三国志英雄伝~呂布奉先伝説

みなと劉

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38話

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「いや、そうではなくてな。以前会った時に、私は『お宅のご主人は大層な美女ですね』と言った事があるのだ。そうしたら、あいつは私に向かって矢を射かけてきてな。危うく命を落とすところだったよ」
「そりゃ、災難でしたねぇ」
呂布は苦笑しながら言うが、劉備と張飛は笑い事ではないとばかりに顔を青くしている。
「それで、曹操軍からは何かあったか?」
「いいえ、何も無かったですよ。私達の方からも何度か使者を送ったりしていたのですが、一度も返答はありませんでした」
「そうか。それなら、今のうちにこちらからも使いを出しておこう。劉備殿の件については、曹操軍も承知してくれたのだからな」
「はい、お願いします。ただ、曹操軍からの返事次第では、すぐにも行動しなければならないかもしれません」
劉備は緊張の面持ちで答える。
「そうならないように、俺達も全力で戦うつもりです。劉備殿はどうか、自分の思う通りに決断を下して下さい」
「ありがとうございます。……やっぱり、呂布将軍の所に来て良かったです」
劉備は微笑んで言う。
「俺の方こそ、劉備殿に出会えて良かったと思っています」
呂布は笑顔を返す。
「奉先、俺達はそろそろ行こうと思うんだが、劉備殿を送って行かないのか?」
「ん?送って行くって、どこへ?」
「決まってるじゃないか。劉備殿は徐州城に戻るんだろう?」
関羽の言葉に、呂布は首を傾げる。
「劉備殿は徐州城に戻られるんですよね?」
「え?あ、いえ、私は……」
「劉備殿はここに残ってくれる事になったんだ。これからは徐州城の太守として、この城を治めてくれるそうだ」
「何だと!?」
呂布が驚くと、張飛と関羽も驚いた顔になる。
「ちょっと待て奉先!お前が劉備殿を引き留めたんじゃないのか!?」
「引き止めたつもりは無いぞ。そもそも、俺はこの土地を離れる気はないからな」
「兄者はこの土地の人間ではないだろうが!」
「だが、俺がこの地に来た時からずっとこの土地にいたのは事実だ。それが、俺の運命だと思っている」
「何を言ってやがる!だいたい兄者はいつもそうだ!この土地に来る前から、この土地を気に入っていて、ここに住むと言い出したのは兄者だろうが!」
「そうだったかな?」
呂布は本気で忘れているらしく、腕を組んで考え込んでいる。
「そうですよ!劉備殿の話では、呂布将軍は劉備殿の事を知っていたみたいでしたけど、それはいつ頃の話なんですか?」
「確か、陳宮が荊州から戻って来た時くらいだったか?」
「そうです。私はその時、すでに呂布将軍の下で働いていましたから、将軍は最初から私の事を知っていましたよ」
「そんな訳無いでしょう!だって、呂布将軍は私が徐州にやってきた時にはもう、将軍になっていたんですから」
「それはおかしいな。俺が徐州に行った時は、まだ将軍ではなかったぞ。それに、その頃は呂布軍なんて名前もなかったし」
「そんな馬鹿な。そんなはずはありませんよ。呂布将軍が徐州に行って、すぐにも兵を集めていたのは私も見ていますから」
「じゃあ、やっぱり劉備殿の方が間違っているんじゃないですかね」
呂布と劉備の間で、お互いの認識の食い違いが起こる。
「……とりあえず、曹操軍が攻めてきた時にどうするか決めましょう。曹操軍はいつ頃来ますかね」
張飛は面倒くさくなったのか話題を変える。
