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87話
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そう言いながら攻撃するも、それを簡単に受け止められてしまう。その後も何度も攻撃するがそれも全て止められてしまった。そこで俺はあることを思い付いた。俺は攻撃を止め一旦距離をとった。
俺の行動に疑問を抱いたのか華雄はすぐに攻撃してきた。
俺もそれを避けて今度は俺の方から攻撃した。俺の攻撃は華雄の剣に防がれてしまった。しかし、それでよかったのだ。なぜなら俺の狙いは最初から華雄を倒すことではないのだから。俺は華雄の攻撃をかわしてすぐに距離をとった。
それを見た華雄が言ってくる。
「どうした?まさかお前も俺には勝てないと判断したか?」
俺は何も言わずにその場から離れた。
俺が距離をおいたのを確認した後、俺は詠唱を始めた。俺の武器に雷を纏わせるための呪文だ。詠唱が終わると俺の剣は凄まじい光を放った。そして、俺は一気に加速し剣を振るった。すると剣が纏っていた電撃により雷属性が付与された。そして、俺はそのまま攻撃をした。すると、今までとは比べものにならないほどの衝撃が伝わってくる。それに驚いたのは華雄も同じようで剣を盾代わりにしなんとか受け止めようとしていた。しかし、耐え切れなったようだ。俺はすかさず次の攻撃を仕掛けようとしたその時だった。
俺の後ろに何者かが現れた。俺が振り向くとそこには一人の男が立っていた。
その男は曹操軍の人間だった。
曹操軍の一人が言う。
「貴様ら!何をしておるか!!」
その言葉を聞いた呂布は慌てていた。
「えっ!あれ!?曹操軍は味方じゃなかったのか?」
と慌てると、もう一人の男が現れて言った。
「いえ、この者達が敵であると言う証拠が見つかりましたので始末しようと思いまして」
「そうだったのか、良かった」
そう言った瞬間、二人の男が呂布と張遼に向かって襲いかかってきた。
そして、激しい戦闘が開始した。呂布は張遼と一緒にその二人と戦っている。張遼はかなり苦戦している様子だ。それに対して呂布はというと全くといっていいほど相手にしていなかった。それどころか相手の動きを目で追うことすら出来ていなかった。俺が呂布の強さに驚いていた時、張遼が言う。
「あんた強いんだな」
俺が答える。
「ありがとう。だけどお前も強いと思うぞ」
張遼は照れ臭そうな顔をした後、続けて話す。
「だけど俺は兄上より強くならなければならない」
張遼の話を聞き呂布は張遼の兄の事を思っていた。
(どんな人物なのだろうか)
と思いつつ、俺達はまだ戦闘を続けていた。呂布達は今にも曹操軍に殺されそうになるところだった。しかしそこに劉備達が助けに来たのだった。張飛と関羽の圧倒的な力で曹操兵を倒していく。しかし、曹操も負けてはいない。すぐに体勢を立て直す。そして、呂布は思う。
(これはもうダメかもしれない)
そう思っている中、曹操が急に大声を出す。
「撤退だぁああ!!」
曹操の突然の言葉に対して俺を含めたほとんどの者が戸惑っていたが曹操が張飛に向かって言う。
「早くしろ!こいつが殺られたいんか!!」
張飛は焦りながらも答える。
「分かった」
そう言って張飛は俺の首元を狙ってきた。
その瞬間だった。俺は華雄に蹴り飛ばされていた。張飛の攻撃は当たらなかったが俺は助かったのだった。華雄は張飛に向かって話しかける。
「お前、名前は?」
張飛が答える。
「俺は張飛」
華雄は微笑みながら答える。
「覚えておくよ」
その言葉を聞いて張飛は嬉しそうにしていた。
