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49話
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いきなりそんなことを言われても簡単に信用することはできない。そもそも今まで敵同士として戦ってきた間柄なんだから尚更だろう。ただどうしても確かめたいことがあったので聞いてみることにした。
それは彼女の能力値の確認である。いくらなんでもレベルが上がったとはいえここまで急激に強くなるなんてことはないはずである。
だとすれば何らかの特殊能力を身に付けていることが考えられるのではないかと考えたからである。
もちろん警戒を解くつもりはないし何があってもすぐに対処できるように意識だけはしっかりと集中させてからステータスオープンを唱え相手の情報を覗くことに成功した。
そして確認し把握する。
その予想は見事に的中していたことに気付く。
なんとそこにはとんでもない数値が記されていたためだ。
そうその人物の名前は
『ルナ=ウェイバー』
その名前を見た途端に驚きの声を上げてしまった私を見て首を傾げるその女性の姿を見ていた。
何故ならそれはかつて魔族たちの頂点に君臨していたはずの最強の魔族であったからに他ならない。
しかも魔族の長である大公爵家の令嬢でもあったというではないか。
そんな人物が私に一体何の用事があると言うのだろうか。
そんなことを考えているとこちらの考えを見透かしたかのように説明を始める。
その内容はあまりにも荒唐無稽なもので普通であれば馬鹿にされるのが落ちであろう。
ただ今回は相手が魔族のトップの令嬢であること。
それと私の特殊なスキルのおかげで事実であるということがわかったので信じざるを得なくなる。
まず最初に行ったのは私達の実力を把握することであった。
それも当然といえばそうである。
今の私達はまだまだ駆け出しの冒険者である。
それどころか登録すらまだ行っていないのである。
そのため仮にこのままギルドに行ったとしても門前払いを喰らうだけに違いない。
そんなことに貴重な時間を費やす必要性は一切感じられなかったのである。
そこで私たちは一旦拠点に戻ることにした。
だが困ったことがある。
実は現在この街にある宿泊施設には空き部屋がないのである。
理由としては現在王都にて発生しているスタンピードの影響で宿自体が満室になっているらしい。
そのため新たに宿泊先を確保しなくてはならない。
だが残念なことに私はそういった情報については全く知らない為どうしたものかわかったものではなかった。
リーリヤ様にお願いしようと声をかけようとしたその時ふと私の横にいた存在が動き出した。
「アリサ。リーリヤ。」
どうやら彼女達に声をかける為に近付いたようだ。
だが二人共その女性の存在に驚いたようで固まってしまっている。
そしてその女性はリーファの方へと向かって行くと優しく微笑むとその手を握り語りかけた。
「ねぇ?お願い。私のお願いを聞いてくれる?」
するとリーファの方は頬に少し赤らめながらコクリと縦に首を振ると女性の方へと歩み寄っていく。
だがその直後の出来事に思わず絶句してしまう。
それは目の前で起きた現象が原因だ。それは信じられないことではあるが紛れもない現実に起きた出来事であり決して夢ではない。
なによりもその証拠は自分自身が一番良く知っていることであるから否定しようがなかったのだから。
つまり結論から言えばこう言えることになるのだ。
今ここに2人の少女によるキスシーンが繰り広げられているということである。
それだけ聞けば誰もが羨ましいと思うことかもしれない。
特に男の子ならば。
だけど今は違った。
私は素直に喜べなかった。
何故なら彼女は人間じゃないから。
それに恐らくは人外の種族の可能性が高いからだ。
何故わかるのか。
簡単である。
何故なら本来人に備わっていない筈の魔力の塊を体内に持っているのを感知しているからであり、それが彼女の正体を示しているからだと言える。
そう。
つまり彼女は亜人種なのだ。ただその姿形はかなり人とかけ離れたものではあるけれどね。
そうしているうちに二人は離れて向かい合うように立っている。
そして何か言葉を発しようとしていた。
なのでその様子を伺っているとある変化に気が付き目を奪われる。
その理由は彼女の見た目が変化したからである。
いや姿が変わったという表現の方が正しいのかな。
というのもさっきまではどちらかと言えば幼い外見をしていたが今では大人びた雰囲気を放っている。
それはまるで時が一気に経過してしまったかのようであり一瞬の早変わりにも似た様相を見せてくれた。
その光景を目の当たりにして呆気に取られていた私だったが慌てて正気を取り戻すと急いでステータスを確認する。
そこには間違いなく成長していることが記載されていたのだから。
それは勿論リーファの方にも同じことが言えたのだった。(まさかこれはこの世界特有の魔法なのかしら?)
