始まりの恋

第2章 友情の軌跡

第百二話: クラスメイトとの絆

大会に向けて練習を重ねるうち、美咲たちは自分たちのクラス全体が一つになっていくのを感じていた。リレーの練習だけでなく、バレーボールやクイズ大会の練習も放課後にみんなで集まり、作戦を考えたり、得意な分野を見つけ合ったりする時間が増えた。

そんなある日、リレーの練習中にクラスの男子・拓斗が美咲たちに声をかけてきた。「俺も走るの得意だから、リレーに参加させてくれないか？」彼は少し照れくさそうに言い、みんなは快く迎え入れた。

さらに、バレーボールでは、普段は大人しい女子・杏奈が驚くようなスマッシュを見せて、周りを驚かせた。「えっ、杏奈ちゃんがこんなにすごいとは！」と莉奈が目を丸くすると、杏奈は少し照れながらも「実は小さい頃からやってたんだ」と笑った。

その後も練習のたびに、クラスメイトの隠れた才能が発見されていった。千秋が「みんなで力を合わせれば、どんな競技でも優勝できるかもね！」と嬉しそうに言い、美咲も「クラス全体がこんなに一つになるなんて、すごく素敵だね」と微笑んだ。

大会が近づくにつれて、教室や校庭には一層の熱気が漂い始めた。これまであまり話したことがなかったクラスメイト同士も、自然と声を掛け合い、互いに励まし合うようになっていた。美咲たちは、仲間たちと共に新しい一歩を踏み出していくのを感じ、胸の奥に新たな勇気が芽生えていた。

この大会は、単なる勝負ではなく、彼らにとってかけがえのない絆を築く機会となっていくのだった。