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3 屋敷の旦那様に会えることになった
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しばらくするとセレナさんが戻ってきて俺に告げた。
《許可がおりたので案内致します。私について来て下さい》
彼女に連れられ廊下に出る。
長い通路を通り階段を上がる。
やがて一つの部屋の前に着くと彼女は言った。
《ここになります。それでは私はこれで失礼しますね》
《色々とありがとうございました。セレナさん》
俺の言葉に彼女は笑顔で応えた。
《いえ、どういたしまして。困った事があれば何でも仰って下さいね? それでは……》 セレナさんは一礼すると去って行く。
さて、扉の向こうにこの屋敷の旦那様がいる。
緊張するなぁ
よし!行こう
俺は扉をノックする。
コンッ コンッ すると中から声が聞こえてくる。
《入って来なさい……》
俺は意を決して部屋へ入る。
そこには一人の男が座っていた。
年齢は30代くらいだろうか?
背が高く端正な顔つきをしている。
男は俺の顔を見ると驚いた表情をした。
だがすぐに平静を取り戻すとこう言った。
《お前が我が娘を助けてくれた恩人か? 礼を言うぞ。私はこの国の王を務めている者だ。
名はクラウスと言う。よろしく頼むぞ》
そう言うと彼は握手を求めてきた。
俺は慌てて答える。
え!?旦那様って王様なの!!?
《ど、どうも……。天城典二と言います。宜しくお願い致します……》
俺は差し出された手を握り返す。
こうして俺は異世界の王との謁見を果たしたのであった。
国王ことクラウスさんは俺に尋ねる。
《さて、早速ではあるが貴殿の事を詳しく聞かせてくれないか?》
まあ、そうだよな。
まずは俺自身の事を話す必要があるだろう。
《はい、分かりました。俺の名前は天城典二といいましてゲーム会社アンビシオンでプロデューサーを務めています。……と言っても今は無職なのですがね》
《ほう……ゲーム会社のプロデューサーか。それは凄いな。しかし、何故そのような方がこの国へ来たのだ?》
《それが……よく分からないんです》
俺は自分が何故ここにいるのかの経緯を説明した。
《……という訳なんですよ》
俺の話を聞き終えたクラウスさんは顎に手を当て考え込むと口を開いた。
《ふむ、なるほど……。つまり君は何らかの原因によって別の世界から来たということなのだな?》
《まあ、そういうことになりますかね……》
《そうか……。だとしたら元の世界に戻る方法を探すべきだな》
《え!? そんな方法があるのですか!?》
《ああ、あるとも。ただし、その為にはある人物の協力が必要だ》
《ある人物? 一体誰なんですか?》
《魔王だよ》
《マ、魔王ですか?》
《うむ、魔王さんならこの難問も解決に導いてくれるだろう。書状をいまから認めるから待っていてくれないか》
***
数分後、クラウスさんは手紙を書き終えると封蝋を施した。
《さて、準備は出来た。君はこれを持って魔都へ向かってくれ。私の名を使って構わない。きっと力になってくれるはずだ》
《分かりました。行ってきます》
《うむ、魔王さんのいる魔都はここより北に向かう、そうすると関所があるから私、クラウスの名を出してくれて構わないよ》
《許可がおりたので案内致します。私について来て下さい》
彼女に連れられ廊下に出る。
長い通路を通り階段を上がる。
やがて一つの部屋の前に着くと彼女は言った。
《ここになります。それでは私はこれで失礼しますね》
《色々とありがとうございました。セレナさん》
俺の言葉に彼女は笑顔で応えた。
《いえ、どういたしまして。困った事があれば何でも仰って下さいね? それでは……》 セレナさんは一礼すると去って行く。
さて、扉の向こうにこの屋敷の旦那様がいる。
緊張するなぁ
よし!行こう
俺は扉をノックする。
コンッ コンッ すると中から声が聞こえてくる。
《入って来なさい……》
俺は意を決して部屋へ入る。
そこには一人の男が座っていた。
年齢は30代くらいだろうか?
背が高く端正な顔つきをしている。
男は俺の顔を見ると驚いた表情をした。
だがすぐに平静を取り戻すとこう言った。
《お前が我が娘を助けてくれた恩人か? 礼を言うぞ。私はこの国の王を務めている者だ。
名はクラウスと言う。よろしく頼むぞ》
そう言うと彼は握手を求めてきた。
俺は慌てて答える。
え!?旦那様って王様なの!!?
《ど、どうも……。天城典二と言います。宜しくお願い致します……》
俺は差し出された手を握り返す。
こうして俺は異世界の王との謁見を果たしたのであった。
国王ことクラウスさんは俺に尋ねる。
《さて、早速ではあるが貴殿の事を詳しく聞かせてくれないか?》
まあ、そうだよな。
まずは俺自身の事を話す必要があるだろう。
《はい、分かりました。俺の名前は天城典二といいましてゲーム会社アンビシオンでプロデューサーを務めています。……と言っても今は無職なのですがね》
《ほう……ゲーム会社のプロデューサーか。それは凄いな。しかし、何故そのような方がこの国へ来たのだ?》
《それが……よく分からないんです》
俺は自分が何故ここにいるのかの経緯を説明した。
《……という訳なんですよ》
俺の話を聞き終えたクラウスさんは顎に手を当て考え込むと口を開いた。
《ふむ、なるほど……。つまり君は何らかの原因によって別の世界から来たということなのだな?》
《まあ、そういうことになりますかね……》
《そうか……。だとしたら元の世界に戻る方法を探すべきだな》
《え!? そんな方法があるのですか!?》
《ああ、あるとも。ただし、その為にはある人物の協力が必要だ》
《ある人物? 一体誰なんですか?》
《魔王だよ》
《マ、魔王ですか?》
《うむ、魔王さんならこの難問も解決に導いてくれるだろう。書状をいまから認めるから待っていてくれないか》
***
数分後、クラウスさんは手紙を書き終えると封蝋を施した。
《さて、準備は出来た。君はこれを持って魔都へ向かってくれ。私の名を使って構わない。きっと力になってくれるはずだ》
《分かりました。行ってきます》
《うむ、魔王さんのいる魔都はここより北に向かう、そうすると関所があるから私、クラウスの名を出してくれて構わないよ》
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