俺が倒れているところに詠唱の声が聞こえてきた。
「炎熱波(フレイム・ウェーブ)」
その言葉の後、呂布達の回りに炎の柱が立った。それはまさに灼熱地獄のような光景であった。そして呂布は詠唱を唱えた主を見た。
そこには一人の女が立っていた。それは、董卓四天王の一人、徐栄であった。呂布はその姿を見てすぐに起き上がり、剣を構える。
俺も同じように起き上がって武器を構えた。俺達が起き上がったのを見て徐栄も武器を構え始めた。俺は呂布に聞く。
「呂布、お前はこの女の事を知っているか?」
すると呂布は答える。
「ああっ……この人は……」
呂布が何かを言い終わる前に徐栄が呂布の顔面を殴って吹き飛ばした。俺は呂布に急いで駆け寄るが遅かったようだ。俺がすぐに詠唱を始めようとしたときだった。後ろから誰かが来る気配を感じた。
俺はすぐに振り返るとそこには一人の男がいた。そいつの名前は李儒、漢の丞相にして大魔王である董卓の側近だ。俺は李儒を見るなり剣を抜いた。それに対して呂布を殴った張本人である徐栄も俺と同じことをしたようだ。俺と徐栄は同じタイミングで斬りかかるがお互いの剣によって弾かれてしまった。そこで李儒が口を開く。
「そこまでにしておけ、私は争いごとが好きではないのだ」
俺と徐栄は同時に答える。
「ふざけるな!」
そう言いながら俺と徐栄はもう一度攻撃をしようとすると、今度は別の奴が来た。俺は攻撃を止め後ろに下がると俺の横に華雄が来ていた。そして、呂布は詠唱を始めたが詠唱が終わるとすぐに魔法陣が現れた。詠唱を終えた呂布は魔法陣の中に入り姿を消した。そして詠唱をした張本人はと言うと、先程までの表情とは違いかなり動揺しているように見えた。
それを見た俺と華雄はすぐに行動を開始した。
まず、華雄が攻撃を仕掛けるが、それを防がれてしまう。次に俺が攻撃すると防がれることはなかったのだが、相手もかなりの強者なのでダメージを与えられていない。華雄が攻撃するとまた防がれ、俺が攻撃をすると相手が防ぐ。この繰り返しが続いていたが俺はあることに気が付いた。
それは相手の隙だ。相手の攻撃を防ぐ時に必ず大きな隙が出来ている事に俺は気が付き、俺はそこに攻撃をすると相手の肩を少しだが切り落とすことが出来た。しかし俺はすぐに後退して距離をとった。
その行動を見ていた李儒が言ってくる。
「ほう、貴様、ただの雑魚ではないようだな」
俺は何も答えず構えたまま様子を見ていたが相手の方から攻撃を仕掛けて来た。しかし、動きが遅いので俺には簡単に避ける事が出来た。しかし、それでも反撃はしなかった。なぜなら相手のペースに乗せられないためだ。
そんな事を思っていたらいきなり徐栄と俺達の戦いに割って入って来た人物がいた。
それは曹操軍の夏侯惇と曹仁だ。そして、その二人と一緒に曹操軍の幹部と思われる武将が二人現れた。
俺は思った。
(ヤバイ!!)
と、そして、さらに最悪なことが起きた。曹操軍の幹部と思われる武将が三人増えたのだ。その三人目の男は見た感じかなりの高齢で杖をついていた。そして、俺がその男を見ると目が合い、男が話しかけてくる。
「ほっほー、なかなかやるのぅ、おぬしは誰じゃ?」
俺は質問に答えなかった。と言うより答える暇がなかったと言った方がいいだろう。曹操軍の幹部らしき連中が全員襲いかかってきたからだ。俺と華雄はそれぞれ別方向に逃げた。
逃げる最中、華雄の叫び声が聞こえた。しかし、俺は助けに行くことが出来なかった。何故なら俺にも襲いかかってきたからである。その老人が俺に問いかけてきた。
「わしと戦わんか?若造」
と、俺も同じように言う。
「嫌に決まってんだろ」
