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第百三話:預言者パブテマス
しおりを挟むその日、コンビニに現れたのは、ひときわ風変わりな人物だった。入口の扉が開くと同時に、店内に一際強烈な風が吹き込んだ。振り返ると、そこには豪華なローブを身にまとった人物が立っていた。
「ふむ…この店か…」と、深いため息をつきながら入ってきたその人物は、周囲の騎士たちから注目されていた。なぜなら、その人物はあまりにも自信満々な様子で、まるで自分が世界の中心であるかのような雰囲気を醸し出していたからだ。
「おや?」と、店員が声をかけると、その人物はゆっくりと顔を上げた。
「私はパブテマス、預言者にして未来を視る者。」と、胸を張って名乗った。
「預言者?」と、店員が首をかしげると、パブテマスはうなずいて続けた。「そうだ、私は未来の出来事を予見し、その運命を切り開く者だ。」
その言葉を聞いた店内の騎士たちは、ざわめきながらも興味津々で話を聞いていた。「おお…未来を視る者だと?それなら、来月の冒険の報酬が倍になるとか、そんな未来を見てほしいぞ!」
「いやいや、私が見えるのは、そういった凡人の未来ではない。」とパブテマスは手を振った。「我が目に映るのは、もっと壮大な未来だ。だが、今はまず、この店に来てしまったのだ…」
「なるほど…」と店員が言うと、「じゃあ、どうしてこの店に?」と尋ねた。
パブテマスは深いため息をつきながら言った。「実は、私の未来を予見する力が…少しだけ乱れているのだ。この店に来た理由も分からぬまま、ただここに足を運んでしまった。」
「そんな時に…食べ物が必要ということですね。」と店員がにっこりと微笑むと、「確かに…そうだな。私の未来を正確に視るためには、まず腹を満たさねばならぬ。」とパブテマスはうなずいた。
店員は少し考えた後、「それなら、こちらの『魔力回復チョコレート』や『エネルギー満タンパウダー』がおすすめですよ。」と手に取って勧めた。
「うむ…」とパブテマスは目を閉じて一瞬考え込み、「それを…ひとつ頼む。」と答えた。
その瞬間、隣に立っていた騎士がパブテマスの背中を叩きながら、「おいおい、未来が見える預言者が、こんなポーションで未来を回復するなんて、意外だな!」と笑った。
「ふむ…未来を予見する力に、エネルギーが足りていないというのも、まったく情けないものだな。」とパブテマスはうなずきながら言った。
その後、パブテマスは無事に商品を手に取ると、店員に支払いをし、再び口を開いた。「さて、これで未来の混乱を収められるだろう。だが、私の予知によると…この店、近いうちに大きな変化が訪れるだろう。」と、謎めいた言葉を残して去っていった。
「えっ?」と店員がその言葉を聞いていると、隣で見ていた騎士が「ああ、あの預言者、昔もそんなこと言ってたな…」とつぶやいた。
「それにしても、未来の預言者がこんな普通のアイテムを買うなんて…ちょっと予想外だな。」と、他の騎士が言うと、店内はまたしばらくその話題で盛り上がった。
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