だとしたらかなり強力なものだと思うけど、もしそうだとしたら一体どんな効果のある術式が組み込まれているんだろう?
とても気になるところではあった。
だから私もすぐに真似をすることにしたんだけど、ここでまた問題が起きてしまう。
何故かと言うと、そもそもどうやってやるんだろうかということだ。
だって考えてみてよ。こんな見たこともないような不思議な感覚の力を私は今まで知らなかったわけだし使い方なんてわからない。そもそもやり方さえ不明だよ。
なので結局諦めることにした私は他の方法を試してみることにした。
まずは私自身に対しての変化を試みることにしたのだ。
ただ正直言ってこれが成功したかどうかは不明のまま終わることとなった。
なんせ私自身もどういう原理でそれが実行されたのかよくわからなかったからだ。
ただし結果として得られた効果は大きかったので結果的に良しとすることにする。なぜならその結果として私の身体は10歳くらいの姿へと変化してしまったからである。
ただ不思議と戸惑いのようなものはなくむしろ気分が高揚してしまっていた。
何故なら本来の私は年齢よりも遥かに若く見えるしそれこそ20代前半でも十分に通用するほどなんだから仕方がないことだとも言えるだろう。
あと何より自分のことを自分で美少女とかいう時点で痛々しさを感じる。しかもそんなことを平気で口に出してるのに全く違和感を覚えずに普通に言っている自分がいた。
それは彼女の能力値の確認である。いくらなんでもレベルが上がったとはいえここまで急激に強くなるなんてことはないはずである。
だとすれば何らかの特殊能力を身に付けていることが考えられるのではないかと考えたからである。
もちろん警戒を解くつもりはないし何があってもすぐに対処できるように意識だけはしっかりと集中させてからステータスオープンを唱え相手の情報を覗くことに成功した。
そして確認し把握する。
その予想は見事に的中していたことに気付く。
なんとそこにはとんでもない数値が記されていたためだ。
そうその人物の名前は
『ルナ=ウェイバー』
その名前を見た途端に驚きの声を上げてしまった私を見て首を傾げるその女性の姿を見ていた。
何故ならそれはかつて魔族たちの頂点に君臨していたはずの最強の魔族であったからに他ならない。
しかも魔族の長である大公爵家の令嬢でもあったというではないか。
そんな人物が私に一体何の用事があると言うのだろうか。
そんなことを考えているとこちらの考えを見透かしたかのように説明を始める。
その内容はあまりにも荒唐無稽なもので普通であれば馬鹿にされるのが落ちであろう。
ただ今回は相手が魔族のトップの令嬢であること。
それと私の特殊なスキルのおかげで事実であるということがわかったので信じざるを得なくなる。
まず最初に行ったのは私達の実力を把握することであった。
それも当然といえばそうである。
今の私達はまだまだ駆け出しの冒険者である。
それどころか登録すらまだ行っていないのである。
そのため仮にこのままギルドに行ったとしても門前払いを喰らうだけに違いない。
そんなことに貴重な時間を費やす必要性は一切感じられなかったのである。
そこで私たちは一旦拠点に戻ることにした。
だが困ったことがある。
実は現在この街にある宿泊施設には空き部屋がないのである。
理由としては現在王都にて発生しているスタンピードの影響で宿自体が満室になっているらしい。
そのため新たに宿泊先を確保しなくてはならない。
だが残念なことに私はそういった情報については全く知らない為どうしたものかわかったものではなかった。
リーリヤ様にお願いしようと声をかけようとしたその時ふと私の横にいた存在が動き出した。
「アリサ。リーリヤ。」
どうやら彼女達に声をかける為に近付いたようだ。
