三国志英雄伝~呂布奉先伝説

みなと劉

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79話

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呂布は嬉しさのあまり泣いていた。
俺が見た限り、呂布がここまで感情を表に出しているのは初めてかもしれない。それほどまでに劉備の言葉は呂布の心を打ったのだろう。
その後、俺たちは曹操の身柄を捕らえている場所へと向かうことにした。
曹操の元へ向かう途中、俺たちは徐州軍とすれ違うことになった。
曹操軍が降伏したことにより、徐州軍は解放されたのだ。
解放されると同時に、徐州軍は俺たちに向かって攻撃を仕掛けてきた。
徐州軍の兵士たちは俺たちを敵と見なし、攻撃してきたのだ。
俺たちが迎撃しようとした時、劉備が兵士に向かって叫んだ。
「やめなさい!私たちは敵ではありません!呂布将軍は私たちの仲間です!」
劉備は兵士たちに向かって必死に訴えかけた。
その姿を見て、徐州軍の兵士たちは攻撃を止めた。
徐州軍は俺たちを敵として認識していた。だから俺たちを殺そうとしたんだ。だけど、俺たちが味方であることを知った今、彼らは戦う意志をなくしていた。兵士たちは俺たちに向かって謝罪してきた。
「すみませんでした!敵だと思い込んでしまって」
「申し訳ありませんでした!」
徐州軍の兵たちは謝り続けるが、劉備は笑顔で答える。
「いえいえ、気にしないでください。それよりもあなたたちが無事で良かった」
劉備の言葉を聞き、徐州の兵たちも安心していた。
こうして、徐州軍との戦いは終わった。
曹操を捕えるために向かったのだが、劉備と出会ったことで戦いを止めることが出来た。
結果として徐州軍と戦わずに済んだんだから、これでよかったんだろうな。
俺たちは呂布と別れ、徐州城へと戻った。
徐州城内へ入ると、そこには徐州軍の兵が大勢待ち構えていた。
徐州軍の兵士は俺たちの姿を見ると、武器を構えて臨戦態勢に入っていた。そして、その中から一人の武将が現れた。
武将は関羽であった。
「よく戻られた、劉備殿。ご無事なようで安心しました」
劉備は嬉しそうな顔をしている。
「はい、ご心配をおかけして申し訳ありませんでした」
劉備の言葉を聞くと、関羽は首を横に振った。
「いいえ、謝る必要などありませんよ。あなたの行動は人として当然のことなのですから。むしろ、お礼を言いたいところですよ。あなたの行動によって、我々は救われたのですから」
劉備の行動によって徐州の民の命が守られ、徐州の平和が保たれたんだ。
劉備の行動は正しかったと言えるのだから、感謝されてもおかしくないよな。
すると、劉備の後ろにいる俺の存在に気付いたのか、関羽はこちらに視線を向けた。
「ところで劉備殿、後ろにいらっしゃるのはどなたなのですか?」
関羽は俺のことが気になったみたいだ。
すると、劉備は俺を紹介し始めた。
「彼は呂布将軍の息子さんですよ。名前は曹豹と言います。今は私の客将となってくれています」
劉備の紹介を受け、俺は挨拶をした。
そして魔法の訓練を任された。たしかに俺は魔法の使い手だから手ほどきを受けたいというのはわかるのだ。でも、何故俺なのか?他にも適任者は沢山いるはずなのに……。
劉備に聞いてみると、どうやら俺が一番魔法に詳しいと思ったらしい。それで俺が選ばれたというわけか。
納得したところで、俺は早速手ほどきを始めることにした。
まず初めに、魔力の流れを感じることから始める。
これは俺の父さんから教わったことだ。父さんは言っていた。
どこまでこのもの達が出来るようになるそれも気になる。とりあえず、一通りやってみるか。
俺が手を差し出すと、劉備は俺の手を握った。
劉備は目を閉じながら集中しているが、特に何も起きていないようだ……。
しばらく沈黙が流れるが、劉備は目を開けると口を開いた。
「うーん、全然わかりませんね……。何か感じることはありませんか?」
感じていることをそのまま伝えることにした。
正直言って、俺もよくわからないからだ。
俺がそう言うと、劉備は少しガッカリした様子だった。
俺が不甲斐ないばかりに申し訳ないことをしてしまったな……と思いつつ、もう一度チャレンジすることにする。
今度はもう少し具体的に説明することにした。俺の手を握る劉備の手は柔らかく、温かかった。
俺がそう言うと、劉備は慌てて手を離した。
「そ、そんなこと言われても恥ずかしくて出来るわけないじゃないですか!もう!」
劉備は頬を赤らめている。
俺が悪いことをしたみたいだ。
劉備の反応を見る限り、女の子みたいなことを言うべきじゃなかったかな……?
