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第四十六話:不死鳥様の来店
しおりを挟むいつものようにコンビニのカウンターでレジを打ちながら、私は日常の忙しさに追われていた。魔物たちが、今日も元気に買い物に来ている。ふと気づくと、店内に一筋の光が差し込んだ。
「ん…? また誰か来るのかな?」
その光の先に、ゆっくりと現れたのは――
「おお…ここが噂の異世界コンビニか。」
その声と共に現れたのは、何とも派手な登場を果たした美しい存在。「不死鳥様」として広く知られる不死鳥、フェニックスが立っていた。
長い赤と金の羽を広げ、その姿はまさに神々しさの象徴。羽の先からは淡い光が溢れ、店内を照らしている。
「お、お客様! いらっしゃいませ!」私は急いで頭を下げる。
「ふふ、気楽にしろ。神でもない、ただの不死鳥だ。なんなら、少し気を使ってくれよ。」不死鳥様は肩をすくめながら、堂々と店内を見渡す。
店内には、すでに魔物たちや騎士たちがいるのだが、不死鳥様の登場に思わずその視線が集まる。
「さて、何かいいものがあるか?」不死鳥様が羽を軽くひらりと揺らしながら尋ねる。
「ええっと、特別メニューはまだありませんが、お好きなものをどうぞ。」私はすぐに言いながら、店の商品棚を見渡した。
「特別メニューか…」不死鳥様がちょっと考え込んだ様子。「なるほど、普通の料理は退屈だな。じゃあ、これにしよう!」
彼が指差したのは、なんと店内に並んだ「爆弾チキン」。一見ただのチキン料理だが、食べると激辛ソースがブワッと広がり、食べ終わった後はちょっとした火を吹いたような状態になる。
「えっ、爆弾チキンですか…?」私は一瞬固まる。これ、普通の魔物や騎士でも少し苦手な辛さなんですけど…
「おお、これだ! ピリリとした辛さがいい! さあ、これをいただこう。」不死鳥様は嬉しそうに羽を揺らしながらそのチキンを手に取った。
「か、かしこまりました!」私は急いで調理スタッフに伝え、爆弾チキンを準備する。
しかし、準備が整う前に不死鳥様は軽く空を飛んで、店内をふわりと漂い始めた。
「これが異世界の雰囲気か。なかなか良いぞ。」と、不死鳥様が羽を広げながら店内をふわりと舞い、まるで店内の空気を変えるように華やかな輝きを放つ。
「わぁ…すごい…」お客様たちが驚きの目を見せる中、私はその光景に圧倒されていた。
そして、ようやく準備が整った爆弾チキンをお届けする。
「お待たせしました! これが爆弾チキンです!」
不死鳥様は微笑んでチキンを一口かじる。そして…その瞬間、店内に火を吹くような大きな音が鳴り響いた。
「うおおおおおおお!!! 激辛だ! やっぱりこの味だよな!」不死鳥様は激しく羽ばたきながら、突然炎を吹き出す!
「えっ、ちょっと待ってください! 火を吹かないでください! 火災報知器が!」私は慌てて消火器を持って駆け寄る。
「だ、大丈夫だ。俺は不死鳥だ。火を吹いても平気だ!」不死鳥様は笑いながら、炎を天に向けて舞い上がらせる。
「し、失礼しました…」私は冷や汗をかきながら、他のお客様たちにも「すみません、ちょっと火災警報が鳴りますが…」と説明する。
結局、不死鳥様はその爆弾チキンを一気に食べ終わり、満足そうに「うん、素晴らしい。次回はもっと辛くしてくれ!」と注文して去っていった。
店内はしばらく静まり返り、皆が目を見合わせていたが、すぐに爆笑が広がった。
「不死鳥様、やっぱり豪快だな…!」
「ほんとに火吹いたからな…」
「でも、また来てくれるかもね。」
私は少し安心しながら、これからもこんなことが起こるのだろうなと思っていた。
次はどんなお客様が来るのか、そしてどんなギャグが待っているのか、楽しみでもあり、少しだけ不安でもあった。
そんな、今日も異世界のコンビニ経営はギャグ満載で続いていくのだった。
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