のほほん素材日和 ~草原と森のんびり生活~

みなと劉

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第二章 ポポとのほほん旅立ち

第3話: 初めての出会い

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 森の奥深くを進んでいくと、次第に周りの景色が変わり、歩く足元に気を使いながらもフィオは自然と心が落ち着いていくのを感じていた。ポポはその小さな体で元気よくフィオの周りを跳ね回り、時折枝の先に止まっては、フィオを見守るように目を輝かせた。

 「今日はどこまで行けるかな?」

 フィオはポポに話しかけるように言葉を投げかけた。ポポはその言葉を理解しているかのように、一度大きく鳴いた後、再び小さな足音を立てながら飛び跳ねた。

 しばらく歩き続けると、道の先に小さな集落が見えてきた。家々は木で作られており、壁にはツタが絡みつき、まるでこの土地に自然と溶け込んでいるかのようだ。フィオはそこで足を止め、周囲を見渡した。

 「ここが新しい場所、か。」

 心の中でそうつぶやき、集落へと足を進めた。ポポもその後をついてきて、何気ない日常のように過ごしている。

 集落に近づくと、誰かの目を引いた。小さな少女が一人、家の前で遊んでいるのが見えた。彼女はフィオを見つけると、急に走り寄ってきた。

 「こんにちは! あなた、旅人?」

 その子は興奮気味にフィオに声をかけてきた。フィオは少し驚きながらも、にっこりと微笑んで答えた。

 「こんにちは。はい、旅をしているんです。」

 少女は嬉しそうに笑い、手を振って言った。

 「私、アリス! この村に住んでいるんだよ。お兄さんやお姉さんがたくさんいるんだ。」

 アリスは話しながら、フィオの隣でぽんぽんと歩きながら進んでいった。フィオはその後ろを歩きながら、少しだけその表情が和らぐのを感じた。ポポも興味津々でアリスの周りを飛び跳ね、時折アリスの髪の毛に軽く触れながら遊んでいた。

 「ここは、どんな場所なの?」

 フィオはふと気になって尋ねた。アリスは少し考えた後、元気に答えた。

 「この村はね、みんなが仲良く暮らしてる場所。最近は外からの旅人もよく来るんだよ。いろんな人たちが、みんなここで出会って、何かを学んだり、楽しんだりしてるんだ!」

 その言葉に、フィオは胸が温かくなるのを感じた。自分が今、こうしてこの村に来たことには何か意味があるように思えてきた。

 「そうか、素敵な場所だね。」

 フィオはアリスに微笑んで答えた。アリスは嬉しそうにうなずき、さらに話を続けた。

 「もしよかったら、村の人たちと一緒にご飯食べる? とっても美味しい料理があるんだよ!」

 その提案に、フィオは少し考えた後、頷いた。

 「それは嬉しいな。ありがとう。」

 アリスは満足そうに笑い、フィオとポポを引っ張って、村の広場へと向かっていった。新たな出会い、そして新たな一歩が始まる予感に、フィオは心を躍らせながらその場を後にした。

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