異世界でコンビニ経営したらなんか騎士様やら魔物やらも買い物にきた！？

第八十四話：騎士団長と割引クーポンの謎

いつものように、コンビニ「ファンタジーショップ」は騎士たちや魔物たちで混雑していた。店長はカウンター越しにお客さんを見守りながら、今日も何事もなく平和な一日が過ぎていくのを願っていた。

すると、騎士団長リオネルさんが慌てた様子で店に飛び込んできた。彼は通常、冷静沈着であるが、今日は何かに取り憑かれたように目を光らせている。

「店長！これはどういうことだ！」リオネルさんがカウンターにバサッと紙を投げ出した。それは、割引クーポンだった。

「え、どうかしましたか？そのクーポン、今週の特別セール用のものですけど…」

リオネルさんは、困惑した顔で説明を始めた。「実は、このクーポンを使ってパンを買おうとしたら、パンが歌いだしたんだ！『お前には使わせない、騎士よ』って。」

店内にいた他のお客たち、特に魔物たちはクスクスと笑い出した。どうやら、この歌うパンは魔法使いのいたずらで仕込まれたものだったらしい。

「団長、それは先週の『魔法使いの日』の余興の一部なんですよ。パンの魔法がまだ解けてなかったようで…」店長が苦笑しながら説明すると、リオネルさんは顔を赤くして納得した。

「なるほど、そういうことだったのか…。しかし、次回はそのようなことがないようにしてほしい。戦士の威厳が…」彼は頬をかきながら言った。

その瞬間、店の奥で魔法研究をしているノームさんが叫んだ。「店長！次はトマトが踊り始めましたよ！」

ど、どういうこと！？
この先もこんな感じに楽しい展開が待ってるに違いないと確信した