三国志英雄伝~呂布奉先伝説

みなと劉

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29話

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妻から劉備の元へ急使を送り、張遼の家族が劉備の元にいると伝える事にした。張遼が曹操に捕らえられてから既に三日になる。曹操軍の本隊が合流してくれば、いよいよ曹操軍も本気で徐州攻略に乗り出すだろう。そうなると徐州の防衛にも限界がある。
呂布軍も防衛には協力しているが、さすがの呂布軍でも徐州全軍を相手にするには戦力不足だ。もし曹操軍が徐州に攻め込む事になれば、おそらく張遼の妻達は殺されてしまう可能性が高い。陳宮が言う様に陳宮の知恵が戻って来てくれるなら話は早いのだが、まだ戻らない。徐州の現状を考えると一刻を争う事態であり、呂布は急いで徐州へ戻る必要がある。
呂布の妻達からは張遼の妻達に関する情報は得られたものの、肝心要の人物についての情報は得られなかった。ただ、張遼の妻の一人でもある燕姫は劉備に気に入られていたらしく、呂布の妻達は何かあれば必ず劉備を頼ってほしいと言われた。
張遼の妻達が無事に劉備の元にいる事が分かっただけでも良かったのだが、さすがの呂布もこれで安心できる訳ではない。
「呂布将軍、よろしいですか?」
徐州へ向けて移動中の呂布軍を、一騎のみ先行して呂布のもとへ来た者がいた。
陳宮と高順は露骨に不満そうな表情を浮かべたが、呂布は笑顔で迎え入れる。
やって来たのは張遼の妻達を保護してくれた漢人武将、馬騰だった。
呂布の妻達に説明した時と違い、その口調はかなり丁寧なものになっている。それだけでは無い。張遼とその妻が劉備の元にいる事も、呂布の妻達に言った時よりも詳しく説明している。
「呂布殿には色々とお世話になったにも関わらず、このような形になってしまい申し訳ありません」
馬騰はまずそう切り出した。
今回の件、曹操が関わっているだけに、その勢力拡大に協力していた呂布は敵視されてもおかしくないはずなのだが、そんな素振りはまったく見せない。
また、張遼の事だけでなくその家族についてもよく調べており、その上で呂布に対して敵意が無いことを伝えている。
呂布が知る限りでも、この男程出来た人物は曹操軍の中にはいないはずだ。
「張遼将軍の妻子についてはご心配なさらず。私が責任を持って護衛させていただきます」
「感謝します。この御恩はいずれまた、我が妻と子に会っていただけた時に改めて」
呂布はそう言って、頭を下げる。
呂布にとって張遼の妻の安否確認が出来たのは喜ばしい事ではあるのだが、だからと言って徐州への帰還が遅くなるわけではない。
その呂布の妻達に対する態度が気に入らない陳宮は、相変わらず不満そうだ。
「では、急ぎ徐州へ向かわねばなりませんので」
「それなのですが、少々困った問題が発生しまして」
陳宮の言葉を受けて、馬騰は言い難そうに伝える。
「現在、荊州からの援軍がこちらに向かっており、到着まで時間がかかる状況です。それまで曹操軍の攻撃を防ぐ為に、曹操軍は別働隊を差し向けて呂布軍の足止めを行っており、今はまだ大丈夫そうでしたがこのまま時間をかけすぎるとそれも難しくなってきそうでして、何卒援軍の到着を待って頂けないかと……」
言われてみれば確かに荊州からの応援部隊がいつ着くのかもわからなかったし、何よりそれがいつ頃なのかすら把握していなかった事に呂布は気づく。
(……と言うか)
呂布はこの辺りで一つ疑問に思う。
張遼の妻を救い出しておいてくれた事は嬉しい話だが、そもそも何の為に呂布が張遼の妻子を探しに行ったと思っているのだろうか。
妻や子に会いに行くという行為は立派な目的の一つだし、それに文句を言う気はない。しかし、呂布の目的は張遼の行方を突き止める事にあったのだ。張遼が生きていると分かっているのであれば、妻達を救うのはついでである。わざわざ張遼の妻子を探す必要は無かった。
ただ、それは張遼の妻である厳氏と張飛の娘である燕姫が劉備のお気に入りであった事から、呂布は劉備を頼れと言ったつもりだった。それを馬騰が誤解したとしても不思議ではない。
あるいは、わざとかもしれないが。