「曹操軍はすぐ攻めてくると思いますよ。曹操軍は曹操の名声を利用しようとしています。その為には曹操の天下統一に少しでも早く近づく必要がありますから、曹操軍は一刻も早く動く必要があるんです。曹操軍の大軍が向かってきているのは間違いないんですから、早ければ明日、遅くとも数日中には来ると思います」
劉備は断言する。
曹操軍の将士であれば、曹操の天下統一の為に命を懸けるのは当然の事であり、曹操に命を捧げる事は名誉であるとされている。
その為、曹操軍の将士にとって曹操の命令は絶対であり、曹操の期待に応える為に命を惜しむ事は恥とされ、曹操の為ならば喜んで死地に飛び込む。
それは曹仁や夏侯惇など、多くの猛者が証明している。
「そうか。まぁ、こちらも準備をしておこう」
呂布は劉備にそう言ったものの、具体的にどう戦うかまでは考えてはいなかった。
おそらく、呂布軍と劉備軍を合わせても二千程度にしかならない。
それに対する曹操軍だが、その数は十万を軽く超えると言う。しかも、その中には精鋭の精強を誇る『常山』の趙子龍、『魏武』の大剣豪『張飛』、そして『神速』の名で知られる『関羽』もいる。
はっきり言えば、まともに戦えば勝てる相手ではない。
「……やはり、戦うしかないか」
「奉先?何か言ったか?」
「いや、何でもない」
呂布は独りごちたつもりだったのだが、劉備に聞かれてしまったらしい。
「劉備殿、曹操軍との戦いになったら、劉備殿は兵を率いて徐州城へ逃げてくれ。劉備殿が無事でいなければ、徐州城を守る事も出来ない」
「……奉先殿は?」
「俺は戦います。俺がここで曹操軍を防げば、曹操は必ず俺を狙ってくる。俺が奴を討ち取る最大の好機となるはずだ」
呂布は力強く言う。
「でも、奉先殿は以前、曹操と戦うのは嫌だと言っていたではありませんか」
「確かに言いました。ですが、今は状況が変わりました。曹操は劉備殿を欲しがっている。劉備殿がここにいる限り、曹操は徐州城を狙うでしょう。俺が守るべきは劉備殿の命であって、徐州城の民の安全じゃない。だから俺は戦います」
「奉先殿……」
劉備は悲痛な表情を浮かべるが、呂布は笑って見せる。
「大丈夫ですよ。俺だって死ぬつもりはありませんからね。だから、劉備殿は自分の身を一番に考えていて下さい。徐州城に戻って、兵を纏めて下さい。それが劉備殿に出来る最善策です」
「しかし……」
「劉備殿!」
呂布が強い口調で言うと、劉備はビクッとして口をつぐんだ。
「劉備殿は徐州城に戻り、守りを固めて下さい。関羽と張飛も、それで良いな?」
「私は奉先に従うだけです」
関羽が代表して答える。
「関羽殿も張飛殿も、劉備殿を守ってくれ。劉備殿が無事に徐州城に戻れるように」
「分かりました。兄者を必ず守ると誓います」
関羽が頭を下げる。
「俺達は兄者より強いんだから、兄者は自分で自分の身を守りやがれ」
張飛が不満そうに呟く。
「張飛、お前は俺達と一緒に来て曹操軍を迎え撃つ。いいな?」
「何で俺まで行かなきゃいけねぇんだよ!俺一人で十分だ!」
「お前一人だと、ろくに戦えないだろうが!」
「俺がいつ戦ったって言うんだよ!お前の方こそ、いつもいつも俺の事をバカにしてるじゃねえか!」
「お前はいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつもいつも、問題を起こしてばかりだろうが!」
「何だと!?」
「やるのか、この野郎!」
呂布は拳を振り上げるが、すぐに下ろす。
「とにかく、これは命令だ。従わないなら、今すぐ出て行け!この場から出て行って二度と戻って来るな!」
