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第百四話:魔物のお客様とギャグの嵐
しおりを挟むコンビニのドアが開くと、今日もまた奇妙な顔ぶれのお客様が訪れる。まず最初に現れたのは、頭に金色の角を生やした大きな牛の魔物。彼の名前は「バール」といい、力自慢で名高いが、どこかコミカルなキャラクターでもある。
「店員さん、今日は何かおいしいものが食べたいんだが、オススメはあるか?」とバールは、無造作にカウンターに腕を乗せながら尋ねた。
店員は少し考え込んでから、「それなら…『魔力回復ポテトチップス』はどうですか?」と提案した。
バールは即座に目を輝かせて、「ポテトチップス? 魔力回復? それ、すごく便利だな! それをくれ!」と大きな声で答えた。
「お、よし、ではこちらになります。」と、店員がチップスを手渡すと、バールはガサゴソと袋を開け、一気に食べ始めた。
「おい! それって『食べ過ぎ』ってやつじゃないか!」と隣で見ていた騎士エールが指摘すると、バールはニコニコしながら言った。
「いや、だって…この『魔力回復ポテトチップス』は、量を食べるほど魔力が回復するんだろ?」と、大きな袋を持って笑顔を浮かべた。
「そんな設定、どこにも書いてなかっただろ!」と店員がツッコむが、バールは全く気にする様子もなく、あっという間に袋を空にしてしまった。
その後、バールが「魔力満タン!」と元気よく叫んだ瞬間、次に現れたのは、まったく違ったタイプの魔物だった。
「やあ、店主!」と元気よく声を上げたのは、小柄なサイズで、髪の毛が青く光る「ピクシー」だった。彼女はいつも元気いっぱいで、なんだか面倒ごとを持ち込むタイプである。
「今日はちょっとした買い物に来たんだ! 今日の夜に、仲間たちと宴を開くからさ、いっぱいお菓子が欲しいの!」と、何やら笑顔で店員に向かって話しかけた。
店員はそれに応じて、「お菓子ですか? それなら、こちらの『魔法のグミ』や『妖精のクッキー』など、いかがですか?」と並べてみせた。
ピクシーはしばらくその商品を眺めてから、「うーん…グミはなんだか少し味が単調で、クッキーはちょっと普通すぎるな…」と悩んでいた。
「じゃあ、こっちの『魔力増強ケーキ』にしようか!」と、急に何かに気づいたように叫んだ。
「それ、まだ試作段階の商品だぞ?」と、店員は少し心配そうに止めたが、ピクシーはすでにケーキに手を伸ばしていた。
「いや、私が食べるから大丈夫だよ!」と、自信満々にケーキを手に取り、パクリと一口食べると、すぐに顔をしかめて「これ…マジで魔力が増すのか?」と首をひねった。
店員は慌てて説明を始める。「いや、そのケーキには一応、魔力を回復する成分は入ってるんですが…ちょっと強い味の成分が混ざりすぎていて…」
「うーん、次はもう少し甘いのがいいかな。」と、ピクシーはあっさりとケーキを返して、別の棚の方を見ていた。
その頃、店内の他のお客様たちは、次々に面白い商品を見つけて、思わず買ってしまう様子だった。
突然、またドアが開き、今度は大きな体を持つ「ゴブリン」たちが入ってきた。彼らもお腹を空かせているようだ。
「ここのコンビニ、ほんとうに楽しいな! なんでも売ってる!」と、ゴブリンたちの一人が喜んでいた。
店員はちょっと疲れ気味に「ありがとうございます…でも、ちょっと落ち着いて買ってくださいね。」とお願いすると、ゴブリンたちは笑いながらも、きちんと商品を選んでいった。
その後、再びバールが「ここのポテトチップス、魔力が回復しすぎて力が入りすぎた! 今、魔王に挑戦しに行こうぜ!」と、コンビニの外に駆け出して行った。
店員は、目の前にいる魔物たちを見ながら、思わずつぶやいた。「こんなに騎士様や魔物たちが集まる店、これからどうなっちゃうんだろう…」
だが、すぐに気を取り直し、また新たな魔物たちのお客様を迎える準備を始めるのだった。
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