そして、戦いが始まったが実力差は圧倒的だった。しかし、老人は俺に言った。
「やはり強いのう、お主は。名を何という?」
俺は答える。
「お前が先に名乗れ」
その言葉を待っていたかのように答える。
「ワシの名は華雄は孟徳に問う。この若者は何者かと。
それに対して孟徳は言う。
「こいつは私達の味方ですよ」
それに対し華雄は言う。
「こいつが敵じゃないだと?」
華雄は俺を指差しながら言う。
それに対して曹操は言う。
「はい、こいつが呂布将軍を助けたんですよ」
華雄は俺を見ながら曹操に聞いた。
「呂布を助けてくれたことに関しては礼を言うがお前はいったい誰なんだ?」
俺は華雄に向かって話す。
「お前、俺の事を知らないのか!?」
華雄は首を縦に振りながら答える。
「知らん」
それに対して俺が説明を始める。
「俺の名前は高平 零次だ」
華雄は驚きながら俺に聞いてくる。
「まさか、貴様があの伝説の勇者なのか!!」
それに対して俺は答える。
「違う」
俺の言葉に曹操と徐栄、それに夏侯惇達は驚いた顔をしていたが、すぐに元に戻った。そして、華雄が続けて話しかけてきた。
俺に向かって。
華雄と会話する
その1に続く
その1を帰属展開する
アーキテクトON
華雄と曹操の会話。俺は華雄に向かって話し始めた。
俺が華雄に対して言う。
「お前、俺の事を知らないのか?」
すると華雄も俺に言う。
「貴様が伝説の勇者か!」
俺は即座に訂正する。
「だから俺は勇者なんかじゃねぇよ。ってかそもそも伝説とか勇者ってなんだよ?」
俺は疑問を投げかけた。
質問系のテクスチャを構築
主人公呂布奉先が『俺』を使って会話を実行するプログラムを開始する。
再起動
俺は華雄と曹操に質問を投げてみた。俺の発言を聞いた二人は同時に驚く。その二人の顔を見てさらに俺が言う。
「おい、二人ともなんで驚いているんだ?」
俺がそう聞くと華雄が口を開く。
「お前は本当に知らないようだな」
俺はその言葉の意味が理解出来なかったので聞き返す。
「どういう意味だ?教えてくれないか?」
華雄に質問した。しかし、華雄は何も言わずに俺に攻撃を仕掛けて来た。それを見ていた曹操と徐栄、それと夏侯惇が武器を構え始めた。その光景を見た俺は華雄の攻撃を避ける事に集中することにした。なぜなら曹操と徐栄の二人はかなり強そうで、夏侯惇もかなりの強さだと感じたからだった。しかし、俺の心配は必要無かったようだ。
洛陽に全員で向かうというシステムプログラムを実施した。
再起動。
「どうだろう?曹操、華雄皆の者このまま全員で洛陽に行くというのは」
それを聞いた曹操は徐栄に言う。
「私は反対です。この者が我々と共に行動するとは思えません」
徐栄が言う。
「確かにそうかもしれんな」
曹操は考え込みながら俺を見る。すると華雄が言う。
「俺もこの男が仲間になるとは思えない」
曹操が俺に言う。
「では、こうしようではないか、今から私達が貴様に模擬戦を挑む、貴様はそれに勝ったら我々の軍に入れ、もし負けた場合は貴様は我らの仲間だ。それでいいか?」
俺は即答する。
「あぁ、問題ない」
それを聞いて徐栄は曹操に問いかける。
「曹操、本気で戦うつもりですか?」
曹操は徐栄に言う。
「本気を出すわけ無いだろ。あくまで腕試しだ」
俺は曹操に提案をする。
「場所を変えた方がいいと思うんだが?」
曹操は俺の提案を受け入れてくれるようだ。
「それもそうだな、お前達は着いて来い」
俺と華雄は曹操について行った。曹操と徐栄、それに曹操軍の他の武将達もそれに続いて歩いていた。しばらく歩き目的地に着いた。そこは洛陽の中でも有名な店だった。俺の予想だが恐らく曹操はここで宴会を開きたいのだろう。俺は曹操に質問をしてみる。
