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第四十四話:ノームさん来店
しおりを挟む今日もコンビニの店内は、騎士や魔物たちの賑やかな話し声でいっぱいだった。そんな中、風鈴のような軽やかな音を響かせてドアが開くと、小さな帽子をかぶったノーム族の老人がゆっくりと入ってきた。
「いらっしゃいませ!」と声をかけると、ノームさんは小さな体をひょこひょこと動かしながらカウンターに向かってきた。
「おお、ここが噂の異世界コンビニか。何でも揃うって話だが、ほんとかのう?」ノームさんは顎鬚をしごきながら興味深そうに店内を見回す。
「ええ、できる限りお客様のニーズにお応えしております!」と自信満々に言ったものの、ノームさんは「では試してみるかの」とニヤリと笑った。
「ふむ、ならば『魔法火薬を使わずに沸騰する鍋』をくれんか?」と彼が言った瞬間、周囲にいた騎士様たちが「またとんでもないことを!」と口々に囁き始めた。
「あ、それは……少々お時間をいただきます!」と一度は答えてみたものの、心の中で(どうやってそんなものを作るんだ!?)と絶叫していた。だが、ここはギャグ展開が当たり前の異世界。何かしらの奇跡が起こるのが常である。
そこで棚の奥を探していると、なんと「ボタン一つで加熱!次世代マジカルポット」という商品のパッケージが埃をかぶって見つかった。まさかの超レア商品だ。
「お待たせしました、こちらがその鍋です!」と誇らしげに差し出すと、ノームさんの目が輝いた。「これは便利じゃのう!これさえあれば、わしの魔法研究所ももっと安全になるわい!」
騎士様たちは拍手をしながら「本当に何でも揃ってるんだな!」と感心している。ノームさんは礼を言って、魔法の鍋を持って意気揚々と帰っていった。
その後、店の評判はさらに上がり、ノーム族の若者たちが「店長、次は自動で畑を耕すマジカルトラクターはありますか?」とやってくるのだった。
私の異世界コンビニ経営は、今日も驚きと笑いに包まれている。
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