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13話
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「確かにその可能性はあるが、それでも絶対にしないという保証はないんじゃないか?」
「確かにそうだね」
「まあする気にもないからいいか」
「そうだね」
「よし、話がまとまったところで、早速依頼を受けるぞ」
「わかったよ」
—――
「それじゃあ、これにしようか」
そう言って選んだのは、オークの討伐の依頼だ。
報酬は銀貨2枚で、期限は一週間以内となっている。
「それじゃあ、準備を済ませたら出発するぞ」
「了解」
こうして、俺達は依頼をこなすために出発した。
ちなみに、移動方法は徒歩である。
馬車とかあったら便利なんだけどね。
まあ、ないものねだっても仕方がない。
今は、自分の足で頑張ろう。
「それにしても、君は一体どこに向かっているのかな?」
「ああ、目的地は王都の外にある森だ。そこに生息するオーガの角が今回の目的だ。」
「あー、確かにオーガの角を手に入れるには討伐する必要があるな」
それから暫く歩くと森の中に入った。
ここから先はいつ魔物が出てくるかわからないので気を引き締めなければならない。
といっても既に手遅れだろうけれど。
「シオン、前方から3体ほど敵が来るみたいだけど戦える?」
「おう、余裕のよっちゃんイカ」
「なんか言ったかい?」
「いいやなんでもない。ただ単にふざけただけだ。」
すると、、目の前にはゴブリンがいた。
「うわあ!モンスターがいるぜ!」
と大袈裟に叫ぶと
「ギィ?グギャッ」
と返してくれた。
まあ、日本語なんて通じるわけがないだろうがな!
それに、今のは少しわざとらしく言いすぎたかもしれん。
反省しなければ。
そう考えているうちに、こちらのことに気づいたようで攻撃を仕掛けてきた。
「危ない!シオン」
俺は咄嵯に反応して避けることができたがアデルの方を見ると傷を負ってしまっていた。
このままだとヤバイなと思ったので急いでポーションを取り出し投げつける。
「とりあえずこれで傷口の手当をしとけ!」
そう告げるとすぐに戦いを再開する。
幸いこちらの攻撃はほとんど効いている様子はなかった。
ただやはり数が多いので少し厳しいところがあるように感じられた。
しかし、こちらは無能力者である。
だから俺はアデルを守るためならば、たとえこの身を犠牲にしてでも守り抜くつもりだった。
そして、その時は突然やってきた。
敵の攻撃によって足を挫いてしまったのだ。
それを好機だと判断したのか攻撃が集中してくる。
もう避けられない状況だった。
万事休すかと思い目を瞑ったが一向に痛みは襲ってこなかった。
不思議に思い目を開けると見覚えのある後ろ姿があった。
アデルであった。
「おい、お前大丈夫なのか!?」
返事がなかった。
もしかすると意識を失ってしまったのかもしれない。
そう思ったので助けるために動こうとしたが、それは叶わなかった。
何故かって?それは俺にもわからない。
ただ一つ言えることは、動けなかったということだ。
それだけではない。息をすることすら忘れてしまう程、見惚れていた。
彼女の背中から羽のようなものが出ているように見えたから。
「確かにそうだね」
「まあする気にもないからいいか」
「そうだね」
「よし、話がまとまったところで、早速依頼を受けるぞ」
「わかったよ」
—――
「それじゃあ、これにしようか」
そう言って選んだのは、オークの討伐の依頼だ。
報酬は銀貨2枚で、期限は一週間以内となっている。
「それじゃあ、準備を済ませたら出発するぞ」
「了解」
こうして、俺達は依頼をこなすために出発した。
ちなみに、移動方法は徒歩である。
馬車とかあったら便利なんだけどね。
まあ、ないものねだっても仕方がない。
今は、自分の足で頑張ろう。
「それにしても、君は一体どこに向かっているのかな?」
「ああ、目的地は王都の外にある森だ。そこに生息するオーガの角が今回の目的だ。」
「あー、確かにオーガの角を手に入れるには討伐する必要があるな」
それから暫く歩くと森の中に入った。
ここから先はいつ魔物が出てくるかわからないので気を引き締めなければならない。
といっても既に手遅れだろうけれど。
「シオン、前方から3体ほど敵が来るみたいだけど戦える?」
「おう、余裕のよっちゃんイカ」
「なんか言ったかい?」
「いいやなんでもない。ただ単にふざけただけだ。」
すると、、目の前にはゴブリンがいた。
「うわあ!モンスターがいるぜ!」
と大袈裟に叫ぶと
「ギィ?グギャッ」
と返してくれた。
まあ、日本語なんて通じるわけがないだろうがな!
それに、今のは少しわざとらしく言いすぎたかもしれん。
反省しなければ。
そう考えているうちに、こちらのことに気づいたようで攻撃を仕掛けてきた。
「危ない!シオン」
俺は咄嵯に反応して避けることができたがアデルの方を見ると傷を負ってしまっていた。
このままだとヤバイなと思ったので急いでポーションを取り出し投げつける。
「とりあえずこれで傷口の手当をしとけ!」
そう告げるとすぐに戦いを再開する。
幸いこちらの攻撃はほとんど効いている様子はなかった。
ただやはり数が多いので少し厳しいところがあるように感じられた。
しかし、こちらは無能力者である。
だから俺はアデルを守るためならば、たとえこの身を犠牲にしてでも守り抜くつもりだった。
そして、その時は突然やってきた。
敵の攻撃によって足を挫いてしまったのだ。
それを好機だと判断したのか攻撃が集中してくる。
もう避けられない状況だった。
万事休すかと思い目を瞑ったが一向に痛みは襲ってこなかった。
不思議に思い目を開けると見覚えのある後ろ姿があった。
アデルであった。
「おい、お前大丈夫なのか!?」
返事がなかった。
もしかすると意識を失ってしまったのかもしれない。
そう思ったので助けるために動こうとしたが、それは叶わなかった。
何故かって?それは俺にもわからない。
ただ一つ言えることは、動けなかったということだ。
それだけではない。息をすることすら忘れてしまう程、見惚れていた。
彼女の背中から羽のようなものが出ているように見えたから。
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