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第六十五話:リオネルさん、久しぶりの来店
しおりを挟む久しぶりに店内の扉が開き、懐かしい顔が見えた。入口に立っているのは、「リオネルさん」、あの騎士様だ。彼はたしか、数ヶ月前に一度訪れた時以来だったはず。あの時、店内であれやこれやと頼んでくれたが、その後しばらく姿を見なかった。
「おお、久しぶりだな、店主!」リオネルさんが元気よく声をかけてきた。彼は相変わらず、筋肉隆々で、いかにも「脳筋騎士様」という風情だ。見た目は威圧感があるが、実はかなりフレンドリーだ。
「リオネルさん!お久しぶりです。今日はどうなさいましたか?」私はカウンター越しに笑顔で迎えた。
「いや、ちょっと町の外に出ていてな、最近また仕事が忙しくてさ。でも、やっぱりここで買い物したくなったんだ。」リオネルさんは頬をかいて、少し照れくさそうに言った。
「そうですか!お仕事お疲れ様です。何かお探しですか?」私はすぐに商品棚を案内しながら、彼の様子を伺う。
「うーん、今日は特に変わったものが欲しいな。」リオネルさんは少し考え込みながら、目をキョロキョロと店内に移動させた。
「変わったものですか?では、最近新しく入った『魔界産激辛ソース』なんていかがですか?食べればどんな勇者もひとたまりもない辛さです!」私は自信満々に新商品のソースを手に取って勧めた。
「それ、良さそうだな!でも、もし辛すぎたらどうしよう…」リオネルさんは少し心配そうな顔をした。
「大丈夫です、リオネルさん。実は、ある秘密のアイテムをお付けします。」私は、コンビニの裏から「魔法の水」を取り出した。
「それを飲むと、どんな激辛でもスッと引いていくんですよ。特に激辛ソースにはぴったりです!」私は笑顔でその水を見せながら言った。
「おお、これは頼もしい!じゃあ、そのセットをください!」リオネルさんはすぐにソースと魔法の水を購入することを決めた。
「ありがとうございます!ところで、リオネルさん、最近お悩み事でもありますか?いつも頼りにされているような雰囲気ですが。」私は少し気になって聞いてみた。
リオネルさんは少し黙り込んだ後、深いため息をついて言った。「実はな、最近騎士団の訓練がハードで、どうにも体がついていかなくてな。腕力は自信があるんだが、どうも持久力が…」
「ああ、なるほど。持久力が必要になる訓練ですか…それなら、ちょうどいいものがありますよ。」私は棚の奥から「疲労回復のサプリメント」を取り出した。
「これを使えば、訓練後の疲れがすぐに取れるんですよ。もちろん、無理せず使ってくださいね。」私はリオネルさんにサプリメントを手渡した。
「おお、これはありがたい!疲れが取れたら、もっと頑張れるぞ!」リオネルさんは明るい表情で受け取った。
「それに、コンビニでちょっとしたリフレッシュも大事ですからね。お茶や軽食も、いつでも用意しています。」私はリラックスできる飲み物を提案した。
「うむ、それもそうだな。次回は、お茶も頼んでみようかな。」リオネルさんは笑顔で会計を済ませ、商品を手に取りながら言った。
「お買い上げありがとうございます、リオネルさん!またのお越しをお待ちしていますね。」私は元気よく見送る。
リオネルさんが店を出て行った後、少しホッとした気持ちになった。彼が再び来てくれて、また笑顔を交わすことができたことに、少し幸せを感じる。
さて、次はどんなお客様が来るのだろうか?この異世界のコンビニは、毎日が新しい発見と面白い出来事に満ちている。
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