「うるせぇ!」
「分かったよ、もう!」
「ちょっと待ってくれ、二人とも」
劉備が慌てて止めに入る。
「ここは呂布将軍に任せようじゃないか。奉先は俺と違ってちゃんと将軍なんだからさ」
「劉備の兄貴は甘すぎるんですよ。こんな奴を将軍なんかにしたせいで、兄貴は大変な目に遭ったんじゃないですか」
「そんな事はないよ。呂布将軍は素晴らしい方だよ。私も何度も助けられたし、それに奉先もきっと曹操軍に勝てるよ」
劉備は笑顔を見せるが、張飛は納得いかない様子だった。
「奉先、私からもお願いします。私は奉先を信じていますから」
関羽が深々と頭を下げた。
「……奉先殿、本当に申し訳ない」
劉備も同じように頭を下げる。
「いえ、気にしないで下さい。俺が勝手に決めた事で、劉備殿には責任は無いんですから」
「いや、それでも私の軽率さが招いた事態でもあるんですから、私にも協力させて下さい」
「分かりました。では、よろしくお願いいたします」
呂布が頭を下げると、劉備はもう一度深く頭を下げる。
「(納得いかねぇ!今日こいつの部屋に行って文句言ってやる!)」
と張飛はその夜呂布の部屋に行く。そこで張飛が見たものは、丁度着替えをしていた
呂布奉先であった。
「…!?……いきなり入ってこないで!」
身体を隠す呂布に張飛は目を見開く。「え?あ、ああ、悪い。いや、あのな、俺はただ、その、文句を言いに来ただけなんだけど、まさかお前が女とは思わなかったから」
張飛は目を泳がせてしどろもどろになりながら言い訳をする。
「は?男だけど……一応」
「…………」
張飛は絶句する。
「とりあえず、出て行ってくれないか?」
呂布は顔を赤くしながら、そう言った。
「悪かった。俺の勘違いだった」
張飛は何故か出ていかずに近くによってくる
そして、手を掴まれる。
「……おい」
「いや、その、俺は別に悪く無いと思うぜ。うん、お前が悪い」
張飛の手が、呂布の胸に向かって伸びる。
呂布は張飛の手首を掴むと、そのまま捻り上げた。
「何をしようというんだ?張飛?」
「いてて」
「答えろ、張飛」
「お前の服を脱がしてやろうと思っただけだ」
「死ね」
呂布は張飛を蹴り飛ばすと、扉を閉めて鍵をかけた。
翌日、劉備が呂布軍に加わる事が決められた。曹操軍十万に対し、呂布軍は二千に満たない数だが、呂布は勝利を確信していた。
曹操軍の士気は高いが、それは曹操の天下統一の為に命を懸けていると言うよりは、曹操を神のように崇めて盲目的に曹操の為だけに戦う、一種の宗教である。それ故に、曹操の命令があればどんな非道な事も躊躇わず行う事が出来る反面、曹操に何かあれば簡単に崩壊する脆さを秘めている。
その為、曹操は絶対に負ける事が出来ない戦い以外は、必ず勝つ為の戦い方をしてきた。
今回もその例に漏れず、曹操は勝ち続ける為に呂布と決戦する事を避けてきたのだが、ついに直接対決を行う事になったのだ。
曹操軍の動きは早く、その日のうちに徐州城に向けて進軍を開始した。
徐州城を守る兵の数は、五千ほどしかない。
これは徐州城が攻められやすい位置にあった上に、城を守っていた陶謙が徐州城を放棄して逃げ出したため、徐州城の守備を任された者がほとんどいなかったからである。
徐州城守備を任されていた陳珪と、徐州城攻略部隊を指揮していた曹性は曹操軍を迎え撃つべく徐州城を出て布陣した。
呂布軍と劉備軍も曹操軍に呼応し、徐州城の南方に布陣している。
徐州城から出撃した呂布軍に対して、曹操軍からは夏侯惇と夏侯淵が出陣してくる。
「将軍、敵は少数です。恐れる必要はありません。一気に叩き潰しましょう」
