先生と俺

第35話

昼からの授業が始まると、先生が教室に入ってきた。
俺は内心、英語が苦手だという気持ちを抱えつつも、今日は少しでも理解できるようにと気合を入れてみた。
先生が黒板に書いたのは、今日のレッスンテーマだった「現在完了形」。
俺の頭の中では
「過去形はなんとか分かるけど、現在完了形ってなんだっけ？」
と少し混乱気味だった。
授業が進むにつれて、先生がいくつかの例文を出しながら、現在完了形の使い方を説明してくれた。
「I have lived in Tokyo for three years.（私は東京に3年間住んでいます）」とか、「She has just finished her homework.（彼女はちょうど宿題を終えたところです）」といった感じで。

俺はノートに一生懸命メモを取りながら、何とか理解しようと努めた。
けど、いまいちピンとこない部分もあって、集中するのがちょっと大変だった。
そんな中、先生がクラス全体に質問を投げかけてきた。
「現在完了形を使って、自分の経験を話せる人はいますか？」
というものだった。
クラスの中からは数人が手を挙げて、自分の経験を話し始めた。
俺はその間、何を話そうかと考えながらも、なかなか思いつかずにいた。
結局、答えられなかったけど、他のクラスメイトの発表を聞くことで少しずつ理解が深まっていった気がした。

授業の最後に先生が
「練習を重ねることで、英語も得意になるから、焦らずにがんばりましょう」
と励ましてくれた。
その言葉に少し安心し、次の授業までの間に復習しておこうと心に決めた。
放課後には、もう少し英語を克服できるように、自分なりに勉強してみようと思いながら、教室を後にした。
家に帰った俺は、さっそく今日の授業の復習を始めることにした。まずは、英語の授業で習った現在完了形を頭に整理するために、授業ノートとは別に用意したノートを開く。

ノートの一番上に「現在完了形」と書いて、その下に授業中にメモした例文をもう一度書き写す。
「I have lived in Tokyo for three years.」や「She has just finished her homework.」といった例文を繰り返し書いていくうちに、少しずつその構造が理解できるようになってきた。
さらに、今日の授業で先生が説明していた「経験」や「完了」を表す使い方を復習するために、自分でもいくつか例文を作ってみることにした。
例えば、「I have eaten sushi before.（私は以前寿司を食べたことがあります）」や「They have already seen that movie.（彼らはその映画をすでに見ました）」といった感じで。

こうして自分で例文を作ることで、少しずつ現在完了形の使い方が身についていくのを感じた。
もちろん、まだ完璧ではないけれど、毎日少しずつでも復習していけば、きっと英語が得意になるはずだと自分に言い聞かせながらノートをまとめていく。
次に、他の授業の復習にも取り掛かる。
国語の「春は曙」の一節や、理科で習った化学反応の仕組みもノートに書き出しながら、今日学んだことを思い出しつつ整理していく。
復習が終わったころには、夕食の時間が近づいてきていた。
俺は、今日の勉強を終えた満足感とともに、明日の授業に備えるために早めに休むことにした。