だが二人共その女性の存在に驚いたようで固まってしまっている。
そしてその女性はリーファの方へと向かって行くと優しく微笑むとその手を握り語りかけた。
「ねぇ?お願い。私のお願いを聞いてくれる?」
するとリーファの方は頬に少し赤らめながらコクリと縦に首を振ると女性の方へと歩み寄っていく。
だがその直後の出来事に思わず絶句してしまう。
それは目の前で起きた現象が原因だ。それは信じられないことではあるが紛れもない現実に起きた出来事であり決して夢ではない。
なによりもその証拠は自分自身が一番良く知っていることであるから否定しようがなかったのだから。
つまり結論から言えばこう言えることになるのだ。
今ここに2人の少女によるキスシーンが繰り広げられているということである。
それだけ聞けば誰もが羨ましいと思うことかもしれない。
特に男の子ならば。
だけど今は違った。
私は素直に喜べなかった。
何故なら彼女は人間じゃないから。
それに恐らくは人外の種族の可能性が高いからだ。
何故わかるのか。
簡単である。
何故なら本来人に備わっていない筈の魔力の塊を体内に持っているのを感知しているからであり、それが彼女の正体を示しているからだと言える。
そう。
つまり彼女は亜人種なのだ。ただその姿形はかなり人とかけ離れたものではあるけれどね。
そうしているうちに二人は離れて向かい合うように立っている。
そして何か言葉を発しようとしていた。
なのでその様子を伺っているとある変化に気が付き目を奪われる。
その理由は彼女の見た目が変化したからである。
いや姿が変わったという表現の方が正しいのかな。
というのもさっきまではどちらかと言えば幼い外見をしていたが今では大人びた雰囲気を放っている。
それはまるで時が一気に経過してしまったかのようであり一瞬の早変わりにも似た様相を見せてくれた。
その光景を目の当たりにして呆気に取られていた私だったが慌てて正気を取り戻すと急いでステータスを確認する。
そこには間違いなく成長していることが記載されていたのだから。
それは勿論リーファの方にも同じことが言えたのだった。(まさかこれはこの世界特有の魔法なのかしら?)
だとしたらかなり強力なものだと思うけど、もしそうだとしたら一体どんな効果のある術式が組み込まれているんだろう?
とても気になるところではあった。
だから私もすぐに真似をすることにしたんだけど、ここでまた問題が起きてしまう。
何故かと言うと、そもそもどうやってやるんだろうかということだ。
だって考えてみてよ。こんな見たこともないような不思議な感覚の力を私は今まで知らなかったわけだし使い方なんてわからない。そもそもやり方さえ不明だよ。
なので結局諦めることにした私は他の方法を試してみることにした。
まずは私自身に対しての変化を試みることにしたのだ。
ただ正直言ってこれが成功したかどうかは不明のまま終わることとなった。
なんせ私自身もどういう原理でそれが実行されたのかよくわからなかったからだ。
ただし結果として得られた効果は大きかったので結果的に良しとすることにする。なぜならその結果として私の身体は10歳くらいの姿へと変化してしまったからである。
ただ不思議と戸惑いのようなものはなくむしろ気分が高揚してしまっていた。
何故なら本来の私は年齢よりも遥かに若く見えるしそれこそ20代前半でも十分に通用するほどなんだから仕方がないことだとも言えるだろう。
あと何より自分のことを自分で美少女とかいう時点で痛々しさを感じる。しかもそんなことを平気で口に出してるのに全く違和感を覚えずに普通に言っている自分がいた。
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