駅の果てで

180話: スルー大陸への航海と嵐

聡たちは、七宝「ツクヨミ」を求め、マースル帝国に向けてギルシャ港町から出航した。船が波間を進む中、キャプテンや船員たちが日々の航海を支えてくれる。出発から数日が過ぎ、順調に進んでいたが、次第に空が暗雲に覆われ始める。

嵐の兆し

「気をつけろ！嵐が近づいている！」キャプテンが叫び、船員たちは急いで準備を始めた。

聡も仲間たちとともに甲板へ出る。風が強まり、海が荒れ始めていた。ユウキが不安そうに空を見上げ、「やばいな、ここまでの嵐は久しぶりだ」とつぶやいた。

「でもここを越えないと、ツクヨミには辿り着けない！」ノアが言い、意を決してしっかりと手すりを握った。

ウェルナーの召喚

嵐の勢いが増し、船が大きく揺れたその時、聡は咄嗟に決断する。「ウェルナー、助けてくれ！」と、彼の中の機神ウェルナーを召喚した。

ウェルナーの姿が船の側に現れると、彼の巨体が強風と波を防ぎ、船を安定させた。船員たちは驚きと歓声を上げ、船が進む道を切り開いてくれるウェルナーの姿に勇気づけられる。

「ありがとう、ウェルナー。君がいてくれるだけで心強いよ！」聡が心の中で感謝すると、ウェルナーもまた共鳴するかのように光を放った。

仲間たちの協力

一方、ユウキとリリアはそれぞれの魔法や技術を駆使し、船を支えるために力を合わせる。リリアが風を操り、波を少しでも和らげようとし、ユウキは船をより速く進めるために特別な術を施した。

ファングもまた聡と共に、船員たちの指示を聞きながら甲板を支えて回り、仲間たちとの連携が船全体に安定感をもたらした。

嵐を越えて

何時間にもわたる激しい嵐の中、彼らは一丸となって危機を乗り越えていった。そして、やがて嵐が少しずつ収まり、空には再び青空が広がり始める。船員たちは安堵の息をつき、キャプテンが声を張り上げる。「よくやったぞ！嵐は去った！」

「これでまた先に進めるね。」ノアが笑顔で言い、仲間たちも無事を喜んで互いに肩を叩き合った。

聡はウェルナーを再び武器に収納し、仲間たちに向き直る。「ここからはさらに気を引き締めていこう。ツクヨミが待っている。」

目的地への再出発

スルー大陸の影が遠くに見え始め、彼らの目標であるマースル帝国が徐々に近づいてくる。聡たちは新たな決意を胸に、再び大海原を進んでいく。

「ツクヨミを手に入れれば、また大きな力を得られる。絶対に成功させよう！」とリリアが言うと、仲間たちはその言葉に応えて頷き、次なる冒険へと胸を躍らせた。