と、曹操軍の武将の一人が言う。
「いや、この程度で怖気づくような奴は我が軍にはいないだろう。むしろ油断して痛い目にあうのはこちらの方だ」
「しかし……」
「それに、呂布軍には呂布がいる。あれを侮るな。噂によれば、あの男は一人で一軍に匹敵するとか」
「まさか、そんなはずは」
「実際に戦った私が言うのだ。間違いは無い」
「そうですか……」
武将達は渋々引き下がる。
「孟徳、大丈夫なのか?」
曹操の隣にいる男、曹操の軍師であり親友でもある荀イクが尋ねる。
「問題は無い。呂布奉先など、恐るに足らん」
「確かに奉先は強い。だが、奴は所詮一人だ。呂布奉先がどれほど強かろうと、一騎打ちで全てが決まるわけではない。それに奴は、劉備を手放してしまった。劉備さえいればどうとでもなる」
「そうだな。劉備さえいれば、な」
曹操と荀イクはニヤリと笑う。
「孟徳、お前は本気で劉備を手に入れようとしているのか?」
「当然であろう」
「本気だとしたら、お前は恐ろしい奴だよ」
「私はお前と違って、嘘はつかないからな」
「……」
曹操の言葉を聞いて、荀イクは黙って俯く。
「どうした?私に惚れ直したのか?」
「ふざけた事を抜かすな。お前は相変わらず人の心が分からんようだな」
「分かっているさ。だから、こうしてお前に協力しているというのに」
「協力?」
「お前が劉備を手に入れたら、私にも分け前を分けてくれる約束ではないか」
「馬鹿め。お前に分け与えるものは何も無い」
「またまた、冗談ばかり」
「私は至極真面目に言っているぞ」
「そうか……残念だ」
曹操と荀イクが睨み合っていると、夏侯惇が声を上げる。
「来たな、呂布奉先!」
夏侯惇は呂布に向かって矢を放つ。
その数は数百。呂布はそれに対して弓を構える事も無く、剣を振るうだけで全ての矢を打ち落とす。
「おおっ!」
呂布が見せたその超人的な動きに、曹操軍の兵士達は歓声をあげる。
「やはり出たな、呂布奉先!」
今度は夏侯淵が呂布に槍を向ける。
「奉先殿!」
関羽の声が聞こえると、呂布はそちらに顔を向けた。
「お任せ下さい!」
呂布はそう言って、関羽に背中を見せる。
「行くぞ!」
張飛は大声で叫びながら呂布に向かっていく。
それを合図にしたかのように、曹操軍の兵士が一斉に呂布に向かって押し寄せてくる。
張飛は呂布の目の前まで来ると、大きく振りかぶった戟を振り下ろす。
呂布はその一撃を受け止めると、そのまま力一杯押し返す。
「ぐぅ」
張飛の身体は宙を舞い、そのまま地面に激突する。
「張飛!貴様ぁ!」
関羽が呂布に向かって突撃する。
「邪魔をするなら、容赦はしない」
呂布は静かに言うと、剣を横に薙ぎ払う。
関羽は間合いを見切り、一歩下がって回避すると呂布の脇腹目掛けて剣を突き出す。
呂布はそれも軽くかわすと、そのままの勢いを利用して横殴りの蹴りを入れる。関羽はそれを左腕で受けるが、呂布の蹴りは重く、そのまま吹き飛ばされてしまう。
「呂布てめぇ!」
起き上がった張飛が呂布に襲いかかるが、呂布は難なく受け止めるとそのまま投げ飛ばす。
「てめえ!」
張飛は再び呂布に飛びかかるが、呂布に掴まれて身動きが取れなくなる。
「離しやがれ!」
張飛は呂布の腕に噛み付くが、呂布は平然としたまま、逆に腕に力を込める。「痛いか?」
呂布はそう言いながら、さらに強く握る。
「がああああっ!」
あまりの強さに、張飛は悲鳴を上げていた。
「痛いだろう?それが生きているという証だ」
呂布はそのまま張飛を投げ飛ばすと、曹操軍の兵士に向き合う。
「来いよ」
呂布がそう言うと、曹操軍兵士は呂布を取り囲む。
