ひとときの幸せ

美咲は、疲れきった体を引きずるように家に帰った。
仕事のストレスに押しつぶされ、何もかもが煩わしく感じていた。

冷蔵庫を開けても、残っているのは賞味期限が迫った食材だけ。
久しぶりに家で過ごすことにしたが、何を作ろうかも考えるのが面倒だ。
外食にしようかと思ったが、なんとなくその気力も湧かず、ただ空っぽの冷蔵庫を見つめていた。