だが、どちらにせよ妻達の事はともかく、今はとにかく徐州の防衛を行わなければならない。その為にはどうしても呂布軍に兵力が必要だった。
張遼の妻達の救出は呂布の妻達の願いを聞き入れた事でもあり、呂布としては断る理由がない。
こうして、ようやく呂布は徐州城へ戻る事になった。
徐州城に戻ってみると、意外にも城内は落ちついていた。
城を守っていたのは基本的に関羽で、張飛と韓遂も城にいたのだが、やはり関羽と比べると存在感も武力も足りない。
劉備はと言えば、城内にいるのは間違いないが姿を見なかった。
呂布は劉備を探して城内を歩くが、すぐに劉備の姿を見つける。
劉備の方も呂布に気づいたらしく、呂布の方へと駆け寄ってくる。
どうにも劉備は、あまり元気が無いように見える。
いつもなら呂布を見つけたら満面の笑みを浮かべて近付いてくるところなのだが、どこか力無い笑顔で呂布の前に立っている。
そして一言。
「……ごめんなさい」
突然の謝罪に、呂布も言葉に詰まる。
劉備は別に呂布に何か悪い事をした訳ではない。と言うよりも、今回の事に関して言えば劉備に非は無い。
むしろ、曹操軍を相手に戦い続けていた事を考えると、呂布の方が労ってしかるべきだろう。それでも謝ると言うことは、おそらく何らかの事情がある。
とは言え、まずは呂布の質問に答えさせるべきだろう。
「一体、何をあやまっているんだ?」
呂布はなるべく優しい口調で言う。
もちろん、呂布は劉備に対して怒っている訳でもないし、責めている訳でもない。ただ、呂布は劉備に対して優しく接してきたつもりではあるのだが、この様子ではそれも伝わっていないのだろう。そう考える。
劉備はその呂布の問いに対して答える前に、一度大きく深呼吸をする。
「私は、徐州太守の地位には相応しくありませんでした。だから、みんなで私を止めてくれたのですね。ありがとうございます。でも、もう無理なんです。私が、この地位にいる事が、私の罪なのです。この徐州を守る為とはいえ、この土地以外の民の事を考えていられなくなってしまったのです。本当に、この徐州を守っているつもりなだけで、何も守れてはいなかったのだとわかりました。これからは、せめて私が愛したこの徐州の人々の為、戦おうと思います」
そう言う劉備の顔は、今まさに死のうとしている者のように、諦めきった表情をしていた。
この表情を見て呂布は全てを理解した。劉備は今回の敗戦で、完全に自信を失ってしまったのだ。
今までも敗北はあったが、ここまで決定的な敗戦は初めてだったのかも知れない。
張遼を失い、家族は曹操軍の人質となり、呂布軍は敗走する事になる。その全てが重なって、劉備の心に深い傷を作ってしまっていた。
しかも劉備がこの様な状態であれば、他の者はもっと深刻な状態だ。陳宮は先程までの威勢もどこへやらと言うくらい、暗い表情をして項垂れてブツブツと呟いている。
高順と華雄は、張遼を失っただけでなくその妻まで曹操軍の手に落ちた事で相当参ってしまっているようだ。
関羽に関しては張遼の家族が無事だったのでホッとはしているものの、自分の不甲斐なさと呂布軍の失態で徐州城を曹操軍に攻め入られた事に責任を感じているらしい。
元々責任感の強い武人であるからこそ責任を感じていたようだったが、張遼の妻達が助かった事で少しは救われるかと思ったがそうはならなかった様である。
また、馬超達には徐州へ戻ってから話を聞こうと思っていたのだが、馬騰がやって来たせいでそれも出来なかった。馬騰は兵数を増やすという約束をしてから、すぐに荊州へ向けて出立したからである。
呂布は今すぐ徐州を離れられない以上、残された時間はそう多くない。だが、これ以上は呂布の手にも負えない事態である事も確かであった。
劉備達の為に出来る事は限られている。
陳宮も言っていたように、現状維持が一番なのだ。
とりあえず張遼の妻達については、しばらく馬騰に任せる事にした。
関羽達には何も言えないままであったが、張遼の事はともかく張遼の妻達の事は張遼の遺族でもあるのだから直接交渉して良いはずなのだが、今の関羽の様子を見るととてもじゃないがそんな事は言い出せない。
かと言って張遼と妻達を引き離せるわけもなく、しばらくは城に留めておくより他なかった。一方、張遼と妻の厳氏の行方である。