呂布に近づこうとした者は、一瞬にして斬り捨てられていた。
「やれやれ、困ったものですね。皆さん、お願いします」
曹操軍の中から一人の男が出てきて、呂布軍に向かって呼びかける。
「あれは……」
曹操軍の武将の一人が呟く。
「呂布将軍、ここは我々に任せてもらいましょう」
「あんたか」
呂布は、男を見て言う。
「はい。曹性です」
曹性と名乗った男は、曹操軍の武将の中でも一際目立つ存在だった。
曹性は長身痩躯の優しげな風貌の男で、その外見からは想像も出来ないほどの武勇の持ち主である事は有名であった。「曹性殿は、確か曹操様に気に入られているとか」
「そんな事はありませんよ。ただ、将軍には借りがありましてね」
「借り?」
「以前、私の主人が将軍に助けられた事があるんですよ」
「そう言えば、徐州城を守っていた時、そんな事もあったな」
呂布は思い出す。
その時も、曹操軍は呂布に挑んできたのだが、呂布はことごとく撃退していた。
「それで、今回呂布将軍の手助けをしろと命じられたのです」
「それは助かる。俺一人じゃ手に余るんでな」
呂布はそう言って、剣を構える。
「では、参りますか」
曹性の合図で、呂布軍の精鋭部隊が呂布の前に出る。
「さすがは曹家、と言ったところか」
曹操軍の精鋭部隊は、その数およそ二千。
対する呂布軍と曹操軍の間には、まだかなりの距離がある。
だが、呂布軍が動く前に曹操軍の方が先に動いた。
曹操軍は一斉に矢を放つと、それと同時に呂布軍に突っ込んでくる。
「うぉおおお!」
雄叫びをあげながら、呂布軍の兵士達が曹操軍の大軍にぶつかっていく。
「さて、こちらはこちらの仕事をこなしましょう」
曹性がそう言って指笛を吹くと、一頭の白馬が姿を現す。
「あの馬は?」
関羽が尋ねると、曹性は答える。
「私自慢の駿馬ですよ。まあ、名前はまだ無いんですけど」
「名前は?」
「ああ、えっと……そう、『雲』と言うのはどうでしょう?」
「いい名だな」
「ありがとうございます」
曹性と関羽は、それぞれその白馬にまたがる。
呂布はその光景を黙って見ていた。
「どうした?行かないのか?」
曹操が呂布に尋ねる。
「俺はこの程度の戦いに大将が出る必要はない。ここで曹操軍を蹴散らしておく事も重要ではあるが、それより今は曹操の首を獲る事の方が優先される。曹操を討ち取った後は劉備殿を迎えに行くとしよう。だから曹操は、あなた達が相手してくれないか?」
呂布はそう言って、曹操に頭を下げる。
「ふむ、私は構わないが……孟徳、良いかな?」
荀イクは曹操に問いかける。
曹操は何も言わず、荀イクに全てを任せる、といった表情をしていた。
「曹操殿、ここはお任せ下さい」
夏侯惇がそう言って曹操を守るように前に出る。
夏侯淵や許緒、典韋達もその後ろに続く。
「呂布奉先!勝負だ!」
夏侯淵は呂布に向かって矢を放つ。
それとほぼ同時に、夏侯淵の部隊から曹操軍の兵士の塊が飛び出てくる。
夏侯淵と曹操軍の武将が放つ無数の矢が、呂布に向かって降り注ぐ。さらに夏侯淵の部下が呂布に突撃する。
しかし、呂布はそれに対してまったく焦りを見せない。
ただ静かに目を閉じて、呼吸を整えるだけで、その場を動かなかった。
呂布の眉間に夏侯淵の放った矢が命中するが、まるでそこに何も無かったかのように矢は通り抜けていく。
さらに一本の矢が頬をかすめるが、それも何事もなかったかのようにそのまま素通りする。
呂布はその矢を避けるでもなく、防ぐでも無く、あえて受けてみせたのだ。
「化け物め!」
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