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第二十六話:魔物と一緒にケーキ作り!?
しおりを挟む今日はいつもと違う雰囲気が漂っていた。開店前から店内に騎士団や魔物たちが集まっている。しかし、何やら全員が真剣な顔で集まっているのだ。俺は少し不安になりつつも、「いらっしゃいませ」と声をかけた。
「店主、今日はケーキ作りのために来たんだ。」
リオネルが堂々と言ってきた。その後ろには、サイクロプス、ゴブリン、そして謎のミニドラゴンまでが並んでいる。
「ケーキ!?」
俺は驚きのあまり、思わず声を上げた。普段は武器を持って戦う騎士たちや魔物たちが、ケーキを作るだなんて、まるで考えられなかった。
「ケーキを作るって、どういうことですか?」
「今日の夕食会のために、みんなでケーキを作りたいんだよ!」
リオネルが目を輝かせながら言う。どうやら今日は、騎士団の宴会があるらしく、みんなでケーキを作ることにしたようだ。
「なるほど…。でも、ケーキ作りって結構繊細な作業ですよ?」
俺が少し警戒しながら言うと、サイクロプスが笑いながら言った。
「心配いらない!俺たちだってケーキくらい作れる!」
その言葉に、俺は思わず目を見開いた。しかし、どこかで不安を感じる。サイクロプスがケーキ作りを得意だと言うのは、何か裏がありそうだ。
ケーキ作りの大混乱
まずは材料を集めることにした。店内にあるケーキ作りの道具や材料を取り出し、リオネルが「まずはケーキの生地だ!」と意気込む。だが、サイクロプスが小麦粉を持ってきた瞬間、誤って小麦粉の袋を破ってしまい、店内が雪のように白くなる。
「おっと、すまない!」
サイクロプスが謝るが、すでに店内は小麦粉だらけになっていた。
「これがケーキ作りの醍醐味だろ?」
ゴブリンが意気込んで言うが、手に持った砂糖をこぼして、床一面がベタベタに。ミニドラゴンがそれを見て、「燃やしてしまえ!」と言って火を吹いた。その瞬間、ケーキ用のオーブンが一気に真っ赤になり、全員が慌てて火を消しに走った。
「ケーキってこんなに騒がしいものだったっけ…?」
俺はため息をつきながらも、結局全員でなんとか生地を作り、オーブンに入れることに成功した。
完成したケーキ
30分後、ようやくオーブンからケーキが出てきた。しかし、その姿を見た瞬間、店内が静まり返った。ケーキは、正方形の箱にぎゅうぎゅうに押し込まれていて、見た目はまるで「ケーキ型のレンガ」だ。上に乗ったクリームも、意図しない形で固まっており、完全に「クリームの山」になっていた。
「これが…俺たちの力作だ!」
リオネルが得意げに言うが、そのケーキを見た瞬間、サイクロプスが「これを食べる勇気はないな…」と笑いながら言った。
「まあ…こういうのもアリだろ?」
俺が無理矢理笑顔を作りながら言うと、ゴブリンが「せっかくだから食べてみるか!」と言って一口食べてみる。
「…あ、意外と美味しいぞ?」
ゴブリンが驚きながら言うと、他の魔物たちも少しずつケーキを食べ始めた。どうやら見た目に反して、意外と食べられる味だったらしい。
結末:笑いとともに
結局、全員でケーキを食べ終わった後、みんなは大笑いしながら満足そうに帰って行った。「ケーキ作りの腕前はまだまだだな!」とリオネルが言っていたが、俺は正直、これ以上のケーキ作りは勘弁だと思っていた。
「まあ、楽しい一日だったな。」
俺は店を片付けながら、今日もまた騎士団や魔物たちと一緒に笑い合ったことを思い返し、少し嬉しい気持ちになった。やっぱり、この世界では何が起きるかわからないけど、ギャグ要素満載で毎日が楽しすぎる。
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