こちらは馬超達と一緒に城へと向かっていたが、どうやら途中で見失ったと言う。
「すみません、将軍。張遼の奥方を連れていたと言うのに……」
申し訳無さそうな顔の張遼だが、張遼が悪いわけではない。と言うより、そもそも呂布の落ち度であろう。
張遼を行かせた時点で、張遼の妻である厳氏の身に危険が迫っている事を想定していなかった。それどころか万が一の場合に備えて張遼に護衛を付けなかった。
そもそも厳氏が攫われた時、張飛や韓遂がいたのだから彼等の護衛を付けていれば厳氏は危険な目に合わずに済んだはずである。
だが、あの時の呂布にはそこまでの考えには至らなかった。
呂布にとっての張遼の妻は、あくまでも張遼の妻であり、厳氏と面識があるとは言え張遼の娘のような存在であって、それ以上の関係ではないと思い込んでいた。
呂布と張飛の付き合いの長さも手伝って張飛に対する信頼は厚かった事もあり、呂布としては張飛ならば大丈夫だろうという思い込みもあった。
結局のところ、呂布はあまりにも身内に対して甘い。
いくら武勇に優れ、大軍を指揮して戦場で活躍したとしても、呂布自身が戦えば敵将を討ち取れる保証は無く、仮に討ち取れても自軍が無傷でいられるとは限らない。
それは当然の事であるが、いざと言う時にそれを判断し実行できる武将と言うのは意外に少ないものである。
もし関羽であれば、部下の手前もあり厳しい事を言うかもしれないが呂布の身の安全を優先したはずだ。関羽の事を思慮深い人物だと思い込んでいる呂布だからこそ、張遼に張遼の妻子を任せたと言う事になる。
そして、その甘さが呂布の命取りとなった。
劉備の様子がおかしくなった事を呂布に伝える為、城内では伝令が慌ただしく走り回っている。
そんな中、呂布の許に一人の兵が駆け込んでくる。
兵は呂布を見つけるなり、ひざまずいて言う。
「大変です! 張飛殿とその奥方が、賊によって殺されました!」
呂布はその報を聞いても、何が起こったのか理解できずにいた。
張遼の妻と娘が何者かの手によって殺されたという報告を受けても、呂布はその言葉を信じる事ができなかった。その報告を行ったのが兵だからと言う訳ではない。呂布にとっては身近な人間の言葉だったからだ。
「その者、名は何と言った?」
呆然としたまま、呂布は尋ねる。
普段の呂布ならあり得ないような間の抜けた質問ではあるが、この時の状況ではそれほどまでに衝撃的な知らせだったのである。
「趙雲、字は子龍と」
その名前を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になる。
劉備の夫である張遼は、趙雲の義理の弟に当たる人物である。つまり、義兄弟でありながら義弟を殺したと言うことだ。それも呂布軍の兵を装って。
これは、劉備陣営からの明確な敵対行動である。
呂布は、自分が劉備を追い詰めてしまった事にようやく気付いた。
張遼の妻が曹操軍に囚われていた時点で、張遼が張翼の養子になっている事実も知られてしまっていた可能性がある。曹操は以前から劉備との友好関係を築く為の策を模索していたが、張遼の一件を切欠にして一気に仕掛けてきたと見るべきだろう。
それに劉備軍は曹操軍の本隊ではなく、荊州からの援軍だと思われる。
だが援軍が来てからさほど時間も経っていないはずなのに、もう徐州攻略に乗り出してくるとは予想外にも程があった。
呂布はすぐに陳宮を呼んで、今回の事件について詳細を聞く。
「私も先程知ったばかりなのですが、なんでも徐州軍を名乗る偽物の軍が攻め込んできたと。その対応に追われて張遼の妻子の保護が遅れ、さらに城から逃げ出す際に張遼の妻子が曹操軍の手に落ちたと聞き及んでおります。おそらく、今頃は張遼の妻も……」
陳宮の話を聞きながら、呂布は自分の足元が崩れていく感覚を覚えている。張遼の妻や張飛の娘である玉麗を保護出来なかったばかりか、それによって逆に張遼と張角夫婦を失ってしまったのだ。
だが、これで全てが終わったわけではない。
張遼とその妻である厳氏はまだ無事なはずだし、張飛の娘も劉備の養女となっている。
そう思った時、呂布はふとある可能性に思い至る。
