駅の果てで

みなと劉

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85話: ドーガ族の魔術師を仲間に

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星降りの塔を後にしようとする聡たちのもとに、ラセルが近づいてきた。彼の表情は穏やかだが、その目には何かを決意した強さが宿っている。

「聡、ひとつ頼みがあるのだが、聞いてくれるか?」

ラセルの言葉に聡が頷くと、ラセルはゆっくりと話を続けた。

「この地を守り続けてきた我々ドーガ族にも、世界の変化を感じ取れる者がいる。今や、この塔だけでなく、広く世界を見て学び、知識を共有する必要があると考えているんだ。そこで、私をお前たちの旅に加えてはくれないか?」

驚きながらも、聡はすぐに了承した。ラセルの知識と力が仲間になることは、これからの旅にとって心強いものとなるだろう。


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仲間としての誓い

ラセルが正式に仲間となると、彼は塔に残る同胞たちに別れを告げた。ドーガ族の仲間たちは彼を祝福し、星々に守護を祈って送り出してくれた。その姿を見て、聡はラセルがどれだけ信頼されているかを感じ、より一層頼もしく思えた。

「旅の間、私が知る限りの魔術と星の力をお前たちに伝えるつもりだ。そして、この地の者たちが少しでも平和に生きられるよう、共に助力することを誓うよ。」

ラセルは穏やかに微笑みながら、聡に手を差し出した。聡もその手を握り返し、共にこの異世界の未来を切り拓く決意を新たにした。


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ラセルの魔術と星の力

旅が再開されると早速、ラセルの力が発揮され始めた。道中で突然襲いかかってきた魔物を、ラセルは素早く察知し、星の光を使った強力な魔術で封じ込めた。その魔術は見たこともないほど美しく、まるで星空が降り注いでいるようだった。

「ドーガ族は星とともに生き、星とともに戦う。我らの魔術は、星の動きと共鳴することでその力を引き出すのだ。」

聡は感嘆しながらも、ラセルの説明に真剣に耳を傾けていた。その魔術はドーガ族特有のもので、理解するには星の知識と深い集中が必要だったが、ラセルの助けを受けながら少しずつ学んでいくことができた。


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新たな力と希望

ラセルが仲間に加わったことで、聡たちの旅はこれまで以上に力強いものとなった。彼の知識と魔術は、未知の地や危険な場面で大いに役立ち、またその落ち着いた態度は一行の精神的な支えにもなった。

聡は旅の中でラセルからさまざまなことを学びながら、自らもこの異世界に存在する意味を探し続けた。異世界で出会った仲間たちとの絆が深まるたびに、聡の心には新たな希望が芽生えていった。

そして、星降りの塔から始まったこの新たな冒険が、さらなる未来へと続いていくことを確信しながら、一行はまた次なる目的地へと足を踏み出した。


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