異世界でコンビニ経営したらなんか騎士様やら魔物やらも買い物にきた！？

第六十二話：騎士様の不意打ち！

今日はなんだか特に賑やかな一日だ。朝から魔物たちが続々と来店しては、ユニークなリクエストを繰り広げている。普通ならお客様のリクエストには応えるのが店主の務めだが、いくつかは予想外のものだったりして、少し面倒臭い時もある。

その時、店の扉がガラガラと音を立てて開いた。現れたのは、またしても常連の騎士様、「エドワード・シュトラウス」騎士団の団長様だ。

「おい、店主、ちょっといいか？」エドワード騎士は、いつものように堂々とした足取りでカウンターに歩み寄った。

「エドワード様、いらっしゃいませ！」私はいつも通りお出迎えの言葉をかけたが、エドワード騎士の様子がなんだかいつもと違う。

「なんだか、顔色が良くないですね？」私は少し心配になりながらも、エドワード騎士の様子を伺う。

「いや、ちょっとな…」彼は頬をかきながら、困った顔で話し始めた。「最近、ダンジョンでの冒険があまりにも疲れて、ちょっと気分が…。」

「ああ、それで今日は、リラックスしに来たんですね？」私は予測してみる。「お気に入りのエナジードリンク、いかがですか？」

「いや、それが…今日はちょっと違う。」エドワード騎士が少し真面目な顔をして言った。「実は、ちょっとしたミッションをお願いしたい。」

「ミッション？」私は驚きつつ、興味深々で耳を傾けた。

「実はな、最近うちの騎士団が新しい訓練を始めたんだ。だけど、みんななかなか疲れが取れなくてな。そこで、俺が思いついたんだ。」エドワード騎士は得意げに続ける。「この店に、リラックスできるアイテムがあるんだろ？その中で一番リラックス効果のある商品を、俺に教えてくれ。」

「リラックス…」私は考え込んだが、すぐに思い浮かんだ。「それなら、温かいお茶やお風呂セットが一番かもしれませんね。」

「お茶か…。でもな、最近はエナジードリンクばかり飲んでて、お茶の良さを忘れかけていたんだよ。」エドワード騎士は少し落ち込んだ様子で言った。「じゃあ、温かいお風呂セット、お願いできるか？」

「お風呂セット…？」私は店にあるお風呂セットを取り出すと、「これですね。お風呂に入るとリラックスできますよ！」とオススメした。

エドワード騎士はそれを見て、少し考え込むと、「よし、これを買おう。」と言って、お風呂セットをカゴに入れた。

「エドワード様、他にも欲しいものがあればお聞きしますが、何かありますか？」私は質問した。

「実は…」エドワード騎士は少し顔を赤らめながら言った。「お風呂セットと一緒に、ポテトチップスも買ってくれ。」

「ポテトチップス…？」私は驚いたが、すぐに思い出した。「あ、もしかして、ダンジョンでの戦いでお腹が空いてしまって、何か軽食が欲しいんですね。」

「いや、違うんだ。」エドワード騎士は顔を真っ赤にして言った。「ポテトチップスはリラックスするためだ！…前に友達が『リラックスしたいなら、ポテトチップスを食べるといい』って言ってたんだよ！」

私は呆れ顔になりつつも、「わかりました、ポテトチップスをお持ちします。」と言って、数種類のポテトチップスをカゴに入れた。

エドワード騎士は満足そうに微笑みながら、「これで、完璧なリラックスができそうだ！」と喜んでいた。

「そうですね、でもエドワード様、これで本当にリラックスできるんでしょうか…？」私は心の中で疑問に思いながらも、彼を見送った。

店の扉が閉まると、次のお客様が入ってきた。今日もまた、冒険者たちの不思議なリクエストに応えながら、私は平和に店を営んでいる。