あら方を教えあとは各々訓練するようにいい俺は会議に出る。今回の議題は食料問題についてだ。
最近、食糧が不足し始めている。
このままではいずれ暴動が起きる可能性もある。
なんとかしなければと思っていたところに、関羽が話し始めた。
「食料問題に関しては、我々に任せてもらえないだろうか」
自信ありげに話す関羽を見て、曹操が問いかける。
「それはどういうことかね?詳しく聞かせてくれないか?」
関羽は曹操に向かって答えた。
「我々の土地には豊富な作物がある。それを栽培すれば、十分な量の食べ物を確保できるはずだ」
それを聞いた曹操は感心しながら言った。
「ほう、それは素晴らしい考えだ。是非ともお願いしたいものだ」
曹操の言葉を聞いた関羽は、続けて話す。
「だが、ただ収穫しても意味はない。より効率良く、多くの量を手に入れる方法を考えなければ……」
開拓されていない土地の開拓案もでた。また、新しく村を作る計画もあるようだ。
その村は、劉備の理想郷である桃源郷のような場所がいいだろう。
とにかく、村の計画は順調に進んでいるように思える。
しかし、まだ大きな問題が残っている。
呂布の処遇についてだ。
呂布をこのまま解放してしまうと、呂布は兵を率いて反乱を起こす可能性がある。
そこで、俺には土地の開拓を当面は任せることに相成りました。その後、呂布は曹操の元へ送られ、監視されることが決まった。
呂布との会談を終えた後、劉備は関羽と一緒にいた。
関羽は劉備に話しかけた。
「劉備殿、曹操殿は恐ろしい男です」
劉備は関羽の言葉を聞き、不思議そうな顔をしている。
「どうしてそのようなことをいうのですか?」
関羽は劉備に向かって答える。
「あの男は他人を信用していない。自分の利益になることなら、どんな手段を使ってでも成し遂げようとするでしょう」
劉備は関羽の言葉を聞き、曹操への不信感を募らせた。
劉備と関羽が曹操と面会することが決まり、俺たちは曹操の元へと向かった。
曹操と会う前に、劉備と関羽は話し合いをしていた。その内容は曹操のことに関してだ。劉備は関羽に尋ねる。
「関羽殿は、どう思われますか?」
関羽は答える。
「私としては、彼の行動は正しいと思います。これから先、戦が起こる可能性は高い。その時のために、戦力は多い方がいい」
劉備は関羽の言葉を聞いて、複雑な気持ちを抱いていた。
しばらくして俺たちは曹操と面会した。
俺たちの目の前にいるのは、美しい女性であった。彼女は曹操の妻、曹嵩の娘である。
彼女の名前は曹仁。
曹操軍の武将であり、劉備と同じく武人としての実力も兼ね備えている。
見た目からして、とても優しそうだ。
そんな彼女が俺たちの前で、自己紹介を始めた。
「初めまして、私は曹仁と言います。以後お見知りおきを」
礼儀正しく、丁寧に挨拶をする。
そして、曹仁の口から衝撃的な言葉が出てきた。
「実は私たち夫婦の間には子供が出来ないのです。医者から子供が出来にくい体質だと診断を受けています」
それを聞いた劉備は驚き、思わず声を上げた。
「えっ!?」
曹仁の話によると、曹仁が結婚してから今日までの間に子供を授かることが出来なかったという。
「そんな……。一体どうしたら……」
劉備は動揺を隠せない。
その様子を見た曹仁は、劉備に向かって提案をした。
「あなたに一つだけ方法があります」
劉備は期待を込めて質問をした。
「どのような方法でしょう?」
曹仁は劉備に対してこう提案した。
劉備が子作りに協力してくれるというのだ。
劉備は大いに喜び、協力を申し出た。こうして、劉備と曹操の娘との婚姻関係が成立した。
劉備は曹操の娘と婚礼を挙げた。
俺は劉備と曹操の結婚を祝うため、宴会を開いた。
会場には多くの人が集まり、盛大に行われた。
劉備と曹操の娘はとても仲良さそうにしている。
宴が終わると、劉備は俺に話かけてきた。
「ありがとうございます。私のわがままを聞いてくれて」
俺は劉備に感謝された。
劉備は本当に嬉しかったのか、涙を流している。
俺は劉備に言った。
「劉備さん、俺はあなたのことを尊敬しています。だから、俺は劉備さんの手助けがしたい。劉備さんは俺にとって恩人なんです。このご恩は一生忘れません!」
