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第五十四話:カップ麺大流行

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今日は何だか異様な空気が漂っている。店に入ってきたのはいつもの騎士様たちに魔物たち、そしてお客様の中にちらほらと…カップ麺の袋を手にした者たちが増えている。

「店主、カップ麺、ありますか?」と、ギズがいつもより少し興奮気味に質問してきた。

「カップ麺?もちろんありますよ。」私は棚を指さしながら答えた。だが、その表情はどこか不安げだ。「でも、そんなに欲しいんですか?」

「それがな、最近、カップ麺が大流行してるんだ。」ギズは真剣に言った。「特にダンジョンの中で、戦闘が長引いた時にさっと食べられるから便利なんだよ。」

「なるほど…戦闘後の栄養補給ですか。」私は納得しつつ、他の客たちの様子を見回すと、あちこちでカップ麺を手に取っている光景が見受けられた。

「店主、ちょっとこれ、試してみてくれよ!」と、リックがやってきて、何やら異様なカップ麺を私に渡した。それは「ダンジョンの中でも食べられるカップ麺」なるもので、パッケージには「エネルギー回復&HP回復!」と書かれていた。

「HP回復!?それ、食べたら回復するんですか?」私はちょっと興奮してしまった。魔物たちにはあまり馴染みのない「HP回復」という単語だが、それが食事で可能だとは…。

「試してみろよ。これ、ほんとに効果あるから!」リックは嬉しそうに言った。

私がカップ麺を開けてお湯を注ぐと、店内に香ばしい香りが広がった。すると、騎士たちや魔物たちが一斉に集まり、じっと見つめてくる。

「どれ、食べてみるか。」私は勢いよく食べ始めた。すると、予想外のことが起きた。

「う、うまっ!?」あまりにも美味しくて、私は声を上げてしまった。カップ麺ってこんなに美味しいものだったのか!?

「な、なんだ、この味!?すごい!」リックも大きな目を見開き、驚いていた。「これなら戦闘後でも満足できるな。」

「うおー!俺も食べたい!」バルがすぐさまカップ麺を手に取って、お湯を注いだ。

それからというもの、店内はカップ麺を求めて押し寄せる客で大賑わいになった。騎士たちは「戦闘後に食べると元気が出る!」と口々に言い、魔物たちも「ダンジョンで一番必要なものはカップ麺だ!」と主張し始めた。

そんな中、店にやってきたのは…新しいカップ麺の宣伝にやってきた謎のキャラクター、エルダーフェアリーの「エルディー」だ。

「皆さん、こんにちは!エルディーです!新商品、魔界風カップ麺『フレイムチリ味』が登場しました!」彼女はポーズを決めながら、自信満々に言った。「これを食べれば、あなたも炎の力を手に入れる!…って、言われてるんです!」

「フレイムチリ味?」私は興味津々で聞いてみた。「それ、どんな味なんですか?」

「ちょっと辛いけど、食べてみるとクセになる味なんですよ!」エルディーはニコニコしながら言った。「炎のように熱く、スパイシーで…食べ終わった後は元気が出ること間違いなしです!」

「じゃあ、ぜひそれも試してみようか。」私はエルディーに渡されたカップ麺を受け取り、早速お湯を注ぐことにした。

そして一口食べてみると…辛さと旨みが口の中で広がり、思わずハァハァと息を吹きかけるほどの刺激が走った。

「うっ、うまいけど、確かに辛い!」私は思わず叫んだ。

「でしょう!?これでダンジョンの中でもしっかりとした栄養補給ができるんです!」エルディーは満足げに言った。「これからも魔界のカップ麺は私たちの新しいスタンダードです!」

「うーん…でもこれ、戦闘後に食べるにはちょっと辛すぎるかな。」ギズが汗をかきながら言った。

「まあ、でも食べてみる価値はあるよな!」リックがうなずきながら、再びカップ麺を手に取った。

その日以来、カップ麺の人気は爆発的に増加し、店内には「カップ麺専門コーナー」まで設置されることになった。

そして、私のコンビニはその後も、戦闘後の栄養補給スポットとして多くの冒険者たちに愛されることとなり、カップ麺のメニューも増えていった。

これからも、魔物たちと騎士たちが集う場所として、私のコンビニは賑やかな日々を送ることになるのだろう。

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