俺が曹操に質問をした。
「曹操さん、この店で宴でも開くのか?」
曹操が答える。
「その通りだ、私の知り合いが経営している店なので貸切りにしても大丈夫だと思うぞ」
俺は続けて曹操に質問する。
「華雄はどうするつもりなんだ?」
華雄は少し考えるそぶりを見せながら言う。
「俺も貴様と戦ってもいいが……」
曹操は言う。
「いや、こいつはお前と戦いたがっているみたいだから戦わせてやるといい。その代わり、私が相手してやってもよいがどうか?」
俺は言う。
「遠慮しておく」
華雄が言う。
「何故、断る?」
俺が華雄に答える。
「あんたは強い、だからこそ全力を出して戦いたいんだ」
曹操は微笑みながら言う。
「ふっ……面白い男だ」
そして、華雄はと言うと、納得していた。
(まぁ、華雄も馬鹿ではない。実力差くらいわかるか)
曹操は言う。
「決まりだな。貴様らの戦いは私と華雄が観戦させてもらう事にするが、よいな?」
それに対して徐栄は反論しようとしたが曹操に止められていた。そんな事を考えている間に準備が終わったようで全員が店の中に入っていく。俺は店内を見渡す。
そして、店の外には大勢の観客が押し寄せている。
俺達は店の中で戦いを始めることにしたのだが、その店の中には既に多くの酒と料理が用意されていた。俺は疑問に思ったので曹操に聞いてみた。
俺が曹操に質問をする。
「これはどういうことだ?」
曹操は俺の疑問に答えてくれた。
「貴様らの勝敗で宴を始めるという事だよ」
華雄が答える。
「曹操は貴様らが負けるとは思ってもいないようだが、まぁせいぜい頑張る事だな」
曹操が言う。
「徐栄は呂布を応援してくれればいいよ。私はこの若造をボコって華雄の鼻を明かしてやりたいからね」
曹操と華雄の言葉を聞いて俺はある事を考えていた。それは俺がこの世界の人間でないからこそできる事だとも言えたが、今は目の前のことに集中すべきだと思い、余計な事を考えるのをやめることにした。そして、俺は華雄に向かって言う。
「始めるか?」
俺の言葉に対して華雄が答える。
「いつでもかかってくるがいい」
俺は武器を構える華雄に言った。
俺が華雄に話しかける。
その2に続く
その2を帰属展開する
アーキテクトON
華雄と会話 その1の続きを開始
再起動
俺は華雄に向かって言葉をかけた。
「お前が攻撃してくるまで俺は攻撃をしない。安心しろ俺はお前の攻撃を避けるだけだ」俺が華雄に対して挑発を行った。華雄が怒りの表情で叫ぶ。
「ふざけやがって!!」
その言葉を聞いた俺は曹操に合図を送った。それを見た曹操は開始の宣言を行う。その声と共に俺は戦闘を開始した。
俺は華雄に言葉をかける。
「さぁ、来い」
俺のその言葉を聞いた華雄は、すぐに俺に襲いかかってきた。しかし、俺が華雄の攻撃を避け始めたので華雄は驚いたようだ。俺は華雄の攻撃を避け続けた。華雄の攻撃は一撃で終わらせるような物では無く、何度も俺を攻撃した。しかし、俺に当たる事は無かった。その様子を見ていた曹操は徐栄に向かって言う。
「徐栄、あの男の実力が分かったか?」
徐栄は答える。
「いえ、まだです。華雄があそこまで簡単にあしらわれているのは初めて見ました」
徐栄がそう言うと、今度は曹操が徐栄に問いかける。
徐栄は曹操の言葉に返事をしながら考えていたのだ。
華雄は確かに強い、しかし、それと同じくらいに呂布も強かったはずだと……。徐栄はそう考えながら華雄の動きを観察した。華雄の攻撃は決して速くは無い、むしろ遅すぎるぐらいだった。それにも関わらず、呂布は華雄の攻撃を全て避けていた。
(何故、あんなにも容易く避けられる?)
