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第百三十三話:魔王のアイスクリーム
しおりを挟むある暑い日、コンビニ「魔法堂」は大盛況。特に冷凍食品コーナーには、鎧をまとった騎士たちと見慣れない魔物たちが詰めかけていた。店内に突如現れた黒いローブをまとった人物は、店のオーナーすらも驚かせる存在だった。
「お、おい! あれって……!」と顔を青ざめさせるアルバイトのリリィ。見ると、そこには伝説の魔王ゾルダークが、魔法の杖を掲げていたのだ。
「店長、このアイスは何だ? 他の店にはない味だぞ!」と興奮している魔王。手には「極寒の闇夜アイス」という黒いパッケージのアイスを握りしめていた。
「え、それは、闇魔術の研究者と共同開発した特別品で……」と店長は説明しようとしたが、魔王は既に袋を破って一口食べていた。
「うおおお! 冷たい! だが美味い! 心の奥底から冷えた力が湧いてくる! 誰かこれを食べて勝負しろ!」と叫ぶ魔王に、周囲の騎士たちは震え上がり、店からそっと距離を取る。
だが、一人の勇敢な若い騎士が一歩踏み出した。「よし、私も挑戦しよう!」と彼は同じアイスを取り出し、魔王と競い合いながら食べ始めた。
結果、二人とも「頭がキーン」と叫んで同時に崩れ落ち、店内は笑いの渦に包まれた。
店長はため息をつきつつも、今後のアイス特売日を検討するのであった。
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