先生と俺

第47話

そういえば今度の土曜日にカフェの後に遊園地に行く約束していたな。
と思い出した俺…。
しかもそれって明日じゃん！？
明日がその約束の日だと気づいた瞬間、俺は一瞬で胸が高鳴るのを感じた。
カフェでゆっくり話をした後に、先生と一緒に遊園地へ行くなんて、まるで夢みたいだ。
だけど、それが現実で、しかも明日だということに、急にドキドキしてきた。
「どうしよう…何を着て行けばいいんだろう？」
と心の中で少し焦りながらも、楽しみで仕方がない。
今までは授業や放課後に先生と話すことが多かったけど、遊園地で過ごすのはまた違った楽しさがあるに違いない。

その日の帰り道、俺はいつもより足取りが軽く感じた。家に着くとすぐに、明日のために服を選び始めた。
普段の学校では着ないような少しおしゃれな服を出してみたり、どうせならカジュアルで行こうかと悩んだり。
「先生との時間を楽しめれば、それが一番なんだよな…」
と自分に言い聞かせながら、何とか服を決めて、あとは明日のデート（って言ってもいいのかな？）に備えるだけだ。
夜になり、ベッドに横たわると、興奮してなかなか寝付けなかった。
明日、先生と過ごす時間がどんな風になるのか、どんな話ができるのか、想像するだけで胸が高鳴る。
そして、少しの不安とたくさんの期待を胸に、俺はようやく眠りについた。

男同士だからデートにはならないが
それでも好きな先生との一時だからそれは嬉しいことには違いない。
俺は、そう思い寝る。
翌朝
少し洒落た服に着替え
待ち合わせのカフェ近くにある
鳩時計前に行く。
すると、先生は約束の時間よりも早く着いていた。
(前もこのパターンだったな)
俺が鳩時計前に着いたとき、先生はすでに待っていて、やはり今回も約束の時間より少し早めに来ていたみたいだった。
前回もそうだったことを思い出しながら
「先生はいつも早めに来てくれるんだな」
と微笑んだ。

「おはようございます、先生」
と俺が声をかけると、先生は穏やかに微笑んで「おはようございます」
と返してくれた。
俺は、少し照れながらも先生の笑顔を見て、やっぱり今日も来てよかったと思った。
「今日は、遊園地に行くのが楽しみですね」
と俺が言うと、先生は
「そうですね。私もとても楽しみにしていましたよ」と返してくれた。
その言葉に、俺の心はますます高鳴った。
遊園地で先生とどんな時間を過ごせるのか、考えるだけでワクワクしてくる。

先生と一緒にカフェへと向かいながら、話が自然と弾んでいく。
昨日の夕飯の話や最近見た夢のこと、学校での出来事など、いろんな話題で盛り上がる。そして、俺は改めて先生と話すのがどれだけ楽しいかを実感した。
カフェに着くと、前回と同じように、シフォンケーキを頼んだ。
先生はまた、シフォンケーキの歴史について少し話してくれた。
今回は前回とは違い流通されるまでの経緯(いきさつ)を分かりやすく教えてくれた。
俺は、その話を聞きながら、先生の話す姿がとても美しいと感じていた。

その後、遊園地へ向かうためにカフェを出た。
先生との楽しい時間は、まだまだ続くのだ。
カフェを出た俺たちは、遊園地に向かうために電車に乗り込んだ。
電車が動き出すと、少し揺れる車内の中で、俺はふと思い立ち、先生に質問をした。
「先生、電車っていつからあるんですか？電車に纏わる歴史とか、もし知っていたら教えてください」
先生は少し考えた後、微笑みながら答えてくれた。
「電車の歴史はとても興味深いですよ。
電車が初めて運行されたのは、19世紀初頭のイギリスでした。
世界初の鉄道は、1825年にイギリスのストックトンからダーリントンまでの間で開通したものです。
蒸気機関車が使われていたんですよ。」

俺は驚きながら
「そんなに昔からあるんですね」
とつぶやいた。
先生はうなずいて続けた。
「そうです。
そして、鉄道は産業革命とともに急速に発展し、世界中に広がっていきました。日本でも、明治時代の初めに鉄道が導入されました。
1872年に新橋から横浜までの区間が開通したのが、日本の鉄道の始まりです。」

「新橋と横浜が最初なんですね。
電車があることで、人々の生活も大きく変わったんでしょうね」
先生は頷き
「その通りです。鉄道ができたことで、物資の輸送が格段に早くなり、人々の移動も容易になりました。
それが経済の発展や文化の交流を促進し、社会全体が大きく変わっていったんです」
と説明してくれた。

電車がガタンゴトンと音を立てながら進んでいく中で、俺はその話を聞いて、今自分が乗っている電車にもこんなに深い歴史があるんだと感心した。
そんなことを考えながら、俺たちは遊園地へと向かっていた。