異世界でコンビニ経営したらなんか騎士様やら魔物やらも買い物にきた！？

第七十話：テレビの仕入れ依頼

今日は店内がいつも以上に賑やかだ。騎士エールがちょっとした冒険から帰ってきたところで、疲れた体を引きずってカウンターに座っている。そして、ふと店内に新しいお客様がやってきた。

「あれ？見慣れない顔だな。」
私は目の前に現れた新しいお客様を見て、少し驚いた。小柄な魔物のようだが、なんだか妙に威厳を感じるその姿。後ろには少し大きなリュックを背負っていて、目には真剣さが感じられる。

「おお、君、初めて見る顔だな。どうしたんだ？」
私はにこやかに話しかけると、魔物は少し照れくさそうに答えた。

「実は…テレビを仕入れてほしいんだ。」

「テレビ？」
私は思わず聞き返す。だって、魔物たちがテレビを見るなんて、かなり珍しいリクエストだ。

「うん、最近テレビが流行っているんだ。魔物の間でも、情報を得るためにテレビを使っている者が増えてきてね。ニュースとか、ゲーム番組とか…」
「なるほど。」

その魔物は少し手を挙げて、顔を真剣にして言った。

「でも、私がお願いするのはただのテレビじゃない。『魔法強化機能付きテレビ』が欲しいんだ。」

私はその言葉に一瞬、目を見開いた。
「魔法強化機能付きテレビ…？」

「そう。最近、魔物たちがテレビでニュースを見て、映像を通して魔法を強化する方法を学んでいるんだ。私もそれに興味があって、ぜひそのテレビを手に入れたいんだ。」

私はその話に少し驚きながらも、確かに魔物社会でも魔法や技術の進歩があるのは知っている。でも、テレビで魔法が強化されるって一体どういう仕組みだ？

「うーん、それはちょっと…私の取り扱っている範囲外だな。でも、調べてみるよ。」

私はそう答えると、その魔物は少し納得した様子で微笑んだ。

「ありがとう！それじゃあ、後日また来るよ！」

「おう、待ってるからな。」

魔物が店を出て行った後、私は思わず考え込んだ。
「魔法強化機能付きテレビ…そんなもの、本当に売っているのか？」

とりあえず、ネットで調べてみることにしよう。それにしても、テレビ一つにこんなに魔物の需要があるなんて、やっぱりこの店もいろんなリクエストが来るものだなと、つくづく思った。