客が来店した。その名も「玉ねぎ坊や」。頭が玉ねぎそのもので、怒ると涙が出てしまうという、少し厄介な存在だ。店の入り口に現れた瞬間、店内の全員が構えた。なぜなら、彼が泣き出すと周囲の誰もが涙で視界を奪われるからだ。
「よう、店長!今日は特別な玉ねぎエキスを探しに来たんだ!」と、玉ねぎ坊やは威勢良く叫んだが、すでに目が潤んでいる。
「坊や、それ以上涙を流すな!お客さんがみんな泣きながら商品を選ぶ羽目になる!」店長は慌てて叫ぶ。
だが、玉ねぎ坊やはすでに止められない。彼が選んだ商品が「辛口激辛スナック」だったせいで、目がますます潤んでしまったのだ。「こ、これは予想以上に…しみる!」と、玉ねぎ坊やの目から大量の涙がボロボロと流れ出す。
店内は一気にパニックになり、騎士様たちは「くっ、この涙の嵐では剣が抜けん!」と困惑し、魔物たちは「しょっぱい、しょっぱすぎる!」と店内を転げ回る始末。
「誰かモップ持ってきて!いや、吸水魔法を使える奴はいないのか!」と店長が叫ぶ中、店員の一人が棚の奥から「涙吸収スポンジ」を取り出した。それは店長がいつかのために仕入れておいた、特製グッズだった。
店員たちはそのスポンジを使って店内を懸命に拭きまくり、ようやく事態は収束した。玉ねぎ坊やは「ああ、すまなかったね」と言い残してスゴスゴと退店。
店長はため息をつきながら、「今日は泣きすぎて、売り上げが涙で流れちゃったよ…」とぼやいたが、店員たちは涙の後始末でぐったりしているだけだった。
こうして、「ワンダー」はまた一つ伝説を増やしつつ、次の波乱を迎えるのだった。
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