先生と俺

みなと劉

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第37話

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俺は、いつものように教室に入ると、先生が机に向かって資料を整理していた。
先生の姿を見ると、自然と気持ちが落ち着く。
俺は先生に近づき、挨拶をした。
「先生、おはようございます。
昨日の夕飯なんですが、ジャンバラヤという料理だったんです。親に聞いたらアメリカの料理だって言われました」
先生は、俺の話を聞いて微笑みながらうなずいた。
「ジャンバラヤは、アメリカ南部、特にルイジアナ州でよく食べられる料理ですね。スペインのパエリアやフランスの料理の影響を受けていて、さまざまな文化が交わって生まれた料理なんです」

「やっぱり、そうなんですね」
と俺は頷き、続けて昨日見た夢の話を始めた。
「それと、昨夜、ちょっと変わった夢を見たんです。
夢の中で、異国の街を歩いていて、ジャンバラヤを作ってる料理人に出会ったんです。
彼が、この料理は世界中の文化が交わって生まれたって言ってて…なんだか不思議な感じがして」
先生は興味深そうに俺の話を聞いていた。
夢の話を終えると、先生は少し考えるように目を細めて
「その夢、もしかすると君の中で学んだことや感じたことが結びついて、新しい発見を促しているのかもしれませんね。
ジャンバラヤが象徴するものを、君が無意識のうちに感じ取ったのかもしれません」
と言った。

先生の言葉に、俺は少し驚いた。夢がただの幻想ではなく、何か意味があるものだと感じ始めた。

「それに、夢の中で出会った料理人は、もしかすると君自身の中にある好奇心や探求心の表れかもしれません。
色々な文化や歴史に興味を持つことは、とても大切なことですからね」
俺は先生の言葉を聞きながら、少しずつ夢の意味が理解できてきたような気がした。
この夢は、俺にとって何か重要なメッセージを伝えようとしていたのかもしれない。
授業が始まり、先生は黒板に「異文化交流」と大きく書いた。
その文字を見た瞬間、昨日のジャンバラヤの話や夢の中での出来事が頭をよぎった。
まさに今から習うことが、俺が感じていたものと繋がっているような気がして、少し興奮した。

先生は、異文化交流が歴史を通じてどのように進んできたのか、またそれが世界の文化や社会にどのような影響を与えたのかを丁寧に説明していった。
俺は、先生の言葉を一つひとつ逃さないように、しっかりと耳を傾けた。
「異文化交流は、単に物や技術が伝わるだけでなく、人々の考え方や生活様式にも大きな影響を与えてきました」
と先生は言った。
「例えば、皆さんが知っている食べ物や言葉の中には、遠い国から伝わってきたものがたくさんあります。
ジャンバラヤもその一つですね。」
俺は、自分が先生に話したことが授業の内容に重なっているのを感じて、少し誇らしい気持ちになった。
先生が、昨日の話を今日の授業に自然と繋げてくれたようで、俺がもっと学びたいという意欲がさらに湧いてきた。

授業が進むにつれて、先生は異文化交流の具体的な例として、シルクロードや大航海時代の話を取り上げた。
新しい知識がどんどん頭の中に入ってきて、異文化が交わることで生まれる新しい文化や価値観の豊かさを感じることができた。
授業が終わる頃には、俺は異文化交流がいかに大切なものかを深く理解するようになった。
授業の後、俺はもう一度先生にお礼を言いたくて、そっと先生の元に近づいた。
「先生、今日の授業すごく興味深かったです。
昨日のジャンバラヤの話とも繋がっていて、もっといろいろなことを知りたくなりました」
先生は優しく微笑んで
「そう感じてくれて嬉しいです。正彦くんの好奇心は、きっとこれからの学びに役立つはずですよ」
と言った。

俺は先生の言葉を胸に刻みながら、次の授業に向かう準備をした。
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