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第百二十九話:騎士団と魔物のアイスクリーム戦争

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ある暑い日の午後、店内に一歩足を踏み入れると、冷凍ケースの前で騎士たちと魔物たちが何やら激論を交わしていた。件の騎士団長アルフレッドと魔王軍の参謀ダルバドが、アイスクリームの最後の一本を巡ってにらみ合っているのだ。

「これは我が騎士団の聖なる冷涼を守るために必要な一品だ!」とアルフレッドが力説する。

「いや、それは我が軍の冷えた戦意を蘇らせる至高の甘味だ!」とダルバドも引かない。

その様子を見ていた常連のゴブリンが呟いた。「あいつら、何でいつも戦うの、アイスのために……」

他のお客様も巻き込まれていく。勇者ロランドは「正義のためにこのアイスを保護する!」と横入りし、エルフの吟遊詩人は「この一瞬を詩にして語り継ぐ!」と現場の情景を歌い始めた。

「これはもう、じゃんけんで決着をつけるしかないな!」とエルフの店員が提案すると、全員が真剣な表情で手を構える。

「最初はグー!」

その瞬間、ドアが再び開き、無邪気なスライムが「アイス、おいしい!」と冷凍ケースの中のアイスをスルリと奪っていった。

店内は一瞬沈黙に包まれた後、大爆笑が起こった。アルフレッドとダルバドは呆然とし、そしてついに肩をすくめて笑い合う。

「たまには、こんな終わりも悪くないな。」とアルフレッドが言えば、「そうだな、次は奪われないように気をつけるんだな。」とダルバドが返す。

店員が肩をすくめて呟いた。「これがうちのコンビニの日常なんだから、困ったものだ。」

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