先生と俺

みなと劉

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第73話

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夕飯の支度を母さんと一緒にする中で、ロールキャベツを作ることになった。
キャベツの葉で丁寧にお肉を包み込む作業をしながら、俺はふとロールキャベツの歴史について考えた。
きっと日本に伝わるまでに色々な国を経由してきたんだろうし、その過程で少しずつ形が変わっていったのかもしれない。
そんなことを考えていると、明日の先生との話題にちょうどいいんじゃないかと思った。
先生なら、ロールキャベツの歴史や日本に伝わった経緯について、きっと詳しく教えてくれるはずだ。
そう思うと、少し楽しみな気持ちが湧いてきた。

「お母さん、ロールキャベツの歴史とか知ってる?」
と、手を動かしながらさりげなく聞いてみた。

「そうねぇ、あんまり詳しくは知らないけど、昔からある料理って感じがするわね。
でも、きっとどこかの国から伝わってきたんでしょうね」
と、母さんも興味を示してくれた。
明日、先生にこの話題を持ちかけてみよう。
新しいことを知る楽しみがまた一つ増えた気がした。
学校に着くと、先生はいつものように教室で授業の準備をしていた。
俺は「おはようございます、先生」と挨拶しながら席に向かう。
机にカバンを置いてから、ふと思い出して先生に話しかけた。

「先生、昨日の夕飯でロールキャベツを作ったんですけど、日本にどうやって伝わったかとか、歴史って知ってますか?」
先生は微笑みながら俺の方を見て
「ああ、ロールキャベツですね。
実は、ロールキャベツはヨーロッパが発祥で、日本には明治時代以降に西洋料理が取り入れられるようになってから広まったんです」
と話し始めた。
「ヨーロッパでは特にドイツやロシアで人気があった料理で、キャベツを使った料理は昔から保存食としても重宝されてきました。
日本に伝わってからは、和風の味付けや煮込み方が取り入れられて、今のような和風ロールキャベツが定着したんですよ」
と、先生は歴史の流れを詳しく教えてくれた。
俺は先生の話を聞きながら、ロールキャベツが日本に伝わるまでの長い道のりや、各国の食文化の影響を感じることができた。
先生に感謝しながら、これからも料理の歴史についてもっと知りたいという気持ちが強くなった。

「ありがとうございます、先生。ロールキャベツがそんなに昔からある料理だとは知りませんでした。
ますます料理が楽しくなりそうです」
と伝えると、先生は優しく頷いてくれた。
俺は先生の話を聞いた後、自分の席に戻り、授業の準備を始めた。
ノートや教科書を机の上に整え、必要な文房具も揃える。
今日は何の授業が始まるのか、少しワクワクしながら待っていると、教室の中に生徒たちの声がだんだんと増えていく。
皆が席に着き、授業が始まる時間が近づいているのを感じた。
窓の外をふと見てみると、まだ朝の清々しい空気が漂っていて、遠くに見える木々が風に揺れているのが見える。
そんな中、俺は今日も頑張ろうと気持ちを整え、先生が授業を始めるのを静かに待った。
先生が黒板の前に立ち、教室が静まり返ると、いよいよ今日の授業が始まった。
一時間目の開始のチャイムが鳴り、教室内が一瞬で静まり返った。
先生は教卓の前に立ち、黒板に今日の授業内容を書き始める。
今日は歴史の授業だ。

黒板には「戦国時代の重要な合戦」と書かれた。

俺は興味を持ってノートを開き、ペンを手に取った。
戦国時代は俺が特に好きな時代だし、武将たちの戦略や合戦の話はいつ聞いても面白い。
先生は黒板に続けて「川中島の戦い」「長篠の戦い」と書き、それぞれについて解説を始めた。
「川中島の戦いは、武田信玄と上杉謙信の間で起こった合戦です。
この合戦は数度にわたって行われましたが、特に有名なのは第四次川中島の戦いです…」
と先生が話し始めると、俺は興味深く耳を傾け、ノートにメモを取った。
先生の説明は、ただ事実を述べるだけではなく、合戦の背景や戦術、当時の人々の生活や思想にまで及び、俺は引き込まれるように聞き入っていた。
これから紹介される「長篠の戦い」も、また違った視点での興味深い話が待っているだろうと期待しながら、俺は授業に集中した。
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