この騒動に紛れて、張遼の身柄を手に入れようとする輩がいないだろうか? 呂布には張遼の家族を人質に取ったという書状など届いていない。しかし、実際に関羽は人質として捕らえられた事もあって、それに関しては誰も異論を唱えない。
ただ、関羽の時は関羽の武人としての誇りを尊重して家族が無事に戻される可能性も考えたが、張遼の妻の場合はどうなるかわからない。
少なくとも関羽のように解放されなければ、張遼にとって最悪の事態になってしまうだろう。
張遼が呂布の元に駆けつけるまで張遼が生き長らえていれば良いが、張遼の性格を考えるとそんな楽観はできない。
とにかく今は情報が足りない。
「すぐにでも城を出るぞ。張遼と合流する。陳宮殿、同行してくれ。高順と張遼の兵をまとめてくれ。馬騰将軍と合流して、そのまま荊州まで行く。そこで馬騰将軍と合流しよう」
呂布の指示に従って、呂布軍の兵達は素早く動き出す。
その迅速さだけは、呂布にも負けないものを持っていた。張遼と合流後、呂布と張遼は厳氏と玉麗を保護した事を報告した。
張遼の報告を受けた呂布の心境がどんなものだったのかは本人にしか知り得ないところだが、呂布の様子を見る限り張遼に責めるような言葉をかける事は出来ない。
妻である厳氏に怪我はなく、張飛の娘である玉玲の事も劉備の妻である桃香に預けられたので、張遼の妻子の身に危険は及んでいないとわかっただけでも大きな収穫である。
だが、それで問題が解決したわけではない。むしろ、張遼の奥方とその娘が劉備の手に渡った事が発覚した事により、より状況が悪化したのである。
張飛が劉備に捕まっている事までは、呂布陣営の誰もが想像していない事だったのだが、厳氏が人質に取られていた事が判明した以上、張遼がこのまま引き下がるわけにはいかない。
ここで退いてしまえば、それは呂布との信頼関係に関わる事でもある。張遼にとって呂布は命を預けられる主君であり、その奥方を守れなかった事に対しての責任もある。
また、劉備に対しても義理の弟を殺した者として見過ごす事が出来ず、何としてもその報いを受けさせる必要があった。
幸いと言うべきか、その劉備は袁紹との争いの為と称して西へ下って行っていると言う。呂布と別れた張遼は、すぐに張遼軍を率いて南下する。目指す先は劉備の本拠地である。
本来であれば張遼率いる一万五千で十分な兵力であるが、今回はその数倍もの兵が動いている。
その大半は、荊州の黄巾党残党であった。
呂布軍と言う強大な戦力が曹操軍についていると言う噂は、すでに広まっており、それが本当であれば荊州軍だけで対処するのは困難である。
であれば、その対抗策として荊州軍に賛同する者を募って兵を出せば、まだ望みはあると考えたらしい。
実際、徐州軍の装備に比べて荊・青州兵の装備の質は高く、徐州軍に比べれば士気も高いように見受けられた。だが、徐州軍との実戦経験がほとんど無い者達では、とても安心して戦えるようなものではない上に連携が取れず各個撃破の憂き目に遭うだけだった。
荊州軍の者の中にはそれを良しとする者もいたようだが、そのような考えを持つ者は荊州軍の中で浮いた存在になり孤立する事となった。
張遼も最初はそれを危惧したが、結局は徐州軍を真似る事にした。
すなわち張遼自身が率先して戦い、張遼軍の規律の高さを見せつけて味方につかせる事を徹底させたのだ。これによって荊・青州兵はまとまりを見せ、劉備軍は苦戦を強いられていると報告してきた。
そして、ついにその時はやってきた。
劉備軍は曹操軍の精鋭の前に敗走し、劉備はその首級を上げられていると言う。しかも関羽と張飛の首級も同時に上げられていると聞き、張遼は激情のまま曹操本陣へと突っ込んでいく事になる。
ただでさえ少ない騎兵をかき集めての突撃であったが、それでもなお足りなかったらしく、曹操軍はその攻撃を迎え撃つのではなく逃げ散っていく。
劉備軍は逃げる曹操を追っていったそうだが、それもどこまで信用できる情報なのか定かではない。だが、この期に及んで劉備が偽物であると証明する方法もなく、ひとまず呂布の元に向かう事となった。
曹操軍は全軍が撤退したわけではなかったが、総大将を失った曹操軍は崩壊の一途を辿るしかなかった。
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