駅の果てで

みなと劉

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110話: 大陸を越えて、ラティールへ

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イシュメリアを離れ、聡たちの新たな冒険が始まる。港町ソルビートには、出発を待つ大きな船が停泊していた。海に浮かぶその船は、まるで彼らを新しい世界へと誘うかのように、堂々とした姿を見せている。

「これが私たちが乗る船か。」ユウキが目を輝かせながら、巨大な船の甲板を見上げる。「すごいな、これだけの船に乗るのは初めてだ。」

「ラビルート大陸までの航路は長いけど、こういう冒険が待っているのが嬉しいよね。」カナンも期待に胸を膨らませていた。

聡は仲間たちと共に船に乗り込み、旅の準備を整える。甲板には、他の冒険者や商人たちが忙しく動き回り、船の出航を待ちわびている様子だ。周囲の賑わいに、聡も自然と心が高鳴る。

旅の始まり

船が出航の鐘を鳴らし、ゆっくりと港を離れる。青い海が広がり、太陽が海面を照らしてまぶしく光っている。聡はその景色を見つめながら、これからの旅のことを考える。

「最終的にはラティール大陸に向かうんだな。」聡がつぶやくと、ユウキが頷いた。

「ラティールは大陸の中でも特に不思議な場所だと聞いたことがある。そこには強力な魔物や、古代の遺跡が点在しているらしい。」

「その噂、本当なら面白いことになりそうだ。」カナンが笑顔で答える。「新しい冒険が待っているぞ。」

海の風と冒険の予感

船が揺れながらも順調に進む中、聡は風を感じながら心を躍らせていた。海の香りや、波の音が彼に新たなエネルギーを与えてくれる。この旅が、彼にとってどんな経験をもたらすのか、期待に胸が膨らんでいく。

「この航路はどのくらいかかるんだ?」聡が仲間に尋ねる。

「数日から一週間ほどだろう。海の状態によっては変わるかもしれないが。」ユウキが説明する。

「その間に色々なことを学べそうだね。特に、海の生き物や、航海術について興味がある。」カナンが目を輝かせる。

その時、船の先端で立っていた聡は、ふと視線を感じて振り返った。そこには一人の女性が立っていて、彼に微笑んでいる。

不思議な出会い

彼女は長い黒髪を持ち、落ち着いた雰囲気を漂わせている。「あなたたちもラビルート大陸へ行くのですか?」

聡は驚きつつも、「はい、そうです。冒険を求めて旅しています。」と答えた。

「私もです。この船は素晴らしい冒険の始まりを示していますね。」彼女の目には、探求心が宿っている。

「自己紹介が遅れました、私はリリアといいます。」彼女はにっこり笑い、聡たちに手を差し出した。

「聡です。そしてこちらがユウキとカナン。」聡は仲間を紹介し、リリアはその名をしっかりと覚えたようだった。

「もしよければ、一緒に旅をしませんか?この先、何か面白いことが起こりそうな気がします。」リリアの提案に、聡は目を輝かせた。

新たな仲間との旅

「もちろん、いいよ!」聡が答えると、ユウキとカナンも同意した。

こうして、新たな仲間を迎え入れた聡たちは、ラビルート大陸への旅を続けることに決めた。彼らの心には、次の冒険に対する期待が膨らんでいる。

船が穏やかな海を進む中、聡はリリアと共に航海について話し、仲間たちとの絆を深めていった。未知の大陸への旅が始まったばかり。彼らはどんな冒険が待っているのか、胸を躍らせながら前進していくのだった。


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