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第百一話:魔物たちのマッチングアプリ大混乱!
しおりを挟むコンビニの「魔法のマッチングアプリ」が導入されてから数日、店内は騎士様や魔物たちがそのアプリを使って盛り上がっていた。だが、思いがけない事態が発生する。
「こ、これが…『お試し』のキャンペーンか…」と一人のオークが、スマートフォンの画面をじっと見つめていた。
彼の隣には、同じくオークの仲間が何やら顔をしかめながら「おい、これ、どういう意味だ?」と問いかけてきた。画面には「オーク同士、相性が良すぎます!マッチング成立!」と表示されている。
「いや、そんなはずは…!」とオークは焦りながら言った。「俺は『力こそ正義』の男だぞ!こんなぬるい相手、いらない!」
だが、隣のオークも画面を見ながら「俺も、え?オーク同士?」と戸惑っていた。
店員がその様子を見て近寄り、「えっと、もしかして、相手が同種族だと、それに合わせた相性が出るんですかね…?」と少し不安そうに聞いた。
オークたちは顔を見合わせ、「これでは、一生独身だぞ!こんな運命、嫌だ!」と互いに言いながら、もう一度アプリを見つめた。
そこへ、別の魔物、ウィンディアが近づいてきて、「あれ、何してるの?」と覗き込んだ。「あー、このアプリか。私も使ってるんだよね、でも…」
ウィンディアは画面を見て、驚愕の表情を浮かべた。「なんか…私、ずっと『風を操る能力』のことをアピールしてたけど、相性が合う相手がなかなか見つからないのよね。どうしたらいいのかしら?」
そのとき、店員がふと気づいた。「ウィンディアさん、もしかして、風の使い手だというのをプロフィールに書いただけで、具体的にどんな風を使うのかとか、説明が足りないんじゃないですか?」
「え?そういうこと?」とウィンディアはぽかんとした表情で店員を見た。「じゃあ、どうやって風を操っているか具体的に書けばいいの?」
店員は少し考えながら、「例えば、『嵐のような風を操る』とか、『軽やかな風で舞う』など、詳細に書いてみてください。それに応じて、より相性の良い相手が見つかるかもしれませんよ!」と提案した。
ウィンディアはしばらく考え込んだ後、「じゃあ、私は『風を使って敵の顔面に突風をぶつける』って書いてみようかな!」と意気込んでプロフィールを修正。
その頃、他の魔物たちや騎士たちもそれぞれ自分のアピールポイントを必死に考えていた。だが、その結果、意外なことが起きる。
「これでどうだ!」と、一人の騎士が誇らしげに叫んだ。「『剣を振るうたび、雷が落ちる』!これで最強のパートナーが見つかるに違いない!」
しかし、アプリはその後、画面に「雷を扱う者との相性が非常に良いですが、暴走の危険あり」と警告メッセージを表示し、その場にいた魔物たちは一斉に「それ、絶対に危ない!」と叫びながら後退していった。
店員は顔を覆いながら、「うーん…確かに、暴走は避けたほうがいいですね…」と苦笑した。
さらに、そこにやってきたのは、バジリスクだった。「俺は『石化の瞳』を持っているんだ。これで何か役立つ相手が見つかるかな?」
店員はすぐにアプリの表示を確認。「あ…石化の瞳、というのは…『対戦相手を瞬時に石にする』という能力でしょうか?」と不安げに尋ねた。
「そうだが、何か問題でも?」とバジリスクは少し不安げに答えた。
店員はアプリの警告を見つめ、無言で首を振った。「ええと…これ、『石化』の能力が最初に発動してしまうと、相手が動けなくなる可能性が高いので…あまりアピールしすぎない方がいいかもしれませんね。」
その後も、店内はマッチングアプリの試行錯誤が繰り広げられ、あちこちでおかしなアピールが飛び交う騎士たちや魔物たちが賑やかに騒いでいた。
「うーん、これ、ますますおもしろくなってきたな!」と店員は笑いながら、次々と来店する騎士たちにマッチングアプリのアドバイスを続けていた。
そして、この日もまた、ギャグと奇想天外なマッチングが繰り広げられ、騎士たちや魔物たちの出会いの場となるのであった。
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