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第九十一話:マンティコアの豪快な来店
しおりを挟むある夜、店の外から「ドドン!」と地響きのような音が聞こえ、店員たちは驚いて振り返った。そこに現れたのは、恐ろしげな顔つきに巨大なライオンの体を持つマンティコアだった。尻尾の先端が鋭く、毒針が光っている。
「い、いらっしゃいませ…」と、緊張気味の店員が声をかけると、マンティコアは店内を見渡しながら豪快に笑った。「ハッハッハッ! 心配するな、人間! おれはただの小腹がすいただけだ!」
客たちは恐怖で距離を取り、店内は一瞬にして静まり返った。だが、マンティコアはまったく気にせず、お菓子コーナーに向かって行った。巨大な手で商品を掴むと、袋をじっと見つめて唸った。「この『ピリ辛スナック』はなかなか旨そうだが、足りるかな?」
それを見て、常連の騎士エールが思わず助言した。「それなら、隣の『特大サイズ』を試してみてはどうだ? お前の胃袋ならそっちの方が似合うだろう。」
マンティコアはその言葉に満足そうにうなずき、特大サイズのスナックを抱えてレジへ向かった。レジの店員は震える手でバーコードをスキャンし、会計を済ませた。
「おお、ありがとうよ! これで夜の狩りも楽しめそうだ!」とマンティコアは笑顔を見せて店を出て行った。その瞬間、客たちは一斉にため息をつき、店員もようやく肩の力を抜いた。
「まさかマンティコアまで来店するとはな…次は一体何が来るんだ?」と店員がつぶやくと、後ろから「次はドラゴンかもしれないぞ」と騎士エールが冗談を言って、店内は笑いに包まれた。
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