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34話
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はっきりとした一つの事実が分かっていれば。
俺はそれでいいと思った それが真実だというのならばそれ以外の何を考えなくても良くなったからなんだ。
ただ、それを理解すれば、俺自身の気持ちに踏ん切りをつけられるのではないかと思えたんだよ……
(でも……それは俺の記憶なのか。或いは他人の記録の続きを見させられたに過ぎないものだったのかも知れないとも……考えてしまうところはあるが、な……ただ俺にはどうしてもそうとは思えなかった だからこそ、今俺はここに戻ってきている訳だし。こうしてここに居続けることが出来続けている訳でも有るんだろうから……)
……それに 俺の中に残っている微かな思いが、俺にこの世界の光景を見せる事を許しているのかもしれないとまで思わせてくる……が。
それにしては俺の思考と視界の殆どを奪われてしまっていたし。
何かが邪魔をしているかのように。
思うように身体を動かせた気もしなくなっていた事もあって……
俺はつい考え過ぎていたみたいだったが。そろそろ考える時間も無くなってきてもいたのだろうと感じるようになってもいるしな。
……俺は結局、自分が誰であるかについてすらまだ何も分からないままであるというのにも関わらず自分の存在を保つ為に必要なものを手放し掛けているだけになってしまっているんだ。
しかし 自分の正体を知ることはできるとは思うんだ。
少なくともその可能性を持っている人間達の一人が、今俺の目の前に立って微笑んでいることに変わりはなかったようだ……だから、彼女の名前だけでも聞きたかったんだ……しかし、
「ごめんね……それは言えない約束になっていて。私の名前は……貴方だけにしか言う事が出来ないものなんです……そして……その事ももうすぐ、忘れてしまいそうになる……うぅん!私は忘れる事にしようと思い直しているの……!」
彼女からは俺が望んでいなかった返事しかも返ってくることはなく。
「……お前……」
ただ寂しい笑みを浮かべることしかできなかった……となればだ 今ここで起きていることをどうにかする為に俺はもう一度動こうとするのだが……? その時突然に、俺の身体の自由が完全に利かなくなり始めると同時に俺の脳内に直接語りかけてきているのかと思う程の鮮明さを伴っていた言葉によって意識までも失いかけていた
〈お目覚めになりなさい〉
(な、ん、だ……よっ)
俺は薄れ始めた意識の中からなんとか抵抗を続けようとするのだがやはり無理があるというものであって……徐々に瞼も開かない様にもなってしまってきたようで……
だがここで簡単に諦めてしまったとしたのであれば今まで生き続けてきた努力が全て水泡に帰すかの様に終わってしまうという訳だ……俺は……俺はまだこんな所で死ぬつもりはない!!
「うおおぉっ!!」
俺は腹の底から声を振り絞りながら力任せで瞼を開くようにしながら全身の力を使って強引に目を開ききった……そうしたことで一瞬の痛みを覚えたのも仕方がない。
(あ、ぐ……)
俺はそこで何とか踏み留まることに成功するとすぐに視線を前に向けていった……のだが
「うぇへえ?」
(なんだぁ、これは……俺は何を見ている……のか?)
俺には今目の前にある現実を受け入れることが出来なかったのか変な声を上げてしまう始末になっていた訳ではあるが。俺の目に飛び込んできたのはある意味衝撃的な姿だった。
何故かと言うと……
なんと言っていいかよくわからない状態になってしまった。
つまりはその、彼女はな その。
あれだよ!胸!を露出させる形で下着とブラだけの恰好になっているのだけれど。それだけじゃなくてスカートまで完全にめくりあげて履いているぱんつ丸出しの状態にもなっていたんだよ そしてそんな状態にさせられている上に手足を押さえ込まれて馬乗りされちゃってる俺な訳だ。
いやまぁ。そこまでの状況については分かるぞ そりゃそうだろう 流石に見りゃわかるよ……
だが、何故こうなった そう思わざるを得ない訳だし。
それこそ本当に理解できない事態であった。
そしてこの状況を作り出した元凶と思われる人物が俺の前に立っていた いや正確に言うと……彼女が身に着けた下着に問題があったのかもしれないけど……それはそれとして、な まぁ……とにかく、今はこっちに集中することにしようか……。
そうしないといつまでも混乱し続けて無駄な時間の浪費をしまくって終わりを迎えかねないと思ったからさ
俺は……自分が女であると言っておいた。
「は?そんなわけあるか……え?……ない」
あるわけない。
どこのことを言ってるのか知らんがな。
「嘘つくんじゃねぇー!!」
とか言われても俺は本当だとしか言えん まぁ信じろというのがおかしいとは思うが 一応証拠なら出せるといえば出せなくもないし、 まあいいか。見せる方が早いからそうしてやることにした。
「……まじですか、それ。あんまり信じられませんね、これ、マジですか、ちょ!?ちょっと見せてくださいそれ!」俺の目を疑う光景に
「いやだ!みせない!」
俺は必死になった 見せられるようなモノでもないと気づいたんだ しかしこいつはしつこく見て触ろうとしてくるから余計に見せられなくなってしまったんだ だから仕方なく、自分でどうにかすることにした。
どうすれば良いかもわかったからさ 後はやるだけだったが。それをするのにはかなり恥ずかしかったな だってそうだろ? 自分の胸に顔突っ込んで思いっきり深呼吸した挙句その匂いを思い切り吸い込んだ。