劉備は俺の言葉を聞くと、泣きながら抱きついてきた。
「うわーん!」
劉備は俺に泣きながら感謝を伝えた。
劉備は俺のことを信頼してくれている。そのことが何よりも嬉しいと感じた。
劉備が俺の元にやってきて数日が経った。
今日は、劉備が客を招いている。
その客とは、袁紹だった。
袁紹は劉備が治める土地に興味を持ち、自ら足を運んだ。
袁紹は劉備が作る理想郷に興味を持っていた。
劉備は袁紹に語りかける。
「これはこれは、よくぞおいでくださいました。歓迎致しますよ」
劉備は笑顔で対応している。
一方の袁紹は、あまり機嫌が良くなさそうだ。
「劉備殿、いささか失礼ではないか?勝手に人の土地に上がり込むなど」
すると、劉備は平然とした態度で言う。
「何を言っているのですか?ここはもう貴方の土地ではありません。私たちの村ですよ」
それを聞いた袁紹は驚いた表情を見せる。
劉備はさらに続ける。
「それに、今は緊急事態です。私たちは、曹操の脅威にさらされています。今この時も、曹操は私たちの領土を奪い取ろうとしているでしょう」
劉備の言葉を聞いた袁紹は、さらに驚く。
まさか、ここまで追い詰められていることは知らなかったからだ。
劉備は続けて話す。
「だからこそ、お互い手を取り合わなければならないのです。共に助け合い、支え合う。それが、真の友というものです」
劉備の話を聞いた袁紹は、考えを改めることにした。
確かに、ここに来てすぐに劉備が言ったように、曹操軍は攻めてきた。もし、あのまま戦が続いていれば、確実に領土は奪われていたことだろう。
劉備は言った。
「曹操と話し合いの場を設けるべきです。曹操もこのままではいずれ限界を迎えるはず。そこで、私の提案なのですが……」
曹操に劉備と同盟を結ぶよう提案するよう劉備は提案した。
一方その頃、呂布と陳宮は曹操の城にいた。呂布と陳宮は曹操の部屋に呼ばれ、曹操は二人に話しかける。
「呂布将軍に陳宮殿。お呼びだてして申し訳ない。実は君たちに話があるんだ」
曹操の言葉を聞き、呂布は尋ねる。
「それはどのようなことでしょうか?」
それを聞いた曹操は答える。
「呂布将軍、あなたには劉備と会って欲しい」
呂布は驚きの声を上げる。
「えっ!?どうしてですか?」
曹操は呂布に向かって言う。
「君は劉備と面識があったはずだ。彼なら、君の力になってくれるかもしれない」
呂布は考えた末、了承することにした。
こうして、劉備と呂布は会うことになった。
俺たちは劉備と会うための準備をしている。
まずは、劉備の居場所を確認する必要がある。
俺は関羽に相談し、劉備の所在について調べてもらった。
しばらくして、関羽から報告が入った。
「劉備様の居所が判明しました。場所は徐州にある平原です」
関羽は俺たちに劉備の居る場所を伝えてくれた。
俺たちは曹操から貰った地図を頼りに、劉備の元へと向かった。そして、ついに劉備の元へたどり着いた。
劉備は俺たちを出迎えた。
劉備は俺たちを見て、少し驚いていた。
関羽は劉備に尋ねた。
「劉備殿、お久しぶりですね」
劉備は関羽に返事をする。
「そういえば、関羽さんに会ったのはいつ以来だったかな?すっかり忘れてしまっていたよ」
劉備は昔の記憶を辿っているようだ。
劉備は思い出すと、俺の方を向いて言った。
「あっ!あなたは確か……」
劉備は俺の顔を思い出したらしい。
俺は劉備に向かって挨拶をする。
「お初にお目にかかります。私は呂布奉先と言います」
劉備は俺の名前を聞いて、何かに気づいた様子だ。劉備は俺に向かって言った。
「ああ、あなたがあの有名な」
どうやら、劉備は俺のことを知っているようだ。
俺は劉備に質問をした。
「劉備さん、あなたに聞きたいことがあるのですが……」
劉備は俺に答えてくれる。
「なんでしょうか?」
俺は劉備に質問をした。
「あなたは、曹操と戦うつもりはないのですか?」
それを聞いた劉備は、俺に向かって言う。
「戦うつもりがないわけではないけど……、正直に言えば勝てる見込みはほとんどないと思っています」
俺は劉備の発言を聞いて、疑問を感じた。
