先生と俺

みなと劉

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第68話

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放課後、俺は学校を後にして、いつもの帰り道を歩いていた。
すると、道端で猫が自分の顔をペロペロとなめているのを見かけた。
猫が一心不乱に顔を洗っている姿は、何とも言えない可愛らしさだった。
でも、その光景を見てふと、何か悪い予感がしたんだ。
猫が顔を洗うと雨が降るって言うけど、まさか…。
そんなことを考えながらも、少し足取りを早めて家に向かうことにした。
家に着く頃、予感が的中したように空からポツリ、ポツリと雨が降り始めた。
家の扉を開けると、ほっとした気持ちとともに、少し早足で帰って正解だったなと自分に微笑んだ。
「やっぱりあの猫が教えてくれたのかもな」
と心の中で思いながら、雨の音を聞きつつ部屋で寛いだ。
明日、先生にこの出来事を話そうと決めた。猫の行動が予言めいたものだったかどうか、先生ならきっと面白く話を聞いてくれるだろう。

次の日学校にて
昨日の放課後の帰り道に猫を遭遇して
猫は自分の顔をペロペロとなめている
その光景がかわいく見えていたが同時に嫌な予感もしていたので
足取り早く家に着く頃には雨が降ってきていたことを先生に話した。
先生は俺の話を聞き終えると、少し微笑んで言った。
「それは面白いですね、正彦くん。
でも、猫が顔を洗うと雨が降るというのは、実は日本の落語でもよく知られている話なんです。」

俺は少し驚いた。

「落語で有名なんですか?」

先生は頷いて、詳しく説明を始めた。
「そうなんです。
古典落語の中に『猫の災難』という話があって、その中で猫が顔を洗うシーンが出てくるんです。
昔から、猫が顔を洗うと雨が降ると言われていて、それを元にした話がたくさんあるんですよ。猫の行動が天気と結びついているという考え方は、農村社会で生活の知恵として広まったんでしょうね。」
先生の説明に、俺はどんどん引き込まれていった。先生はさらに続けてくれた。
「落語では、そういう古くから伝わる言い伝えや俗信が元になっている話が多いんです。
例えば、昔の人たちは天気を予測するために、猫や虫の行動を観察していたんですよ。
『猫が顔を洗うと雨が降る』という言い伝えも、その一つとして今に伝わっているんですね。」

俺は興味津々で先生の話を聞き続けた。
「なるほど、だからあの猫が顔を洗っていた時に雨が降ると思ったんですね。
昔の人たちの知恵が今でも生きてるんだなぁ。」
先生はにっこりと笑って
「そうですね、正彦くん。
昔の人たちの知恵が、現代でもこうして役に立つことがあるんです。
それを知ると、日常の何気ないことにも少し違った見方ができるかもしれませんね。」
先生の言葉に、俺はますます昔の知恵や言い伝えに興味が湧いてきた。
そして、こんな風に物事を教えてくれる先生がいて本当に幸せだと感じたんだ。

今日は社会の小テストをすると先生に言われた。
先生曰く
先生の話をよく聞いているとすぐにわかります。
と、安心するように説明してくれる。
小テストの時間が始まり、先生が配った用紙を受け取ると、俺は緊張しながらも、先生の言葉を思い出して深呼吸した。
「先生の話をよく聞いていれば解けるはずだ」と自分に言い聞かせ、ペンを握りしめた。

問題用紙をめくると、最初の問題が目に飛び込んできた。

---

**問題1**: 日本が江戸時代に輸入していた品物の中で、最も影響力があったものはどれか、次の中から選びなさい。

1. 織物
2. 陶磁器
3. 蘭学書
4. 銀

**正彦くんの回答**: 3. 蘭学書

**解説**: 江戸時代、日本はオランダからさまざまな書物を輸入しており、それが蘭学の発展に大きく寄与した。先生が授業で詳しく話してくれた内容だったので、自信を持って回答した。

---

**問題2**: 明治時代に日本が最初に輸出を始めた大きな産業は何か、次の中から選びなさい。

1. 鉄鋼
2. 生糸
3. 石油
4. 木材

**正彦くんの回答**: 2. 生糸

**解説**: 明治時代、日本は生糸を主要な輸出品として西洋に送り出していた。先生が授業で説明していた通り、日本の生糸は質が高く、海外でも非常に評価されていたことを思い出して、この選択肢を選んだ。

---

**問題3**: 日本が最初にコーヒーを飲み始めた時期について、正しいものを選びなさい。

1. 江戸時代末期
2. 明治時代初期
3. 大正時代
4. 昭和時代

**正彦くんの回答**: 2. 明治時代初期

**解説**: 明治時代初期に西洋文化が急速に取り入れられ、その一環としてコーヒーも飲まれるようになった。先生が以前、カフェの話のついでにこの話をしてくれたことを思い出し、自信を持って回答した。

---

**問題4**: 鎖国時代の日本で唯一、貿易を行っていた国はどこか、次の中から選びなさい。

1. 中国
2. オランダ
3. イギリス
4. ポルトガル

**正彦くんの回答**: 2. オランダ

**解説**: 江戸時代、日本は長崎の出島を通じてオランダと貿易を続けていた。このことは、先生が鎖国政策について話していた時に強調していたので、確信を持って答えることができた。

---

**問題5**: 日本で最も古い学校の一つとして知られる、奈良時代に設立された学校はどれか、次の中から選びなさい。

1. 鶴見大学
2. 足利学校
3. 斎宮学校
4. 学問所

**正彦くんの回答**: 2. 足利学校

**解説**: 先生が日本の教育の歴史について話していた時に、足利学校が古代から存在していることを詳しく説明してくれたので、この答えを選んだ。

---

テストを解き終わると、俺はかなりの手応えを感じた。先生が授業で教えてくれた内容がそのまま問題に出ていたので、自信を持って解くことができたんだ。先生がいつもわかりやすく説明してくれるおかげで、普段の勉強が活きていると感じることができた。

結果が返ってくるのが楽しみだな。
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