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第八十二話:魔界の新商品
しおりを挟む今日もまた、コンビニの店内は賑わっている。いつものように、騎士や魔物たちが行き交う中、新たな商品が入荷した。それは、魔界から直送された**「魔力強化グミ」**。店長はそのグミを手に取ると、興奮気味に陳列棚に並べた。
「このグミ、なんと食べるだけで魔力が数倍に増幅するんだって!魔物たちにはたまらない一品だろうな。」店長が満足げに言うと、そこに現れたのは、背が高くてゴツゴツした腕を持つオークのゴンザレスさんだ。
「よお、店長!魔力強化グミって、そんなに効果があるのか?」ゴンザレスさんはグミの袋を手に取りながら聞いた。
店長はにっこりと笑って答える。「確かにすごいらしいですよ。食べてすぐに、魔力が爆発的に増加するって話ですから。」
ゴンザレスさんはそれを聞くと、目を輝かせて言った。「そんなにすごいなら、試してみるか!でも、グミってちょっと甘すぎないか?魔物には甘いものはあんまり得意じゃないんだが…。」
店長は肩をすくめて、「まあ、甘さが少しきついかもしれませんが、それを上回る効果があるんですからね!それに、他の味も今後出る予定ですから、心配しなくても大丈夫ですよ。」と答える。
その時、店のドアが開き、ライカンスロープのアーウィンさんが入ってきた。アーウィンさんは人間と狼が混じったような姿で、髪の毛が少し乱れた様子だった。
「店長、あの魔力強化グミ、効果は本当にあるのか?俺も試してみたいんだけど。」アーウィンさんは興味津々で聞いた。
店長はニヤリと笑って、「確実に効果があるらしいですよ。ただし、食べ過ぎると魔力が暴走して、うっかり爆発しちゃうこともあるみたいなので、注意は必要ですけどね。」と警告した。
アーウィンさんは少し考え込んだ後、思い切ってグミを買うことにした。「それなら、少しだけ試してみるか。もし爆発したら、また来て魔力回復の薬でも買おう。」
ゴンザレスさんも無理やりグミを買い、ふたりはそのまま店を出て行った。店内はまた賑やかな空気に包まれ、店長はちょっとだけため息をついた。
「うーん、魔力強化グミってこんなに人気出るもんなんですね…まあ、うちは商品が売れればそれでいいか!」店長はそう言って、棚を整えながら思った。
その後、他の常連客たちも次々と「魔力強化グミ」を手に取り、レジに並んでいった。今日もまた、コンビニは順調に売上を伸ばしているのだ。
そして、再びドアが開くと、今度は雪女のユキさんがひとりでやってきた。
「こんにちは、店長。今日も魔力強化グミを見かけてきましたけど、私には…どうかな?」ユキさんが少し遠慮がちに言った。
店長は思わず微笑んで、「ユキさん、魔力強化グミは寒冷地で育った魔物にこそ効くんですよ。魔力が増えることで、寒さにも強くなるんです!試してみますか?」
ユキさんはしばらく考えた後、グミを手に取る。「じゃあ、少しだけ…」
店長はまた嬉しそうに言った。「それなら、冷たいものが得意なユキさんにはぴったりですよ!」
コンビニ内では、またひとつ新しい流行が生まれ、騎士や魔物たちの間で話題になる。そして、どんどん売れていく「魔力強化グミ」。今日もまた、この店は魔物たちにとって欠かせない存在となったのだった。
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