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18話

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その後も俺の異世界ライフは、予想外の展開ばかりだった。特に最近は、どうも騎士様や魔物たちと一緒に過ごす時間が多くなってきた。今日はというと、グルドラが一人で盛り上がっている。

「おいおい、今日はお前に『魔物フェスティバル』を紹介する日だぜ!」
グルドラが目を輝かせて言った。お前、また無茶なイベントを…

「魔物フェスティバル?」

「そうだ!魔物たちが集まって、芸を披露したり、力自慢をしたりする日だ。もちろんお前も参加してくれよな!」
グルドラがやけに楽しそうだ。

「……俺、芸とかできないけど?」

「心配すんな!みんな、芸ができるできないとか気にしないから。何かやればいいんだよ!」
グルドラはとりあえず俺を連れ回して、祭り会場へと向かうことになった。

会場には、様々な魔物たちが集まり、舞台の周りで笑い声や歓声が飛び交っていた。中央の広場では、巨大なトロールが手作りのバンドで音楽を演奏していたり、ケンタウロスが弓の腕前を披露していたり、ゴブリンがサーカスのようなアクロバットをしていたり、まさに異世界ならではの光景だった。

「さあ、お前の番だ!」
グルドラが俺を無理やりステージに押し上げた。俺は一瞬、周りの魔物たちの目が一斉に俺に向けられるのを感じて、冷や汗をかいた。

「お、どうした?怖いのか?」
ケンタウロスがニヤニヤしながら言う。まあ、コイツの言う通り、確かに怖い。誰もが何か特技を披露している中で、俺だけ芸が無いのがバレたらどうしようと焦った。

「うーん、どうしようかなぁ…」
その時、俺の視線が偶然にも、会場の隅にいたスライムに引き寄せられた。スライムがふわふわと浮かんでいるのを見て、ひらめいた。

「おお、思いついた!」
俺は思わず叫んで、スライムに向かって駆け寄った。スライムはにこにことした顔で、俺を見上げていた。

「よし!スライム、ちょっとお前、協力してくれ!」
俺が頼むと、スライムは嬉しそうに体を揺らした。

「よし、決まった!これだ!」
俺はスライムを持ち上げ、舞台の上で披露することにした。スライムを空中で軽く回転させて、うまく跳ねるように投げてみる。すると、スライムはふわりと舞い上がり、まるで軽やかなダンスのように空中で弧を描いた。

「ほほう…!それにしても、うまいじゃないか!」
ケンタウロスが驚きの声を上げ、周りの魔物たちも拍手を送った。思わぬ反応に、俺はちょっと調子に乗り始めた。

「よし、次はスライムのトリックを披露してみるか!」
俺はスライムを空中でさらに一回転させて、うまく手でキャッチした。会場からは大歓声が起こり、俺は一瞬だけ人気者になった気分になった。

「うおおお、これ、俺の芸として通用するかもしれない!」
俺は気を良くして、次々とスライムと一緒に技を繰り出していった。途中、スライムが俺の頭に乗って、まるで帽子のように見えたり、スライムが転がって俺の足元をキュルキュルと転がって可愛らしい動きにみんなが笑ったりと、なんだかんだで大成功。

そして、フェスティバルが終わる頃には、俺は魔物たちの間で「スライム芸人」として名を馳せることとなった。

「見ろよ、あいつ、スライムを使ってあんな芸ができるとは…」
「異世界の芸術の新たな一面だな…」
そんな声が聞こえてきた。

「すげーじゃん!お前、すっげー面白かったよ!」
グルドラが俺を褒めてくれた。

「まさか…こんなことで注目されるなんてな…」
俺は驚きながらも、魔物たちと一緒に過ごす時間を楽しんだ。

その後も、俺はその名を活かして、異世界で様々な芸を披露しては笑いを取る日々が続いた。思い返せば、最初は何もできないと思っていたが、今では完全に異世界のエンターテイナーになっていた。

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