そして、曹操と徐栄はその答えにたどり着く。それは華雄が本気で戦っていないからだと。しかし、それならば何故本気で戦わないのか?それが不思議に感じられた徐栄は曹操に聞くことにした。
俺に攻撃を仕掛け続ける華雄だが、俺にダメージを与える事は出来ていない。
俺も攻撃を行おうとしたが、曹操と徐栄に見られている以上迂闊に動く事が出来なかったので華雄の攻撃を避けては避けるだけだった。曹操達は二人の戦いを見ながら話をしているようだ。
曹操は徐栄に向かって言葉を紡ぐ。
「徐栄、何故、あの男が本気で戦わずに、華雄が本気で攻めないのか分かるか?」
徐栄が答える。
「分かりません、華雄は全力を出しているように見えます」
俺の行動に疑問を抱いたのか華雄はすぐに攻撃してきた。
俺もそれを避けて今度は俺の方から攻撃した。俺の攻撃は華雄の剣に防がれてしまった。しかし、それでよかったのだ。なぜなら俺の狙いは最初から華雄を倒すことではないのだから。俺は華雄の攻撃をかわしてすぐに距離をとった。
それを見た華雄が言ってくる。
「どうした?まさかお前も俺には勝てないと判断したか?」
俺は何も言わずにその場から離れた。
俺が距離をおいたのを確認した後、俺は詠唱を始めた。俺の武器に雷を纏わせるための呪文だ。詠唱が終わると俺の剣は凄まじい光を放った。そして、俺は一気に加速し剣を振るった。すると剣が纏っていた電撃により雷属性が付与された。そして、俺はそのまま攻撃をした。すると、今までとは比べものにならないほどの衝撃が伝わってくる。それに驚いたのは華雄も同じようで剣を盾代わりにしなんとか受け止めようとしていた。しかし、耐え切れなったようだ。俺はすかさず次の攻撃を仕掛けようとしたその時だった。
俺の後ろに何者かが現れた。俺が振り向くとそこには一人の男が立っていた。
その男は曹操軍の人間だった。
曹操軍の一人が言う。
「貴様ら!何をしておるか!!」
その言葉を聞いた呂布は慌てていた。
「えっ!あれ!?曹操軍は味方じゃなかったのか?」
と慌てると、もう一人の男が現れて言った。
「いえ、この者達が敵であると言う証拠が見つかりましたので始末しようと思いまして」
「そうだったのか、良かった」
そう言った瞬間、二人の男が呂布と張遼に向かって襲いかかってきた。
そして、激しい戦闘が開始した。呂布は張遼と一緒にその二人と戦っている。張遼はかなり苦戦している様子だ。それに対して呂布はというと全くといっていいほど相手にしていなかった。それどころか相手の動きを目で追うことすら出来ていなかった。俺が呂布の強さに驚いていた時、張遼が言う。
「あんた強いんだな」
俺が答える。
「ありがとう。だけどお前も強いと思うぞ」
張遼は照れ臭そうな顔をした後、続けて話す。
「だけど俺は兄上より強くならなければならない」
張遼の話を聞き呂布は張遼の兄の事を思っていた。
(どんな人物なのだろうか)
と思いつつ、俺達はまだ戦闘を続けていた。呂布達は今にも曹操軍に殺されそうになるところだった。しかしそこに劉備達が助けに来たのだった。張飛と関羽の圧倒的な力で曹操兵を倒していく。しかし、曹操も負けてはいない。すぐに体勢を立て直す。そして、呂布は思う。
(これはもうダメかもしれない)
そう思っている中、曹操が急に大声を出す。
「撤退だぁああ!!」
曹操の突然の言葉に対して俺を含めたほとんどの者が戸惑っていたが曹操が張飛に向かって言う。
「早くしろ!こいつが殺られたいんか!!」
張飛は焦りながらも答える。
「分かった」
そう言って張飛は俺の首元を狙ってきた。
その瞬間だった。俺は華雄に蹴り飛ばされていた。張飛の攻撃は当たらなかったが俺は助かったのだった。華雄は張飛に向かって話しかける。
「お前、名前は?」
張飛が答える。
「俺は張飛」
華雄は微笑みながら答える。
「覚えておくよ」
その言葉を聞いて張飛は嬉しそうにしていた。
俺が倒れているところに詠唱の声が聞こえてきた。
