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第三十四話:またしても新規顧客が!しかも、変わり種?

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今日もコンビニは平和だった。いつものように騎士様たちや魔物たちが買い物に来て、私はレジで注文を捌いていた。

「コボルトさん、また肉ですね。昨日も食べたばかりじゃないですか?」
「肉は毎日食べるものだろ!」と、いつものように元気よく返事するコボルト。

そんな和やかな空気の中、突如として店の扉が開いた。「ガラガラ」と軽快な音とともに、現れたのは…一風変わったお客様だった。

そのお客様は、何と「カメ」。カメと言っても、普通のカメではない。全身が輝くような金色に光っていて、甲羅の上には小さな宝石のようなものが散りばめられている。しかも、そのカメが…歩いている!? 普通なら、カメはゆっくりとしか歩けないが、このカメは堂々と店内に入ってきて、なんと人間のようにレジカウンターを目指しているではないか。

私は思わず目を見開いて、「あれ?」と口に出してしまった。

「う、うわ! こ、これは…まさか?」
「なんだ、店主、驚いているようだな」とリオネルが、ニヤニヤしながら言う。

「ちょっと待って…なんでカメが…しかも、立ってる?」
私は驚きのあまり、言葉が詰まってしまう。

そのカメは何も言わず、まっすぐに私に向かって来て、ついにレジカウンターの前に到達した。

「おや、こんにちは!」と、私はやっと我に返って、カメに声をかけた。「何かお探しですか?」

カメは「フー」と深いため息をつきながら、ゆっくりと口を開いた。

「どうも、実は最近ダイエットをしているんだ。」
「ダイエット?」
「そうだ。いや、元々、太り気味でな。最近は歩く練習をしているが、もう少し栄養を摂りたいと思ってな。」
「それで、コンビニに?」
「うむ。こういうお店は便利だし、たまには何か特別なものを買いたくてな。」

私はカメの言葉に驚きながらも、すぐに状況を理解した。どうやら、ダイエット中のカメが特別な食材を探して来たらしい。

「そうなんですね! それなら、健康食品をいくつかご紹介できますよ。例えば、こちらの低カロリーのスナックや、こちらの新作のサラダなどはどうですか?」
「うむ…スナック、サラダか… まあ、何でもいいが、ちょっとだけ味見させてくれ。」

カメは興味深そうにスナックを手に取った。「味見か…。さすがに食べ物に対して厳しい選択眼をお持ちだ。」
店内の魔物たちもその様子を見て、口々に声を上げていた。

「おいおい、あのカメ、すげー歩いてるぞ!」「あれって、もしかしてカメのダイエットなのか?」
「動物ってダイエットするんだな、意外だな…」

「で、どうだ、味は?」
私は期待を込めてカメに問いかけた。

すると、カメはスナックを食べてからゆっくりと顔を上げ、「うむ、なかなか悪くないな。よし、これを買おう。」
そして、驚くことにカメはそのスナックの袋を買って、さらにサラダまで購入してくれた。支払いを終えた後、カメは堂々と店を出て行った。

「これ、また新しいお客様だな」
リオネルがにやりと笑いながら言った。
「カメさんが常連になるとはな…」
コボルトも驚いた様子で呟いた。

その後、店内には他の魔物たちも集まり、「あのカメって本当にダイエットしてるんだろうか?」と話題にしていた。

そんな中、私は一つ思った。「異世界のコンビニは、毎日が新しい発見の連続だな…」

今日もまた、予想外の展開が待っているのかもしれない。それにしても、カメのダイエットが本当に続くのか、少し気になったのは私だけだろうか。

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