「あ、この匂いは女ですね」
「ひえ」
俺はそれでいいと思った それが真実だというのならばそれ以外の何を考えなくても良くなったからなんだ。
ただ、それを理解すれば、俺自身の気持ちに踏ん切りをつけられるのではないかと思えたんだよ……
(でも……それは俺の記憶なのか。或いは他人の記録の続きを見させられたに過ぎないものだったのかも知れないとも……考えてしまうところはあるが、な……ただ俺にはどうしてもそうとは思えなかった だからこそ、今俺はここに戻ってきている訳だし。こうしてここに居続けることが出来続けている訳でも有るんだろうから……)
……それに 俺の中に残っている微かな思いが、俺にこの世界の光景を見せる事を許しているのかもしれないとまで思わせてくる……が。
それにしては俺の思考と視界の殆どを奪われてしまっていたし。
何かが邪魔をしているかのように。
思うように身体を動かせた気もしなくなっていた事もあって……
俺はつい考え過ぎていたみたいだったが。そろそろ考える時間も無くなってきてもいたのだろうと感じるようになってもいるしな。
……俺は結局、自分が誰であるかについてすらまだ何も分からないままであるというのにも関わらず自分の存在を保つ為に必要なものを手放し掛けているだけになってしまっているんだ。
しかし 自分の正体を知ることはできるとは思うんだ。
少なくともその可能性を持っている人間達の一人が、今俺の目の前に立って微笑んでいることに変わりはなかったようだ……だから、彼女の名前だけでも聞きたかったんだ……しかし、
「ごめんね……それは言えない約束になっていて。私の名前は……貴方だけにしか言う事が出来ないものなんです……そして……その事ももうすぐ、忘れてしまいそうになる……うぅん!私は忘れる事にしようと思い直しているの……!」
彼女からは俺が望んでいなかった返事しかも返ってくることはなく。
「……お前……」
ただ寂しい笑みを浮かべることしかできなかった……となればだ 今ここで起きていることをどうにかする為に俺はもう一度動こうとするのだが……? その時突然に、俺の身体の自由が完全に利かなくなり始めると同時に俺の脳内に直接語りかけてきているのかと思う程の鮮明さを伴っていた言葉によって意識までも失いかけていた
〈お目覚めになりなさい〉
(な、ん、だ……よっ)
俺は薄れ始めた意識の中からなんとか抵抗を続けようとするのだがやはり無理があるというものであって……徐々に瞼も開かない様にもなってしまってきたようで……
だがここで簡単に諦めてしまったとしたのであれば今まで生き続けてきた努力が全て水泡に帰すかの様に終わってしまうという訳だ……俺は……俺はまだこんな所で死ぬつもりはない!!
「うおおぉっ!!」
俺は腹の底から声を振り絞りながら力任せで瞼を開くようにしながら全身の力を使って強引に目を開ききった……そうしたことで一瞬の痛みを覚えたのも仕方がない。
(あ、ぐ……)
俺はそこで何とか踏み留まることに成功するとすぐに視線を前に向けていった……のだが
「うぇへえ?」
(なんだぁ、これは……俺は何を見ている……のか?)
俺には今目の前にある現実を受け入れることが出来なかったのか変な声を上げてしまう始末になっていた訳ではあるが。俺の目に飛び込んできたのはある意味衝撃的な姿だった。
何故かと言うと……
なんと言っていいかよくわからない状態になってしまった。
つまりはその、彼女はな その。
あれだよ!胸!を露出させる形で下着とブラだけの恰好になっているのだけれど。それだけじゃなくてスカートまで完全にめくりあげて履いているぱんつ丸出しの状態にもなっていたんだよ そしてそんな状態にさせられている上に手足を押さえ込まれて馬乗りされちゃってる俺な訳だ。
いやまぁ。そこまでの状況については分かるぞ そりゃそうだろう 流石に見りゃわかるよ……
だが、何故こうなった そう思わざるを得ない訳だし。
それこそ本当に理解できない事態であった。
そしてこの状況を作り出した元凶と思われる人物が俺の前に立っていた いや正確に言うと……彼女が身に着けた下着に問題があったのかもしれないけど……それはそれとして、な まぁ……とにかく、今はこっちに集中することにしようか……。
そうしないといつまでも混乱し続けて無駄な時間の浪費をしまくって終わりを迎えかねないと思ったからさ
俺は……自分が女であると言っておいた。
「は?そんなわけあるか……え?……ない」
あるわけない。
どこのことを言ってるのか知らんがな。
「嘘つくんじゃねぇー!!」
とか言われても俺は本当だとしか言えん まぁ信じろというのがおかしいとは思うが 一応証拠なら出せるといえば出せなくもないし、 まあいいか。見せる方が早いからそうしてやることにした。
「……まじですか、それ。あんまり信じられませんね、これ、マジですか、ちょ!?ちょっと見せてくださいそれ!」俺の目を疑う光景に
「いやだ!みせない!」
俺は必死になった 見せられるようなモノでもないと気づいたんだ しかしこいつはしつこく見て触ろうとしてくるから余計に見せられなくなってしまったんだ だから仕方なく、自分でどうにかすることにした。
どうすれば良いかもわかったからさ 後はやるだけだったが。それをするのにはかなり恥ずかしかったな だってそうだろ? 自分の胸に顔突っ込んで思いっきり深呼吸した挙句その匂いを思い切り吸い込んだ。
「あ、この匂いは女ですね」
「ひえ」
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