「炎熱波(フレイム・ウェーブ)」
その言葉の後、呂布達の回りに炎の柱が立った。それはまさに灼熱地獄のような光景であった。そして呂布は詠唱を唱えた主を見た。
そこには一人の女が立っていた。それは、董卓四天王の一人、徐栄であった。呂布はその姿を見てすぐに起き上がり、剣を構える。
俺も同じように起き上がって武器を構えた。俺達が起き上がったのを見て徐栄も武器を構え始めた。俺は呂布に聞く。
「呂布、お前はこの女の事を知っているか?」
すると呂布は答える。
「ああっ……この人は……」
呂布が何かを言い終わる前に徐栄が呂布の顔面を殴って吹き飛ばした。俺は呂布に急いで駆け寄るが遅かったようだ。俺がすぐに詠唱を始めようとしたときだった。後ろから誰かが来る気配を感じた。
俺はすぐに振り返るとそこには一人の男がいた。そいつの名前は李儒、漢の丞相にして大魔王である董卓の側近だ。俺は李儒を見るなり剣を抜いた。それに対して呂布を殴った張本人である徐栄も俺と同じことをしたようだ。俺と徐栄は同じタイミングで斬りかかるがお互いの剣によって弾かれてしまった。そこで李儒が口を開く。
「そこまでにしておけ、私は争いごとが好きではないのだ」
俺と徐栄は同時に答える。
「ふざけるな!」
そう言いながら俺と徐栄はもう一度攻撃をしようとすると、今度は別の奴が来た。俺は攻撃を止め後ろに下がると俺の横に華雄が来ていた。そして、呂布は詠唱を始めたが詠唱が終わるとすぐに魔法陣が現れた。詠唱を終えた呂布は魔法陣の中に入り姿を消した。そして詠唱をした張本人はと言うと、先程までの表情とは違いかなり動揺しているように見えた。
それを見た俺と華雄はすぐに行動を開始した。
まず、華雄が攻撃を仕掛けるが、それを防がれてしまう。次に俺が攻撃すると防がれることはなかったのだが、相手もかなりの強者なのでダメージを与えられていない。華雄が攻撃するとまた防がれ、俺が攻撃をすると相手が防ぐ。この繰り返しが続いていたが俺はあることに気が付いた。
それは相手の隙だ。相手の攻撃を防ぐ時に必ず大きな隙が出来ている事に俺は気が付き、俺はそこに攻撃をすると相手の肩を少しだが切り落とすことが出来た。しかし俺はすぐに後退して距離をとった。
その行動を見ていた李儒が言ってくる。
「ほう、貴様、ただの雑魚ではないようだな」
俺は何も答えず構えたまま様子を見ていたが相手の方から攻撃を仕掛けて来た。しかし、動きが遅いので俺には簡単に避ける事が出来た。しかし、それでも反撃はしなかった。なぜなら相手のペースに乗せられないためだ。
そんな事を思っていたらいきなり徐栄と俺達の戦いに割って入って来た人物がいた。
それは曹操軍の夏侯惇と曹仁だ。そして、その二人と一緒に曹操軍の幹部と思われる武将が二人現れた。
俺は思った。
(ヤバイ!!)
と、そして、さらに最悪なことが起きた。曹操軍の幹部と思われる武将が三人増えたのだ。その三人目の男は見た感じかなりの高齢で杖をついていた。そして、俺がその男を見ると目が合い、男が話しかけてくる。
「ほっほー、なかなかやるのぅ、おぬしは誰じゃ?」
俺は質問に答えなかった。と言うより答える暇がなかったと言った方がいいだろう。曹操軍の幹部らしき連中が全員襲いかかってきたからだ。俺と華雄はそれぞれ別方向に逃げた。
逃げる最中、華雄の叫び声が聞こえた。しかし、俺は助けに行くことが出来なかった。何故なら俺にも襲いかかってきたからである。その老人が俺に問いかけてきた。
「わしと戦わんか?若造」
と、俺も同じように言う。
「嫌に決まってんだろ」
そして、戦いが始まったが実力差は圧倒的だった。しかし、老人は俺に言った。
「やはり強いのう、お主は。名を何という?」
俺は答える。
「お前が先に名乗れ」
その言葉を待っていたかのように答える。
「ワシの名は華雄は孟徳に問う。この若者は何者かと。
それに対して孟徳は言う。
