異世界でコンビニ経営したらなんか騎士様やら魔物やらも買い物にきた！？

第八十六話：不死鳥の炭火焼き!?

「店長、今日はちょっと特別な商品を持ってきたぞ！」と、いつものようにリオネルが店にやってきた。彼の手には、見慣れないパッケージが載った大きな箱があった。

「また新しい商品ですか？ 何か変わったものでも？」店長が興味津々で尋ねると、リオネルはにやりと笑ってその箱をカウンターに置いた。

「これだ！ なんと、不死鳥の炭火焼きだ！」リオネルが得意げに言うと、店内が静まり返った。

「え？ 不死鳥の…炭火焼き？」店長は思わず目を見開いた。「それって本物の不死鳥を使ってるんですか？」

リオネルは首を振りながら笑う。「いやいや、本物の不死鳥なんて手に入らないからな。ただの鳥肉だよ。見た目が不死鳥っぽいからそう呼んでるだけだ。」

「それなら安心…でも、なぜ炭火焼き？」店長が首をかしげると、リオネルは大真面目に言った。

「炭火焼きは最高にうまいんだ！ だって、炭火で焼くと…」リオネルがそこで急に声を低くして「…魔法がかかるからな。」

店長は思わず汗がにじんだ。炭火焼きで魔法？ そんな話、今まで聞いたことがない。だが、リオネルの真剣な顔を見て、もう一度その箱を見た。

「まぁ、試しに焼いてみるか…」店長が半信半疑で言うと、リオネルは得意げに頷き、箱を開けた。

中身は、確かに普通の鳥肉っぽい。だが、リオネルがそれを炭火に乗せると、なんと鳥肉が火を吹きながら、まるで踊るようにグルグル回り始めた！

「うわ！ なんだこれ！？」店長が驚いて声を上げると、リオネルは冷静に言った。「ほら、これが魔法の力だ。炭火が不死鳥の血を呼び覚ますんだ。だから踊り出すんだよ。」

店内では、他の客たちがその様子をじっと見守り、笑い声をあげる。「これが本当に炭火焼き…？」「まさか踊るとは…」と、どこか不安げながらも興味津々の様子。

最終的に、焼きあがった鳥肉は、見た目こそ普通だったが、食べてみると驚くほど美味しく、まさに「魔法の一品」といえる味わいだった。

「すごい…炭火焼き、ほんとに魔法の力が効いてるみたいだ。」店長は感心しながら一口食べ、思わずほっと息をついた。

その後、店内の客たちも興味を持って試食を始め、「これはもう常連の定番商品だな！」と、不死鳥の炭火焼きは大ヒット商品となったのだった。

そして、店は今日も賑やかに営業を続けていくのであった。