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第五十五話:キャラクターカード入りポテトチップスの流行
しおりを挟むコンビニの店内は今日も賑やかだが、今日はちょっと違う。店に入ってきた客たちが、どこか興奮気味に手に持っているのは…ポテトチップスの袋だ。しかし、普通のポテトチップスではない。
「店主、これ、今流行ってるんだよ!」と、リックがニコニコしながら袋を持ち上げた。その袋には、ただのポテトチップスではなく、パッケージの側面に「キャラクターカード入り」と書かれている。
「キャラクターカード入り?ポテトチップスに?」私は少し驚きながら、袋を見つめた。「それって、食べる前にカードが出てくるってこと?」
「そう!食べた後に、特定のキャラクターカードが出るんだ!」リックはワクワクしながら言った。「それでそのキャラクターカードを集めるのが今、冒険者たちの間で大流行してるんだよ。」
「ほう、それは面白い…」私は興味津々で袋を手に取ってみた。「でも、カードって一体どんなキャラクターが入ってるんですか?」
「それがだな、ポテトチップスの袋によって、出てくるキャラクターがランダムなんだ!例えば、英雄の騎士様とか、魔王とか、ダンジョンのボスとか!」リックは手を広げて説明した。
「それはちょっと楽しそうですね。ポテトチップスを食べて、強力な魔物や伝説のキャラクターを手に入れた気分になるってわけか。」私は袋を開けながら言った。
「じゃあ、俺も一緒に!」と、バルがやってきて袋を奪うように取っていった。「絶対に勇者のカードを引くんだ!」
リックもバルも、袋を開けてポテトチップスを食べながらカードを引く様子を見ていると、どこか懐かしい気持ちが湧いてきた。カードが出る瞬間、その興奮した表情を見ていると、昔流行ったカードゲームのような気分になる。
「おおっ、出たぞ!」バルが叫んだ。袋から取り出したカードは、なんと「古代ドラゴン」のカードだった。
「すげえ!古代ドラゴンかよ、超レアじゃん!」リックが目を輝かせて言った。
「これでダンジョンも怖くないな!」バルはカードを大事そうに手に取って、胸を張った。
「次は俺だ!」リックが袋をもう一つ開けると、今度は「魔法使いのアリア」のカードが出てきた。
「おお、魔法使いアリア!このカードで魔法が使えるようになった気分だ!」リックは満足げにカードを眺めながら言った。
「それにしても、こんな風にポテトチップスが流行るなんて、予想外だな。」私はつぶやきながら、他の客たちを見てみると、店内はポテトチップスを買い求める冒険者たちであふれていた。
「こ、これは…!」エドガーが走り寄ってきた。彼も手にポテトチップスの袋を持っている。「やっと手に入れたぞ、伝説の戦士カード!これで俺も伝説の仲間入りだ!」
「すごいですね、エドガーさん!これで最強の戦士になれますね!」私は感心して言った。
「いや、これでダンジョンのボスも倒せるかもな…」エドガーはカードをしばらく眺めた後、急に真顔になって言った。
「その気持ち、わかります。うちの店でも、これからカードを集めるために通ってくる冒険者が増えそうですね。」私は苦笑しながらも、すでに店内に増えていくカードファンたちの姿を見て思った。
その日から、私のコンビニは「キャラクターカード入りポテトチップス専門店」としても有名になり、たくさんの冒険者たちがカードを手に入れるために足を運ぶようになった。
しかも、ある日、カードの中に「神のカード」が出現するという噂が広まり、ますますその人気は加速していった。
「店主、これ買ったら『神のカード』が出る確率、上がりますか?」と、ギズが真剣に尋ねてきた。
「ええ、まあ…確率は分かりませんが、試してみる価値はありますよ。」私は冷静に答えた。「でも、カードの中に神様がいるかどうかは…ちょっとわかりません。」
「神様カードが出たら、絶対に俺にくれよな!」リックが叫んだ。
「私は出したいのは魔王カードだな。」バルがうんうんと頷きながら言った。
そして、こうして私のコンビニは、ポテトチップスだけではなく、キャラクターカードも手に入る場所として、ますます賑わっていった。魔物たちや騎士たちと一緒に、今日もカードの大冒険が繰り広げられている。
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