「こいつは私達の味方ですよ」
それに対し華雄は言う。
「こいつが敵じゃないだと?」
華雄は俺を指差しながら言う。
それに対して曹操は言う。
「はい、こいつが呂布将軍を助けたんですよ」
華雄は俺を見ながら曹操に聞いた。
「呂布を助けてくれたことに関しては礼を言うがお前はいったい誰なんだ?」
俺は華雄に向かって話す。
「お前、俺の事を知らないのか!?」
華雄は首を縦に振りながら答える。
「知らん」
それに対して俺が説明を始める。
「俺の名前は高平 零次だ」
華雄は驚きながら俺に聞いてくる。
「まさか、貴様があの伝説の勇者なのか!!」
それに対して俺は答える。
「違う」
俺の言葉に曹操と徐栄、それに夏侯惇達は驚いた顔をしていたが、すぐに元に戻った。そして、華雄が続けて話しかけてきた。
俺に向かって。
華雄と会話する
その1に続く
その1を帰属展開する
アーキテクトON
華雄と曹操の会話。俺は華雄に向かって話し始めた。
俺が華雄に対して言う。
「お前、俺の事を知らないのか?」
すると華雄も俺に言う。
「貴様が伝説の勇者か!」
俺は即座に訂正する。
「だから俺は勇者なんかじゃねぇよ。ってかそもそも伝説とか勇者ってなんだよ?」
俺は疑問を投げかけた。
質問系のテクスチャを構築
主人公呂布奉先が『俺』を使って会話を実行するプログラムを開始する。
再起動
俺は華雄と曹操に質問を投げてみた。俺の発言を聞いた二人は同時に驚く。その二人の顔を見てさらに俺が言う。
「おい、二人ともなんで驚いているんだ?」
俺がそう聞くと華雄が口を開く。
「お前は本当に知らないようだな」
俺はその言葉の意味が理解出来なかったので聞き返す。
「どういう意味だ?教えてくれないか?」
華雄に質問した。しかし、華雄は何も言わずに俺に攻撃を仕掛けて来た。それを見ていた曹操と徐栄、それと夏侯惇が武器を構え始めた。その光景を見た俺は華雄の攻撃を避ける事に集中することにした。なぜなら曹操と徐栄の二人はかなり強そうで、夏侯惇もかなりの強さだと感じたからだった。しかし、俺の心配は必要無かったようだ。
洛陽に全員で向かうというシステムプログラムを実施した。
再起動。
「どうだろう?曹操、華雄皆の者このまま全員で洛陽に行くというのは」
それを聞いた曹操は徐栄に言う。
「私は反対です。この者が我々と共に行動するとは思えません」
徐栄が言う。
「確かにそうかもしれんな」
曹操は考え込みながら俺を見る。すると華雄が言う。
「俺もこの男が仲間になるとは思えない」
曹操が俺に言う。
「では、こうしようではないか、今から私達が貴様に模擬戦を挑む、貴様はそれに勝ったら我々の軍に入れ、もし負けた場合は貴様は我らの仲間だ。それでいいか?」
俺は即答する。
「あぁ、問題ない」
それを聞いて徐栄は曹操に問いかける。
「曹操、本気で戦うつもりですか?」
曹操は徐栄に言う。
「本気を出すわけ無いだろ。あくまで腕試しだ」
俺は曹操に提案をする。
「場所を変えた方がいいと思うんだが?」
曹操は俺の提案を受け入れてくれるようだ。
「それもそうだな、お前達は着いて来い」
俺と華雄は曹操について行った。曹操と徐栄、それに曹操軍の他の武将達もそれに続いて歩いていた。しばらく歩き目的地に着いた。そこは洛陽の中でも有名な店だった。俺の予想だが恐らく曹操はここで宴会を開きたいのだろう。俺は曹操に質問をしてみる。
俺が曹操に質問をした。
「曹操さん、この店で宴でも開くのか?」
曹操が答える。
「その通りだ、私の知り合いが経営している店なので貸切りにしても大丈夫だと思うぞ」
俺は続けて曹操に質問する。
「華雄はどうするつもりなんだ?」
華雄は少し考えるそぶりを見せながら言う。
「俺も貴様と戦ってもいいが……」
曹操は言う。
「いや、こいつはお前と戦いたがっているみたいだから戦わせてやるといい。その代わり、私が相手してやってもよいがどうか?」
俺は言う。
