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第四十話:機械生命体の来店!?
しおりを挟む朝日が店内に差し込み、いつも通りの平和な時間が流れていた。ゴブリンたちはお菓子コーナーで「どれが一番甘いか」議論し、リオネル騎士様は店内の雑誌コーナーで「真の騎士道」を真剣に読んでいる。そこに突然、店の自動ドアが不自然な音を立てて開いた。キーン…ガシャガシャ…。
「いらっしゃいませ!」と反射的に声をかける私の目の前に立っていたのは、銀色に輝く機械生命体だった。体中にギアやネジが施され、目は青い光を放っていた。
「ピピ…分析中…ここは『コンビニ』と判明…燃料補給要件、確認…」
その声は無機質で、まるでロボットが喋っているようだ。店内の客たちは一斉に興味深げにそちらを見た。特にリオネルは、目を見開いてその奇妙な存在を見つめていた。
「機械生命体が…お客さん?」私は困惑しつつも、何か売れるものはないかと商品棚を見回した。
「ピピ…エネルギー源を求ム…特に高エネルギー物質…甘味料か脂質…」
どうやら、食べ物を求めているらしい。思わず冷蔵ケースを開け、人気商品である『超高カロリー・スイーツバー』を取り出した。
「これなんかどうですか?エネルギー満タン保証ですよ!」と声をかけると、機械生命体の青い目がピカピカと光り始めた。
「確認…この商品、適合…購入プロセス、開始!」
彼は金属製の指でスイーツバーをつまみ、胸のパネルを開けて中へ収納した。レジに向かう姿はぎこちないが、しっかりとした歩き方だった。
「現金ですか?カードですか?」と尋ねると、彼は胸の中から一枚の金属板を取り出した。どうやら、この世界では見たことのない支払い方法らしい。
「ピピ…デジタル通貨、リンク要求…」
一瞬戸惑ったが、なんとかして対応しなければならない。魔物も騎士も対応してきたこの店で、機械生命体のお客様も大歓迎だ。
「お客様、こちらは初めてのご来店ですね?これからもよろしくお願いします!」
そう言うと、機械生命体はその無機質な顔を少しだけかしげたように見え、「ピピ…感謝のプロセス…起動完了。ありがとう、店員…」と言い残して静かに去っていった。
店内はしばらく沈黙の後、リオネルがポツリとつぶやいた。「…次は宇宙船でも来るんじゃないか?」
私はその一言に笑いをこらえきれず、次の顧客対応に備えてカウンターを拭きながら、「いっそ来てほしいですね」と答えたのだった。
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