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孫呉に張飛あり。
張飛が呂蒙子明と呂布奉先を招き入れた。
俺は呂布奉先という名で張飛に呼ばれた。
「俺やお前と違った感じでカッコいい異名だよ」
「確かに俺たちとは違うな」
「それと孫策がいつ頃来るとかの情報も入ってくる」
「今の孫策は相当、有名になっているみたいだな」
「まあ、そんなのはどうでもいいよ。とにかく関羽がお前に会いたがっているらしいんだ」
「ああ、俺も劉備に会わねばならないと思っている所だったんだ」
「それは良かった。一緒に行くか?」
俺たちは黄河を渡る事になる。
孫策がその船で一緒にやって来た。
俺たちは橋で渡り終えると船に乗り込んだ。
そして、俺は呂布奉先として、関羽に挨拶に行った。
関羽は頭を下げた。
「お前が呂布奉先か」
「ええ、よろしくお願いします」
「実は、お前に相談がある」
「何か?」
「ワシはこれから成都を目指し劉備に会うのだが、お前はどうされる?」
俺は呂布奉先なので、そう答える事にした。
「私は曹操に会いに行き、この剣を渡そうと思います」
呂布奉先の剣を見せた。
関羽が頷いた。
「なるほど」
呂布奉先の事を知っているので納得したようだ。
そこで孫策が割って入る。
「俺が聞いた所によると、劉備が曹操に会いに行くらしい」
「そうなんですか?」
俺は劉備の顔を見た。
「そうじゃな、曹操は大層、強いと聞いているし、三国志最強の男とも聞いている。会う価値はあるかもしれんの」
「俺たちも付いて行くつもりだ」
孫策が言った。
「俺たちは今、義勇兵を集めているんだ。付いて来たいと思う奴がいれば連れてきても構わないぜ」
そう言うと孫策は帰って行った。
呂布奉先が劉備に言う。
「私も曹操に会えるのであれば会っておくべきだと思います。おそらく戦いになるでしょう」
「そうじゃろうの、ワシも孫策と戦って勝てる自信がない。それに曹操ほどの人物ともなれば、ワシらでは太刀打ちできぬやもしれぬ」
「私も正直、勝てる自信はありませんね。しかし、私は呂布奉先として呼ばれているのに逃げてばかりはいられない」
「本当に呂布奉先なのか?」
関羽は不思議そうに俺の顔を見る。
俺は頷く。
「信じて貰えないかもしれませんが、実は三国志の知識があるのです」
関羽が頷いた。
「三国志?」
「はい。この今の時代を三国志の時代というらしいのです。私は呂布奉先としてこの時代に生まれというか転生しました」
「転生?」
「まあ、何というか」
呂布奉先の事を考えるとあまり詳しく話してはいけない気がした。
だから、途中で説明を諦めた。
「ふむ、だがお主の容貌はまさに呂布奉先と同じじゃな」
「そうですか?」
関羽が頷く。
「うむ、ワシもそう思う」
そこへ劉備がやってきた。
「なんの話をしておるのだ?」
関羽が答える。
「それがな……むごっ」
俺は関羽の口を押えた。
「その事はあまり人には話さない方がいい気がするのです」
劉備が不思議そうな顔をした。
「そうなのか?」
俺は頷く。
劉備たちが見ている前で、俺が関羽に掴みかかろうとしたら黄蓋が止めに入った。
張飛が呂蒙子明と呂布奉先を招き入れた。
俺は呂布奉先という名で張飛に呼ばれた。
「俺やお前と違った感じでカッコいい異名だよ」
「確かに俺たちとは違うな」
「それと孫策がいつ頃来るとかの情報も入ってくる」
「今の孫策は相当、有名になっているみたいだな」
「まあ、そんなのはどうでもいいよ。とにかく関羽がお前に会いたがっているらしいんだ」
「ああ、俺も劉備に会わねばならないと思っている所だったんだ」
「それは良かった。一緒に行くか?」
俺たちは黄河を渡る事になる。
孫策がその船で一緒にやって来た。
俺たちは橋で渡り終えると船に乗り込んだ。
そして、俺は呂布奉先として、関羽に挨拶に行った。
関羽は頭を下げた。
「お前が呂布奉先か」
「ええ、よろしくお願いします」
「実は、お前に相談がある」
「何か?」
「ワシはこれから成都を目指し劉備に会うのだが、お前はどうされる?」
俺は呂布奉先なので、そう答える事にした。
「私は曹操に会いに行き、この剣を渡そうと思います」
呂布奉先の剣を見せた。
関羽が頷いた。
「なるほど」
呂布奉先の事を知っているので納得したようだ。
そこで孫策が割って入る。
「俺が聞いた所によると、劉備が曹操に会いに行くらしい」
「そうなんですか?」
俺は劉備の顔を見た。
「そうじゃな、曹操は大層、強いと聞いているし、三国志最強の男とも聞いている。会う価値はあるかもしれんの」
「俺たちも付いて行くつもりだ」
孫策が言った。
「俺たちは今、義勇兵を集めているんだ。付いて来たいと思う奴がいれば連れてきても構わないぜ」
そう言うと孫策は帰って行った。
呂布奉先が劉備に言う。
「私も曹操に会えるのであれば会っておくべきだと思います。おそらく戦いになるでしょう」
「そうじゃろうの、ワシも孫策と戦って勝てる自信がない。それに曹操ほどの人物ともなれば、ワシらでは太刀打ちできぬやもしれぬ」
「私も正直、勝てる自信はありませんね。しかし、私は呂布奉先として呼ばれているのに逃げてばかりはいられない」
「本当に呂布奉先なのか?」
関羽は不思議そうに俺の顔を見る。
俺は頷く。
「信じて貰えないかもしれませんが、実は三国志の知識があるのです」
関羽が頷いた。
「三国志?」
「はい。この今の時代を三国志の時代というらしいのです。私は呂布奉先としてこの時代に生まれというか転生しました」
「転生?」
「まあ、何というか」
呂布奉先の事を考えるとあまり詳しく話してはいけない気がした。
だから、途中で説明を諦めた。
「ふむ、だがお主の容貌はまさに呂布奉先と同じじゃな」
「そうですか?」
関羽が頷く。
「うむ、ワシもそう思う」
そこへ劉備がやってきた。
「なんの話をしておるのだ?」
関羽が答える。
「それがな……むごっ」
俺は関羽の口を押えた。
「その事はあまり人には話さない方がいい気がするのです」
劉備が不思議そうな顔をした。
「そうなのか?」
俺は頷く。
劉備たちが見ている前で、俺が関羽に掴みかかろうとしたら黄蓋が止めに入った。
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