「なぜですか?曹操が強敵だということは分かりました。しかし、それでも戦わない理由にはならないと思いますが」
それを聞いた劉備は、俺に説明してくれた。曹操には、恐るべき能力を持っているという。
その能力は、相手の思考を読み取ることが出来るというのだ。
劉備はその能力を危険視していた。
「曹操は恐ろしい人物です。おそらく彼は、私の心を読んでいるはずです」
それを聞いた俺と関羽たちは驚愕した。そんなことが可能なのか? 俺は劉備に確認する。
「それは本当なのですか?あなたの心を読めるというのは、あくまで仮定の話なんですよね?本当に曹操があなたの心を読むことが出来たとすれば、その力は脅威的です。もし、本当にあなたの考えていることが全て筒抜けになっていたとしたら、いくら策を考えようと無駄でしょう」
劉備は俺の言葉に反論した。
「いえ、私の考えは全て読まれていると考えてください」
劉備は自信を持って答える。
劉備のこの発言に、俺たちは困惑した。
劉備はさらに話を続ける。
「私が思うに、曹操は人の心を操る術に長けている。人の感情や行動を完全に制御することが出来るのではないかと思うんです」
劉備の言葉を聞いた俺たちは、再び驚かされた。
人の心や行動を完璧に操るなんて、人間業とは思えない。劉備はさらに続けた。
「曹操の本当の目的は、人の心を惑わし支配することにあるのではないでしょうか」
人の心を惑わすだと……。一体どういうことだ。
人の心を支配するということだけでも十分すぎるほど危険なのに、人の心を惑わして従わせることもできるのか……。
確かに、それならば曹操の能力についても納得できる。しかし、それではあまりにも理不尽過ぎる。人の心に干渉して、自分の思い通りに動かし、都合が悪くなれば切り捨てる。
こんなことが許されていいわけがない。
劉備の言葉を聞き、俺はある決意を固めた。
俺は劉備に向かって言った。
「劉備殿、これから曹操のところへ行きましょう」
それを聞いた劉備は驚いた表情を見せる。
「えっ!?まさか……」
劉備は不安そうな表情を見せる。
「はい、今すぐ曹操のところに行きます。曹操の野望を打ち砕くために」
曹操のしていることは間違っている。このまま放っておくことは出来ない。これ以上、曹操の好き勝手にはさせない。
劉備は俺に言った。
「私も連れて行ってくれないか?私も曹操を止める為に力になりたいんだ」
それを聞いた関羽は慌てて劉備に注意を促した。
「いけません!危険すぎます!」
それを聞いた劉備は関羽に言う。
「心配してくれてありがとう。でも大丈夫だ。それに、私にも守りたいものがあるんだ」
それを聞いた俺は劉備に尋ねた。
「劉備さん、一つ聞いてもいいですか?」
俺は劉備に尋ねた。
「はい、何でしょうか?」
劉備は俺に向かって言う。
「あなたには守りたいものはありますか?」
俺は劉備に質問をする。すると、劉備は自分の胸元に手を当てながら、こう答えた。
「私の命に代えてでも守らなければならないものがここにはある」
それを聞いた俺は劉備の覚悟に感動を覚えた。
そして、俺は劉備に言った。
「劉備さん、曹操のところに案内してもらえますか?」劉備は俺に向かって返事をした。
「わかりました。一緒に行きましょう」
こうして、俺と劉備は曹操の元へ向かうことになった。
俺たちは曹操の城へと向かっていた。
俺は劉備に尋ねた。
「ところで、どうして劉備さんはこの土地に住んでいるのですか?今は曹操と敵対しているのに」
それを聞いていた関羽と張飛が反応を示した。劉備は俺の問いに対して、真面目な顔で答えてくれた。
「実は、私は曹操の元から逃げ出してきたのです」
劉備は曹操の元から逃げ出したそうだ。その理由は、劉備が曹操の元から逃げ出さなければならなかった出来事があったからだと言う。
劉備は曹操の元で暮らしていたが、ある日突然、曹操から呼び出された。
そこで、劉備は曹操から命令を受けたらしい。
その内容は、俺を殺せというものだった。
俺は劉備に質問をした。
「何故、俺を殺すように命じられたのですか?」
劉備は俺に向かって言った。
「あなたが呂布奉先だからですよ」
