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第百六話:魔王様、また登場!?
しおりを挟む今日もコンビニは平和で賑やかな雰囲気。冒険者たちや魔物たちが、いつものようにお買い物にやって来ている。しかし、いつもの静かな日常が一変する瞬間が訪れた。
店員が棚を整理していると、ドアが勢いよく開き、「ガラガラガラ!」という音とともに、魔王様が颯爽と登場した。
「ま、魔王様!? また来店ですか…?」店員が驚きながらも、カウンター越しに頭を下げる。
魔王は何も言わず、軽く手を振って店内を見渡す。その視線の先には、目を輝かせたゴブリンたちが集まっていた。
「おい、魔王様、あの『超魔力の大福』をまた買いに来たんですか?」とゴブリンの一人が声をかけると、魔王は一瞬だけ顔をしかめて言った。
「いや、今回はちょっと違う。今日はこれを買いに来たんだ。」
魔王が差し出したのは、「究極のモンスター餌」と書かれた袋だった。中身は、どう見てもモンスター用の特製フード。
店員はその袋を見て、「あ、あの…魔王様、それは…もしかして魔物たち用の新しい商品ですか?」と恐る恐る尋ねた。
「ん? いや、違うぞ。」魔王は豪快に笑いながら続けた。「これは私の『特訓用』だ。戦いのために、栄養満点のモンスター餌を食べて、さらに強くなるつもりだ。」
店員は呆れながらも、「あ…あの…それは…かなりすごい商品ですけど…」と返事をするしかなかった。
その時、後ろから声が聞こえた。
「ちょっと待てよ! そんなもの、私が食べる!」と、ガチャっとドアが開き、今度は「サイクロプス」が登場した。
「おお、サイクロプス、久しぶりだな!」と魔王が声をかけると、サイクロプスは無邪気に笑って答えた。
「魔王様、あんたの特訓用餌を横取りしようとしているわけじゃないよ。だが、私はやっぱり『究極のエネルギー』が欲しいんだ。」と言って、袋を引き寄せる。
店員は思わず手を上げて止める。「ちょっと待ってください! みなさん! その袋は売り物じゃありませんよ!」
しかし、サイクロプスは「じゃあ、売り物にしてくれよ」と言って、魔王に向かって言った。
「えぇぇぇぇ!? それってどういうことですか!?」と店員は驚く。
「まあ、私が食べるべきだろう?」と魔王は笑いながら言った。サイクロプスもにやりと笑って、袋を引き寄せて… そのまま袋を破り、餌を食べ始めてしまう。
「ええっ!? それを食べちゃうんですか!?」と店員が目を大きくして叫ぶと、サイクロプスはお構いなしに言った。
「うん、だってすごく美味しそうだもん! それに、魔王様が食べる前に試してみないと!」
「だめだ、これは私のために取っておいた餌だ!」と魔王が怒りながらも、サイクロプスの方を見てちょっと悩む。
その間に、ゴブリンたちが「うわぁ、すごい! モンスター用の特訓フードが食べられるなんて!」と大騒ぎを始め、店内はますますカオスに。
そして、店員は半分呆れながらもこう思うのだった。「今日は、一体どうしてこんなことになったんだ…?」
その後、なんとか店内が落ち着き、魔王とサイクロプスは仲良く餌を分け合い、満足げにコンビニを後にした。
「次回はもっと静かな日が来るといいな…」と店員は心の中でつぶやきながら、また新たなお客様を迎える準備を始めるのだった。
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