もふもふと一緒に過ごすスローライフ

みなと劉

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 朝食を終え、青年は椅子の背もたれにもたれながら、しばしぼんやりと外を眺めた。窓の向こうには青々とした森が広がり、鳥たちが軽やかに枝を飛び移っている。

 テーブルの下では、もふもふが満足げにお腹をぽんぽんに膨らませ、ころんと横になっていた。

「よく食べたな」

 青年はくすりと笑い、立ち上がる。

「今日はちょっと散歩にでも行くか」

 そう声をかけると、もふもふはぴょこんと顔を上げ、ぱたぱたと尻尾を振った。

 小さな家を出ると、朝の森の空気はひんやりとして心地よかった。木々の間を抜ける風が涼しく、草の葉には朝露がきらきらと輝いている。

 もふもふは朝の森に興奮したのか、ぴょんぴょんと跳ねながら歩いている。ときどき立ち止まっては、鼻をくんくんと動かし、興味深そうに草花を観察していた。

「そんなに気になるか?」

 青年がしゃがんで見ると、小さな白い花が群生していた。ふわりと甘い香りが漂う。

「アマリスの花か……」

 この花は、乾燥させてお茶にすると甘みのある香りが楽しめる。青年は数本摘み取り、腰に下げた袋に入れた。

 そのまましばらく歩くと、小さな川が流れる場所に出た。

 水は透き通っていて、川底の小石がはっきりと見える。魚たちがゆったりと泳ぎ、時折水面を跳ねる。

 もふもふは興味津々で川の端まで近づき、前足でちょいちょいと水を触ってみる。冷たいのが面白いのか、何度も繰り返して遊んでいた。

「気持ちいいか?」

 青年も川の水を手ですくい、顔を軽く洗った。冷たくて気持ちがいい。

 ふと、上流の方を見ると、大きな岩の上に何かが乗っているのが見えた。

「……ん?」

 目を凝らしてみると、それは小さな袋だった。誰かが落としたのだろうか。

 青年は川の浅瀬を慎重に渡り、岩の上へと向かった。袋を手に取ると、布地はしっかりしていて、中には何かが入っているようだ。

「誰のだろうな……?」

 周囲を見回すが、持ち主らしき姿は見当たらない。

 青年はひとまず袋を持ち帰り、村に行ったときに落とし物として届けることにした。

 もふもふは、その様子をじっと見ていたが、特に気にする様子もなく、川辺でころんと寝そべっている。

「おまえはのんきだな」

 青年は苦笑しながらも、もふもふの頭を優しく撫でた。

 そのまま川辺でしばらくのんびりと過ごし、日が少し高くなったころ、青年ともふもふは家へと戻った。

 穏やかな一日が、ゆるやかに流れていく。

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