俺は驚きを隠せなかった。俺が呂布だと知っているということは、やはり曹操は俺の心を読んでいたというのか……。
俺は劉備に質問をした。
「俺が呂布奉先だと知っていて、よく今まで無事だったですね」
それを聞いた劉備は俺に向かって説明してくれた。
曹操は呂布を恐れていた。呂布が自分の前に現れれば、必ず殺すように指示していたようだ。
だが、実際に呂布が現れた時は、曹操は呂布を見逃すことにした。
劉備に呂布の情報を聞くことで、呂布の動きを知ることが出来ると考えたのだ。しかし、呂布は予想以上の強さを持っていた。その為、曹操は劉備を利用して、呂布を倒す計画を立てたという。
劉備は曹操の命令で、俺の命を狙うふりをしていたのだ。
しかし、曹操は俺の強さを警戒して、劉備に俺を殺そうとする指示を出していただけで、実際には俺に手を出そうとはしなかった。
それどころか、曹操は劉備を使って俺に近づき、俺と接触する機会を作ろうとしていたようだ。
劉備と曹操の目的は同じだったということなのか。
劉備は曹操の行動に疑問を抱いていた。
曹操は人の心を操ることが出来る。劉備もそのことには気づいていたはずだ。
それでも、劉備は曹操に従った。それは何故か? 劉備は俺に説明した。
「曹操には恩がある。それに、彼は悪人ではない」
それを聞いた俺は、疑問を抱いた。
劉備は人の心を読む能力を持っている曹操のことを、悪者ではないと言い切った。
確かに、心を読む能力があれば恐ろしいかもしれない。それでも、人の心を操ることなんて出来るはずがない。
人の心を操るなんて、神の領域だ。そんなことが出来るはずがない。
俺には理解できなかった。
劉備は続けて話した。
「曹操は人の心を操ることは出来ないよ。曹操が出来るのは人の思考を読み取るだけだ」
俺は劉備の言葉を聞いて衝撃を受ける。
人の心を読むだけでは人の心を完全に操ることは出来ないというのか……。
劉備はさらに話を続けた。
「曹操は人の心を完全に操ることは出来ない。人を完全に操るには、人の心を完全に破壊する必要がある」
人の心を破壊する……。どういうことだ……。
俺には、劉備の言葉の意味がわからなかった。劉備はさらに話を続ける。
曹操は相手の心を読み取り、その人間の感情や行動を完全に制御することが出来る。
しかし、人の感情や行動を完全に制御することは、人の心を壊すことに繋がる。
感情や行動を完全に制御された人間は、自分自身の意思を失い、生きる屍になる。
つまり、操り人形のような状態になってしまう。
もし、そうなった場合、人は本当の意味で生きてはいないということになる。
人の心を完璧にコントロールすることで、曹操は人の心を完全な形で手に入れることができると考えている。
劉備はそう語った。
それを聞いた俺は、劉備が言ったことを頭の中で整理していた。
確かに、曹操が人の心を支配できるなら、感情や行動を完全に制御することだって可能だろう。
しかし、それでは意味が無いのではないか。
劉備の説明を聞いた俺は、一つの結論に達した。曹操が人の心を支配することは間違っている。俺は、曹操を止めることを決意した。
劉備は俺に向かって言った。
「曹操を止めよう」
俺は劉備に返事をした。
「はい」
俺は劉備に尋ねた。
「それで、これからどこに向かうのですか?」
劉備は俺に向かって返事をした。
「まずは曹操の居城に向かいます」
俺たちは曹操の城へと向かう。
しばらく歩くと、大きな城が見えてきた。あれが、曹操の城か。
俺と劉備は、曹操の城の入り口までやって来た。すると、見張りの兵士が立ち塞がる。
「止まれ!ここから先は立ち入り禁止だ!」
関羽と張飛も兵士の前に立ち塞がっていた。
関羽は兵士に向かって言った。
「我らの主に会いに来た!曹操様に取り次いでくれ!」
関羽は俺の方に振り返って言う。
「どうぞお入りください」
俺は劉備の方を見る。劉備は関羽たちと一緒に、城の中に入っていった。俺は城に入ろうとしたが、兵士が俺たちを引き止めた。
俺は兵士に尋ねる。
「何かあったんですか?」
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