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第六十六話:新たな挑戦者?

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朝の平穏な時間、いつものように店内を掃除していると、扉がガラリと開いて賑やかな声が聞こえてきた。

「おおっ!ここがあの噂のコンビニか!?」

声の主は、まるでドラマのワンシーンから飛び出してきたような豪快な姿をした人物だった。身に着けているのは、やたらと豪華な金色の鎧。肩には巨大な盾を背負い、腰には見たこともないような巨大な剣を差している。まるで、戦場から直接歩いてきたかのようだ。

「また、また新しいお客様ですね…」私は思わず声を漏らしながらその人物を見つめた。

「おおっ、店主!これが貴様の店か!わが名はアラストール!世界を股にかける冒険者だ!」と、金色の鎧の冒険者は堂々と自己紹介をした。

その圧倒的な存在感に圧倒されながらも、私は一歩前に出て挨拶した。「いらっしゃいませ、アラストールさん。こちらは異世界のコンビニ、何でも揃っておりますので、どうぞごゆっくりご覧ください。」

「ふむ、何でも揃っているか…。では、まずは試しにこの店の品を見てみよう!」アラストールは腕を広げ、目の前に並ぶ商品を一瞥した。

「こちらは、武器や防具を修理するアイテム、こちらにはポーション類、そしてこちらには…魔法の調味料がございます。」私は順番に商品の説明を始めた。

「ほほう、魔法の調味料…興味深い!その調味料で、冒険の疲れを癒す料理を作ることができるのか?」アラストールは興味津々で聞き返した。

「もちろんです!こちらの『バフソース』を使えば、戦闘前に料理を食べて力をアップできますし、『エネルギードリンク』もあります。これを飲めば、長時間の冒険でも疲れ知らずですよ。」私は笑顔で案内を続けた。

「ほう、ほう、それはなかなか面白いな。」アラストールはしばらく考えていたが、突然こう言い出した。「だが、冒険者にとって最も重要なものが一つ忘れられている気がするのだが、気のせいか?」

「最も重要なものですか?」私は少し首をかしげた。

「うむ、それはもちろん、"肉"だ!肉こそ、冒険者の力の源!この肉を食わねば、いくら調味料やポーションがあろうとも力は出ないぞ!」アラストールは目を輝かせて言った。

「なるほど、肉ですか…。ちょうどこちらに『魔獣肉のステーキ』がありますが、いかがでしょう?」私は冷蔵庫から豪華なステーキを取り出した。

「それだ!それこそが求めていたものだ!」アラストールは大きな声で喜んだ。「そして、この店には肉だけではなく、酒も揃っているのか?」

「もちろんです。こちらには『魔王酒』や『英雄のワイン』、さらには『ゴブリンビール』なんていうちょっとユニークな酒も取り扱っています。」私は品揃えを自信満々に説明した。

「ふむ、それは素晴らしい!それでは、肉と酒を合わせて、大宴会を開こうではないか!」アラストールは大声で言いながら、店内に響き渡るほどの豪快な笑い声を上げた。

私は少し困った顔をして言った。「アラストールさん、もちろんお食事やお酒は提供できますが、店内では騎士様や魔物のお客様が多いため、大宴会は少々…」

「ああ、そうか、そうか、ではその代わりに!我が名を知らしめるために、店内で試しに武器を使ってみよう!もちろん、店の商品を壊さないように気をつけるぞ!」アラストールは一発、剣を振り回してみせた。

「待ってください!」私は必死に止めに入る。「それはちょっと…この店、魔法のアイテムや調理器具が多いので、壊れたら大変なんです。」

アラストールは剣を下ろし、少し困った顔をした。「うむ、それもそうだな…。では、せめてこの店の料理を試食させてもらおう!」

「その方が安全ですね。」私はホッとしながら笑顔で頷いた。

アラストールさんはしばらく店内で試食を続け、満足げな表情を浮かべながら帰っていった。

「いやー、また強烈なお客様が来ましたね…」私は店内を片付けながら、疲れた顔で呟いた。

次に来るお客様がどんな人物か、今からちょっとドキドキするが、これもこの店の魅力の一つだろう。

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