「遠慮しておく」
華雄が言う。
「何故、断る?」
俺が華雄に答える。
「あんたは強い、だからこそ全力を出して戦いたいんだ」
曹操は微笑みながら言う。
「ふっ……面白い男だ」
そして、華雄はと言うと、納得していた。
(まぁ、華雄も馬鹿ではない。実力差くらいわかるか)
曹操は言う。
「決まりだな。貴様らの戦いは私と華雄が観戦させてもらう事にするが、よいな?」
それに対して徐栄は反論しようとしたが曹操に止められていた。そんな事を考えている間に準備が終わったようで全員が店の中に入っていく。俺は店内を見渡す。
そして、店の外には大勢の観客が押し寄せている。
俺達は店の中で戦いを始めることにしたのだが、その店の中には既に多くの酒と料理が用意されていた。俺は疑問に思ったので曹操に聞いてみた。
俺が曹操に質問をする。
「これはどういうことだ?」
曹操は俺の疑問に答えてくれた。
「貴様らの勝敗で宴を始めるという事だよ」
華雄が答える。
「曹操は貴様らが負けるとは思ってもいないようだが、まぁせいぜい頑張る事だな」
曹操が言う。
「徐栄は呂布を応援してくれればいいよ。私はこの若造をボコって華雄の鼻を明かしてやりたいからね」
曹操と華雄の言葉を聞いて俺はある事を考えていた。それは俺がこの世界の人間でないからこそできる事だとも言えたが、今は目の前のことに集中すべきだと思い、余計な事を考えるのをやめることにした。そして、俺は華雄に向かって言う。
「始めるか?」
俺の言葉に対して華雄が答える。
「いつでもかかってくるがいい」
俺は武器を構える華雄に言った。
俺が華雄に話しかける。
その2に続く
その2を帰属展開する
アーキテクトON
華雄と会話 その1の続きを開始
再起動
俺は華雄に向かって言葉をかけた。
「お前が攻撃してくるまで俺は攻撃をしない。安心しろ俺はお前の攻撃を避けるだけだ」俺が華雄に対して挑発を行った。華雄が怒りの表情で叫ぶ。
「ふざけやがって!!」
その言葉を聞いた俺は曹操に合図を送った。それを見た曹操は開始の宣言を行う。その声と共に俺は戦闘を開始した。
俺は華雄に言葉をかける。
「さぁ、来い」
俺のその言葉を聞いた華雄は、すぐに俺に襲いかかってきた。しかし、俺が華雄の攻撃を避け始めたので華雄は驚いたようだ。俺は華雄の攻撃を避け続けた。華雄の攻撃は一撃で終わらせるような物では無く、何度も俺を攻撃した。しかし、俺に当たる事は無かった。その様子を見ていた曹操は徐栄に向かって言う。
「徐栄、あの男の実力が分かったか?」
徐栄は答える。
「いえ、まだです。華雄があそこまで簡単にあしらわれているのは初めて見ました」
徐栄がそう言うと、今度は曹操が徐栄に問いかける。
徐栄は曹操の言葉に返事をしながら考えていたのだ。
華雄は確かに強い、しかし、それと同じくらいに呂布も強かったはずだと……。徐栄はそう考えながら華雄の動きを観察した。華雄の攻撃は決して速くは無い、むしろ遅すぎるぐらいだった。それにも関わらず、呂布は華雄の攻撃を全て避けていた。
(何故、あんなにも容易く避けられる?)
そして、曹操と徐栄はその答えにたどり着く。それは華雄が本気で戦っていないからだと。しかし、それならば何故本気で戦わないのか?それが不思議に感じられた徐栄は曹操に聞くことにした。
俺に攻撃を仕掛け続ける華雄だが、俺にダメージを与える事は出来ていない。
俺も攻撃を行おうとしたが、曹操と徐栄に見られている以上迂闊に動く事が出来なかったので華雄の攻撃を避けては避けるだけだった。曹操達は二人の戦いを見ながら話をしているようだ。
曹操は徐栄に向かって言葉を紡ぐ。
「徐栄、何故、あの男が本気で戦わずに、華雄が本気で攻めないのか分かるか?」
徐栄が答える。
「分かりません、華雄は全力を出しているように見えます」
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